[反対討論]茨木市駐車場の指定管理者の指定について

(岡崎栄一郎議員)

 議案第75号 茨木市駐車場の指定管理者の指定について、日本共産党茨木市会議員団
を代表して、反対の立場から討論を行います。

 そもそも「指定管理者制度」は、「官から民へ」の掛け声のもとに、これまで公の施
設の管理主体は、地方自治体が出資する法人や公共団体、公共的団体に限っていたもの
を株式会社等の民間営利事業者にまで拡大し、公の施設がもうけ優先になり、住民福祉
の増進と均等にサービスを提供するという公共性が保てなくなるというのが一番の問題
点であります。今回の市営駐車場の公募による指定管理者の指定はまさにこのことが危
惧されるわけであります。以下、具体的に反対する理由を述べるものであります。

 反対する理由の第一は、公共性を担保するという観点から、指定管理者制度移行にあ
たっては、いわゆる「横滑り」の対応、これまでの実績を重視し、市施設管理公社や自
転車駐車場整備センターに指定すべきであるにもかかわらず、公募で株式会社を参入さ
せた点であります。
 民間のノウハウというものを否定はしませんが、公の施設の管理運営というものは、
民間事業者が同様または類似するサービスをやっているとか、民間でも管理できるとか
いう問題ではありません。公正、安定、平等の公共性の原則と民間営利事業者の本質的
に持っている「利潤追求」というものが本質的に対立するからであります。現に、今回
の公募で株式会社を参入させたところは条件のいいところ、いわゆる「おいしい」とこ
ろであります。市営駐車場は黒字の所、赤字の所色々ですが、全体としては黒字で、委
託料、維持管理料、修繕費を支出しても、実績としては約2億円の黒字であります。と
ころが指定管理者制度導入によって、今後、これがばらばらにされ、条件の悪いところ
が残っていくわけであります。結局、「いいとこ取り」をされて市民に新たな財政負担
を負わせる可能性が非常に高いことをきびしく指摘するものであります。今の駐車場の
収支状況から見ても引き続き公共的団体に管理運営させ、公の施設としての安定性を確
保すべきであります。

 反対する理由の第二は、企業が利益を挙げるために過当競争、過度の人件費削減、社
会的ルールを無視した労働条件の低下を招く恐れがあることです。委員会の答弁でも

「人員的な面でございますが、一人でも多く人員を削減できるようにやっていきたい」
とあるように、駐車場で経費を節減しようと思えば、それは人件費しかないといえます。
今回の指定管理者制度導入、公募による指定管理者の指定で、市に一定の使用料収入を
納めれば、それ以上の儲けは指定管理者のものになることも、また、将来の利用料金制
導入も否定していません。「あくなき利潤追求」が営利会社の本質ならば、そうした儲
けを上げるため公の施設としての安全性を無視した過度の人件費削減に走ることは十分
予想され、また、逆のケース、状況が悪くなれば撤退、倒産という可能性も否定できま
せん。

 反対する理由の第三は、指定管理者の指定にあたって議会の議決を求めながら、判断
材料はいっさい示さず、ただ承認だけしてくれという態度に終始したことであります。
 これだけの問題点がありながら、それを実際に検証しようとすると、議案外なので答
えられない等々、いっさいの判断材料を示さなかったのであります。今回の指定の妥当
性を客観的事実に基づき判断しようとして応募業者の収支報告書の中身を明らかにせよ、
と質疑しても、これも拒否。これでどうして判断できるのでしょうか。誠実な対応はま
ったくなされず、議員に対してただ承認だけ求めるというのは傲慢な態度だと厳しく指
摘するものであります。

 以上、三点、反対の理由を申し上げ、討論とさせていただきます。議員各位のご賛同
をよろしくお願い致します。

以上


[反対討論]茨木市市民会館・福祉文化会館の指定管理者の指定について

(畑中たけし議員)

 議案第64号茨木市市民会館の指定管理者指定について、日本共産党市会議員団を代
表して、反対の立場から討論を行います。また議案第65号茨木市福祉文化会館の管理
者指定についても同じ立場であることを、表明いたします。

 そもそも「指定管理者制度」とは、地方自治法第244条に規定された公の施設の管
理が、これまでは公共団体等に限定されていたのが、営利団体にも、「指定管理者」と
して、管理を委託することができるというものです。この結果、議会の議決を経て、民
間会社を含む「指定管理者」を選定することになりますが、場合によっては、利用料も
指定業者の収入とする制度となっており、まさに税金でつくった施設で民間会社が「利
益」をあげることができる、とんでもない制度になりかねないものです。これはまさに
自治体業務を大規模に民間等に委託していく手法であり、自治体の公的責任は後退し、
住民サービスと雇用を切り捨てる危険な内容が含まれているという事をまず最初に指摘
するものであります。

 さて、今回の市民会館と福祉文化会館の指定管理者の指定先は、財団法人茨木市文化
振興財団であり、営利会社ではありませんが、その本質が市民にとって、危険な方向で
あることは間違いありません。

 反対する理由の第一は、直営から、指定管理者に管理運営が委託されることによって、
施設利用者のサービスが低下する可能性が高いと言うことです。
委員会の質疑の中でも、「これまで、いずれの施設も経験ある市職員の配置により、施
設の使用等について、適切なアドバイスやまた利便性向上のための即応的な対応がなさ
れてきた。こうした市民サービスはこれから、どのように担保されるのか。市民サービ
スが低下をきたすおそれはないのか」と言うことをおたずね致しました。しかし、南助
役は「財団と連携をとって、従来の市民サービスにプラス民間としての対応を入れた運
営をしてもらうことになっている」と答えるだけで、具体的な対応についての方策は全
く示されませんでした。したがって、今は市の職員が直接運営しているから、市民の立
場に立った親身なサービスを受けることができるが、施設管理経験のノウハウのない文
化振興財団に任せれば市民サービスが低下する可能性が高いと言わざるを得ません。一
方、経費の縮減という点でも、来年度の指定管理料1億1730万円プラス使用料収入
4000万円の使途の内訳を明らかにするよう、求めましたが、明らかにせず、経費の
縮減の効果もはなはだ疑問といわざるを得ません。しかも指定管理者に指定しながら、
文化振興財団事務局には、市職員を専任職員として、1名継続して派遣し、その職員の
人件費は市が持つのですから、何のための指定か、これまた疑問であります。

 反対する理由の第二は、指定管理者を茨木市文化振興財団にする理由が極めて、不明
確であると言うことです。委員会質疑に対する答弁の中で、指定先の選定については、
文化振興財団のみを対象にしたと言うことであります。なぜ、実績重視というなら、施
設管理公社も選考の対象にしなかったのでしょうか。またそもそも文化振興財団の設立
目的は「茨木市の文化活動の振興に資する事業を展開し、もって地域文化のより一層の
発展に寄与する」と規定する教育委員会所管の文化事業団体であります。それをわざわ
ざ定款や規約を変更して、いわゆる「貸館業務」に従事させる必然性は全くありません。
また「自主事業の実施による施設の稼働率のアップをめざす」と言うことですが、それ
を言うのなら、利用料金の引き下げを検討すべきと考えます。事業の推進と管理の遂行
を一体化させ、文化振興財団を肥大化させることは、いわゆる「天下り先」を肥大化さ
せる危険性につながるという事を改めて、指摘するものであります。

 反対する第三の理由は指定管理者制度のもとで、施設の運営への利用者・住民の参加、
住民監査請求を含めた住民のチェックと改善の手続きが法的に保障されないと言うこと
です。指定管理者が得た個人情報の保護についても同様で、情報の流出も心配です。指
定管理者には毎年、業務の実施状況、利用状況、料金収入の実績など事業報告書の提出
が義務付けられていますが、議会への報告義務はありません。指定管理者に対しては、
お金の出し入れの監査を行うことはできますが、業務そのものについては監査の対象に
ならないとされています。これでは適正・公平な運営の的確なチェックはできません。
今回の答弁でも、指定管理者に3年間で、3億5千2百万円の管理料=即ち単年度で、
約1億2千万円が支払われる予定です。しかし委託される業務のほとんどはまた外部の
事業者に再委託されることになりますが、この行為に対しては、監査委員も議会も事実
上ノーチェックであります。今でも、すべて事業の委託は随意契約で行われているのに、
全くのブラックボックスとなります。

 最後に改めて、このような市民サービスの低下をきたし、しかも選定の過程も不明朗
で、これからのチェックも全く出来ない指定管理者の指定には、反対の立場を表明し、
討論と致します。議員各位のご賛同をよろしくお願いします。


以上


[反対討論]議案第76号 財産区財産の処分について

(朝田みつる議員)


 議案第76号 財産区財産の処分について、日本共産党茨木市会議員団を代表して、
同意できない、反対の立場から討論をいたします。

 今回の処分は、生保財産区8筆について、安威川ダム関連用地として大阪府に売却す
るものであります。買い手は大阪府、売り手は茨木市であり、この売買の原資になって
いるのは、府民、市民の税金であります。したがって、茨木市は、売り手側とはいえ、
この売買に緊急性、必要性はあるかどうか、売り手側の責任も問われてくるわけであり
ます。この観点から、以下、反対の理由を述べるものであります。

 まず第一に、今回の処分の前提である安威川ダム建設計画そのものが先行き不透明、
定かではないことであります。
 先だって、大阪府は、安威川ダムの利水機能を縮小する見直し案を茨木の市議会にも
説明にきました。安威川ダムの日量を7万トンから1万トンへ、ダムの規模も縮小する
というものです。この見直し案発表に伴い、新たな矛盾が発生しています。特に浄水コ
ストの面で、大阪府は「今回の見直しが確定した時点で、浄水コストについてもまた検
討する」と答えましたが、こうした利水面で費用対効果、コスト問題が今後、浮上して
くることは必至であります。さらに、治水についても大阪府の建設事業評価委員会も
「大阪府河川整備委員会の結論が出た段階で改めて報告を受け、審議する」とし、その
大阪府河川整備委員会では、審議の途中であり、あわてて、この土地を大阪府が先行取
得しなければならない積極的理由は見当たりません。事業の進捗率を高めるためとしか
言いようのないものであります。
 また、箕面市の余野川ダムの中止、大阪高裁での滋賀・永源寺第二ダムの事業計画取
り消し判決等、「脱ダム」の流れは加速していることも指摘するものであります。

 第二に、処分後の工事の計画も定かでなく、今の時期に行う緊急性がない点でありま
す。今回の処分地のうち大字生保72番5の一部は、ダム湖左岸道路の一部及び道路の
法面で、あとの処分地はダム湖水没地であります。ところが「ダム建設は予定通り進ん
でいる」と答弁しながら、処分地の道路工事着工はいつ頃なのか、ダム本体工事着工は
いつ頃なのかは「わからない」という答弁であります。この点でも今の時期に処分する
緊急性はないと指摘するものです。

 第三に、処分価格についても妥当性、客観性がない点であります。委員会審査で、そ
れぞれの処分地の平米あたり単価を明らかにしましたが、この根拠は、平成11年3月
に行った大阪府の財産評価審査会の答申に基づく損失補償協定での鑑定評価が基本にな
っているわけでありますが新たな鑑定も取らず、当時の大阪府の処分価格が今の時点に
おいても妥当だと言えるのかの検証はまったく行われていません。これでは、到底、府
民、市民の理解が得られるものではありません。

 第四に、この処分によって支出される当該財産区の事業交付金についても緊急性がな
い点であります。今回の処分によって、約1億円の事業交付金の交付となるわけですが、
これは当該地区の公共事業に充てられるとの答弁でありましたが、現在、その具体の事
業計画はないということも明らかになりました。この点でも、緊急性はないといわざる
を得ません。

 以上、四点を指摘し、この提案には緊急性、妥当性、必要性を欠いていることを申し
述べ、反対の討論といたします。議員各位のご賛同をよろしくお願い致します。


[賛成討論]請願第3号「乳・幼児期から学童期までの保育・学童保育の充
実などを求めることについて」


 請願第3号の1「乳・幼児期から学童期までの保育・学童保育の充実などを求めるこ
とについて」は、採択すべき、また、請願第3号の2も同様の立場から、日本共産党市
会議員団を代表して、討論を行います。

 本請願の採択に賛成する理由の第一は、憲法と地方自治法に明記している、住民の請
願権を根本から擁護するという立場に立つからであります。そもそも市民が市議会に提
出する請願は、その請願権を尊重する立場から、特にその内容が、「公共の福祉」に反
しない限り採択をし、市長に送付し、その実現を求めるのが法の趣旨であり、市議会の
つとめであります。今回、その点では、同種の請願で初めて、付託された常任委員会で
請願者自らがその願意を説明する場が確保されたと言うことは、大きな前進でありまし
た。
 しかし問題はその説明に対する民生産業と文教人権常任委員会における委員の質疑の
内容であります。例えば、請願者に対し、民生産業常任委員会では、「請願項目につい
て、必要経費が明確にされていない。市の財政の現状をふまえたものになっていない」
と言う趣旨の発言があり、その数字を休憩中に助役に答弁を求めるということがありま
した。休憩中であっても、答える方も問題ですが、聞く方も問題で、一体議員は市民の
立場に立つのか、理事者の立場に立つのかというのが問われる問題です。また文教人権
常任委員会でも、「請願項目を実現するのに、どれくらいの税金がかかるのか書いたほ
うがいい」とか、「切実なものから、順位をつけたほうがいい」という趣旨の質疑もあ
りました。 しかし、そもそも請願というのは、市民の素朴な願いや要求を持ち寄って、
市議会に提出されるというもので、市議会議員はその願意が、世間の常識から見て、
「もっともか、どうか」を判断して、採択か不採択かを決定し、採択した場合は、議長
がその結果を市長に送付する。それを受けた市長は、結果を尊重しながら、市全体の財
政や他の施策とのバランスを考えて、出来るものから、順次実現するというのが、法に
定められた請願処理のあり方であります。かつて茨木市議会でも、請願については、余
程の問題がない限り、ほとんど採択をし、実現については、市長の判断にゆだねると言
う、方法がとられていたと聞いています。また請願者の意志も「採択されれば、全てす
ぐに実現せよというものではなく、時間をかけてでも、切実なものから、着実に実現さ
せて欲しい」と言うのが、願意であります。したがって、財政の裏付けが不明確だから、
反対というのは、市民の請願権を事実上、否定する論理であります。また「採択に賛成
できる項目もある」というのなら、茨木市議会の請願審査の方法を例えば趣旨採択や一
部採択を取り入れるなど、他市を参考に改善をして、市民の請願権を極力保障すべきも
のであります。さらに文教人権常任委員会では、公明党の委員が請願者に対し、「いつ
も紹介議員が共産党さんなんですね。」「この団体、茨木署名連絡会というのは、共産
党のシンパ団体というふうに考えていいんでしょうか。」と言う質疑を行いました。こ
れなどは、市民の請願権を否定するどころか、冒涜するものであります。

 本請願の採択に賛成する理由の第二は、本請願の趣旨は、「すべての子どもたちが健
やかにのびのびと育ってほしい」という保育・学童保育・子育て支援の充実を求める切
実な市民の願いであり、子育て支援・少子化対策の具体化として、これら請願を採択す
るのに、全く異論の余地をはさまないものであるからであります。
 今回の提出された署名は、3万3千筆を越え、いかに市民の願いが切実であるかは、
明らかであります。事実、今、子どもたちの置かれている現状は、請願趣旨で述べられ
ているとおり、大変切実なものばかりであります。「子どもを産みたいけれど仕事と両
立できそうもない。超長時間労働の夫に子育てを頼れない。保育所に入りたくても入れ
ない」。 少子化が進行している一方で、保護者の就労を保障し、子どもたちの豊かな
成長と安全を保障する施策の充実が求められています。
それには、保育所の増設、病児・一時保育など特別保育の充実など公立・私立保育所の
機能拡充、そのために公立保育所は公設・公営で運営し、子育ての悩みを気軽に相談で
きる地域の子育て支援センターとして役割を果たすこと。民間保育所に対する補助金を
公立並みに増額し、「公私間格差」を是正するとともに、公立と連携して地域の子育て
支援機能を充実させるとこが、重要であります。
また、学童保育条例を制定して、子どもの放課後の安心・安全な居場所作り、集団生活
の中で、ともに学び・成長と発達を保障すること、職員の労働条件の改善、エアコン設
置など施設改善をすすめることが必要であります。

以上、採択するべきという理由を大きく2点申し上げ、賛成討論と致します。