大規模開発の破たんと住民犠牲

@ いま全国で多くの地方自治体が国の言いなりになって、財政を無視した公共事業を行い、多額の借金を背負う一方、不況で税収が落ち込んだため、財政破綻におちいっています。そして今、「財政再建」を口実に福祉や教育予算の削減が進められています。その典型が大阪府です。

 

 

A「彩都」開発事業は当初より高級住宅の建設と企業研究施設の誘致を目的とした民間の開発計画です。この民間開発計画のアクセス道路など関連公共施設や学校など公益施設建設に大阪府も茨木市も多額の税金を注ぎ込んできました。しかし事業は経済環境の変化と人口減など宅地需要の落ち込みで行き詰まり、住宅供給もマンション中心で、しかも企業研究施設地区に予定されていた地域もマンション開発地域に転用されたり、製造施設の建設も可能になるよう用途地域の見直しも検討しています。このような民間のマンション建設を中心とした開発計画推進のために府民や市民の貴重な税金をつぎ込む理由は全くありません。この程「都市再生機構」が東部地域からの開発撤退を表明し、中部地域も事実上、開発不可能となりました。当然の措置とは言いながら、無謀な開発を行ってきた責任は免れません。したがって今の税金の使い方をゆがめ、市財政を破たんに追い込む「彩都」開発関連事業は新住民の利益も守りながら、その内容を精査すべきです。

 

 

B 大阪府が「彩都」開発関連公共事業に国からの補助金などを除き、支出を予定しているのは合計で約744億円です。そしてすでに、道路建設をはじめ、河川改修、砂防ダム建設などで348億円以上支出していますが、こうした大型開発への財政投入が大阪府の財政破たんの最大の原因です。

 

 

C次に茨木市が「彩都」開発関連公共事業に支出を予定しているのは、国からの補助金などを除き、合計で約347億円で、平成19年度末までに、学校建設、道路整備などで約102億円も支出しました。さらに平成21年度末までに53億円支出しようとしています。

 

 

D当然これらの支出額の財源のほとんどは地方債の発行又は都市整備機構からの借金及び税金からの支出ということになります。現市政は、この借金の返済の財源を、開発地域に進出する企業や新たに住む住民からの税収からと、当てにしていますが、見通しを大きく下回っています。またこれまで税金からの支出はほとんどないという事前の説明も、国や都市機構の採算の悪化や財政難から、学校建設などの市の負担が増えてきています。
 したがって、茨木市を財政危機に追い込む、「彩都」開発関連公共事業はアクセス道路山麓線はもちろん西部地域についても、新住民の利便性を確保しながら、その内容を精査すべきです。

 

 

E2004年4月の彩都開発区域の西部地区で街びらきに併せて茨木市は35億円の巨費をかけて小学校を建設しました。党市議団は建設位置について、都市機構実施の地質調査で、断層破砕帯の存在が指摘されている場所のため、変更を強く求めました。この位置はため池の跡地で、しかも最大で24bの谷を軟弱な盛土材で埋め立てた地域で、過去の阪神や宮城県沖地震の被害実態からも、構造物の影響がもっとも受けやすい地域であること、校舎建設のための事前の30ヶ所のボーリング調査箇所中、16ヶ所で断層破砕帯の存在が推定されたり、地盤の安定性についても重大な懸念があることを追及しました。市は「安定地盤まで、基礎杭を打つので大丈夫」と答弁しましたが、あらためて地震時の盛土の厚さの差で挙動が異なり、校舎の上部構造に影響が出る可能性が高いことを強く指摘しました。またマンションや一戸建てが建設されている地域も調査結果より多数の地質的問題点が指摘され、南海地震や活断層地震の影響が危惧されています。

 

 

Fさらに中央部の国際文化施設地区整備のために大阪府や茨木市箕面市も出資して設立された国際文化公園都市株式会社がこのほど事実上の倒産となり、府民と市民の貴重な税金=10億円がほとんど失われました。もともと民間の開発計画のために設立された会社に地方自治体が出資したり、取締役を派遣する理由は全くありませんでした。したがってこうした無謀な開発計画を推進した自民党はもちろん公明党や民主党の責任は重大です。今すぐ大阪府も茨木市・箕面市も出資や取締役派遣を止めるか、早期に所有地を阪急に売却して、会社を解散すべきです。