12月定例市議会では2件の意見書が全会一致で採択されました。いずれも意見書(原文)案は党市会議員団が提案したものです。



耐震強度計算書偽造の再発防止と建築行政の信頼回復に関する意見書

 建物の耐震強度をチェックする「構造計算書」の偽造によって、安全
が保障されないマンション、ホテルの建設が明らかとなり、建築行政の
信頼を失わせるゆゆしき事態となっている。事件の経過から見れば、一
級建築士が「計算書」を偽造しても、審査に通らなければ建築確認に至
らないわけである。しかるに今回は、民間の「指定確認検査機関」が審
査して建築確認を出していたわけで、その点から見れば、1998年の
建築基準法「改正」による審査・検査の民間任せが事件の大きな背景に
なっていると言わざるを得ない。しかし、中には、行政庁が確認したケ
ースも見受けられ、建築確認行政が空洞化していることが危惧されると
ころである。
 政府においても緊急建築確認事務点検本部の設置や分譲マンション住
民への公的支援策など積極的な緊急対策が立てられ、国会でも関係者の
証人喚問が行われたが、毎日のように新たな耐震偽装の建物が報道され、
市民の不安は続いている。
 よって、本市議会は、政府に対し、下記の事項について、早急に対策
をとるよう強く求めるものである。


1.設計者の告発、当該及びすべての民間指定確認検査機関の実態調査
を行い、事件の全容解明を行うこと。
2.偽造発覚に至った経過を明確にするとともに、国において対応と責
任を明確にすること。
3.居住者の安全確保と補償問題について、事業主と建築関係者が全責
任を持つよう指導し、対策を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成17年12月20日
                      大阪府茨木市議会   



定率減税廃止に関する意見書

 政府税制調査会が2006年度税制「改正」答申を政府に提出した。
答申は、2007年度から所得税・住民税の定率減税を廃止すると明記
している。定率減税は、所得税額の20%(上限25万円)、個人住民
税額の15%(上限4万円)をそれぞれ減額する措置である。景気対策
の一環として所得税の最高税率の引き下げ、法人税率の引き下げとセッ
トで1999年に導入された。                  
 景気が緩やかに回復しているというが、民間サラリーマンの給与総額
は定率減税を導入した1999年以降、6年連続でマイナスとなり、 
1998年の水準から21兆円も落ち込んでいる。         
 厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、「生活が苦しい」と答えた
世帯は過去最悪の55.8%に上がっている。家計収入は定率減税の導
入時より悪化し、回復とはほど遠い冷え込みが続いている。     
また、一定の改善が見られると言われる首都圏とは違い関西圏では景気
回復は実感できない。                      
 よって、本市議会は、政府に対し、定率減税の廃止については景気へ
の影響も勘案し、さらに慎重な検討を続けられるよう強く要望する。 

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。   

平成17年12月20日                     
                        大阪府茨木市議会

 

『定率減税廃止に関する意見書』は、全会一致をめざすため以上の
ような文章となった上で本会議にて採択されましたが、参考までに
日本共産党茨木市会議員団が議会に意見書(案)として提出した
原文を掲載します。


定率減税廃止に反対する意見書(案)

 政府税制調査会が2006年度税制「改正」答申を政府に提出した。
答申は、2007年度から所得税・住民税の定率減税を廃止すると明記
している。定率減税は、所得税額の20%(上限25万円)、個人住民
税額の15%(上限4万円)をそれぞれ減額する措置である。景気対策
の一環として所得税の最高税率の引き下げ、法人税率の引き下げとセッ
トで1999年に導入された。                  
 景気が緩やかに回復しているというが、民間サラリーマンの給与総額
は定率減税を導入した1999年以降、6年連続でマイナスとなり、 
1998年の水準から21兆円も落ち込んでいる。         
 厚労省の国民生活基礎調査によれば、「生活が苦しい」と答えた世帯
は過去最悪の55.8%に上がっている。家計収入は定率減税の導入時
より悪化し、回復とは程遠い冷え込みが続いている。        
景気の実態は定率減税を継続する理由となることはあっても、廃止する
理由にはなりえない。定率減税を廃止すれば、景気に多大な悪影響を与
える恐れが危惧される。
 よって、本議会は、政府に対し、定率減税の廃止を行わないよう強く
要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。   

平成17年12月  日
                 大 阪 府 茨 木 市 議 会