[朝田 充] 6月議会 一般質問と議案質疑 06年6月13日

◎「茨木市行財政改革プラン(茨木市集中改革プランについて)」
@策定の経過について
A経費削減・増収見込額の算定根拠について
B具体的取り組み事項について

◎議案第38号 専決処分につき承認を求めることについて(茨木市市税条例等の一部を改正する条例)


(1問目)
 一般質問として、茨木市がこの間策定、発表した茨木市行財政改革推進プラン、すなわち茨木市集中改革プランについてお尋ねいたします。

1、策定の経過について

 まず1点目として、この集中改革プラン策定の経過について総務省は、平成17年3月29日「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」を策定・各自治体に通知しました。そこでは、平成17年度から21年度までの5ヵ年について、住民犠牲のニセ「行革」を推進するための「集中改革プラン」というのをつくり、平成17年度中に公表することを求めていました。本市は、ニセ「行革」ということで言えば、すでに「茨木市行財政改革指針」の策定作業に取り掛かっておりましたが、改めて、この集中改革プラン策定の経過報告を明らかにするよう、特に、集中改革プランの案は、いつ決定したのか、「指針」との関係はどうとらえているのか、明らかにするよう求めます。


(松本企画財政部長)
 茨木市行財政改革の推進プラン策定の経過でございますが、質疑の中にございましたが、総務省から平成17年3月29日に全国の地方自治体に対しまして集中改革プランを平成17年度中に策定をし、公表する旨の要請がございまして、本市におきましては、既に策定中でございました行財政改革指針案に沿った行財政改革推進プラン、すなわち集中改革プランと同等のものでございますが、を作成し公表したものであるということでございます。なお、プランの案につきましては3月20日に集約いたしまして、3月22日に行財政改革指針策定諮問会議に報告したのち、3月27日、行政改革推進委員会総括部会で審議を行い、3月30日に策定いたしたところでございます。



2、経費削減・増収見込額の算定根拠について

 次に、2点目として、集中改革プランの経費削減・増収見込額の算定根拠についてお尋ねいたします。
この集中改革プランの最後の章、「第4 今後の取組目標」では、「今後、少子・高齢化等の新たな行政課題に対応していくためには、財政の健全化が求められているところであり、新たな財源の確保や歳出全般にわたり、徹底した見直しが必要である。そのため、本計画期間内における取組目標として、次の通り設定する。」として経費削減・増収見込額の一覧表を掲示しています。
これを見ますと、平成17年度から21年度の5ヵ年の経費削減・増収見込額は、累計で約50億円です。茨木市は今後、50億円ものニセ行革、住民犠牲をやるわけです。その一方で「歳出全般にわたり、徹底した見直し」をするといいながら、見通しのない、無駄な大型公共事業、彩都開発、安威川ダムといった関連事業や同和事業は聖域であります。そこで、お尋ねいたします。この50億円の積算根拠と内容を明らかにするよう求めます。平成17年度の経費削減・増収見込額は、合計で2億2千万円となっています。実際はどうだったのか、17年度の結果について答弁を求めます。


(松本企画財政部長)
 次に、今回の推進プランの算定根拠でございますが、こもごもの算定につきましては、全体的に申し上げまして、改革の実施により削減される経費から必要経費を差し引いた額、あるいは、財源の確保により見込まれる収入額を削減額あるいは増収額として算出をしております。したがいまして単年度でやりました上の積み上げということでご理解をいただきたいと思います。なお、具体的に申し上げますと、17年度から21年度までの5年間でございまして、歳入の確保といたしまして、市税、あるいは国保の収納率向上、遊休地の売却、ホームページへの有料広告の掲載、あるいは前納報奨金の見直しなどによりまして11億5千3百万。また、歳出の削減のうち、人件費の削減といたしまして、適正な定員管理の推進、あるいは、特別職の給与あるいは特殊勤務手当ての見直しなどによりまして、17億7千6百万円。また、事務事業の見直し、民間委託等の推進といたしまして、財務会計システムの再構築、あるいは保育所の民営化、指定管理者制度の導入、十日市水源場の運転業務の委託、就学援助の見直し、さらなる業務改善によりまして20億6千4百万円。合計、49億9千3百万円を見込んでおります。なお、質疑の中でございました、17年度はどうか、ということでございますが、その実績につきましては、今後、平成17年度の行財政改革の実績調査を予定いたしておりまして、その集約できた段階におきまして、広報誌等で公表してまいりたいと考えております。以上です。


3、具体的取組事項について

 次に、3点目として、集中改革プランの「具体的取組事項」についてお尋ねいたします。
 このプランは、50億円の「行革」を掲げながらも具体的な取組内容については全面的に明らかになっているとはいえません。しかし、それでも、第3章の「具体的取組事項」では、小泉構造改革の茨木版=新たな行革の一端が垣間見れるわけであります。数値目標と内容が明らかにされ、なおかつ市民的影響が大きいものを拾い出してみると、「市立保育所の民営化」これは効果見込額10億円となっています。ついで「国民健康保険料の収納率向上」で、増収見込額3億5千万円。ついで「指定管理者制度の積極的な活用」で効果見込額2億7千万円。ついで「市税の前納報奨金制度見直し」で効果見込額1億4千万円。「就学援助費の見直し」で効果見込額9千2百万円。「市税等の徴収体制強化」で増収見込額9千2百万円。「水道浄水場運転管理業務委託化」で効果見込額1千8百万円。さらに、「人員削減」では、5%の削減で、効果見込額17億4千万円。という具合です。「市立保育所民営化」については、3月議会で明らかにしたとおり、民営化による正規職員の減はないわけで、効果額10億円どころか、逆に市の持ち出しが増えるわけで、まったくのでたらめであります。いずれにせよ、保育所民営化がこの集中改革プランの「第一関門」であることには間違いありません。この問題は、後の質問者がテーマとしてとりあげますので、私は、時間の関係もあり、「国保収納率」の問題にしぼって質問します。このように国保料の収納率を上げる、5ヵ年で3億5千万円、単年度で7千万円の増収をはかるということだと思いますが、そのために、茨木市が本当に困っているひとに対しても過酷に取り立てる、あるいは切り捨てる、ということを私は危惧するものです。支払能力のある人がちゃんと払うというのは当然なことですけども、支払能力がない人にも収能率向上の名の下に機械的な対応を行なうということも実際に起こっているのではないかと考えます。
そこで、こうした収能率向上がとにかく至上命令となってくる背景をまず明らかにしておきたいと思います。国保財政も三位一体改革により、国の定率負担、または調整交付金、それぞれ減額され、新しく都道府県財政調整交付金という形で税源移譲されました。ところが、厚労省と総務省がこの都道府県財政調整交付金配分のガイドラインを作っています。それによると交付金の配分が「保険者の取組、医療費の適正化、収納率向上などに資した結果に対して、成績評価による交付が望ましい」として、具体的なメニューまで示しています。税源移譲、地方分権といいながら、地方の手足を縛るようなガイドラインを作ること自体、許せないことであります。見解を求めます。あわせて、これに対して、大阪府の対応はどうなっているかも答弁を求めます。
 次に、資格証明書発行についてお尋ねいたします。茨木市の場合、約千件の資格証明書発行が行なわれているわけですが、茨木市は、どういう経過を経て資格証明書発行に至る措置をとっているのか、答弁を求めます。

1問目以上


(今村健康福祉部理事)
 集中改革プランにおけます具体的取組事項についてお答えいたします。国のガイドラインについての見解でございます。都道府県調整交付金のガイドラインについてでありますが全国知事会、市長会、町村会、総務省、厚生労働省等において、検討会を設置し、まとめられたものであります。配分方法につきましては、市町村と協議の上、都道府県が条例により定めたことでありますから、ガイドラインそのものには法的拘束力はないものであると考えております。

 次に、都道府県調整交付金に対する大阪府の対応でございます。ガイドラインを参考に市町村と協議の上、都道府県が自らの判断と責任により市町村間の財政調整を行い、地域の実情に応じた保険運営を促進し、それにより国保財政の安定を図ることを目的に制定された条例でありますことから、各保険者の事業運営に支障のないように運営されているものと考えます。

 次に、資格証明書の発行についてでございます。資格証明書につきましては、国民健康法第9条第3項の規定に基づき、納期から1年間、保険料を納付していない世帯について特別の事情があると認められる場合を除き被保険者証の返還を求め、返還を受けたのち、同条第6項では、資格証明書を交付することとされておりますが、本市におきましては特別の事情に関する届けを行うよう通知し、また、弁明の機会の弁明書についても提出するよう配達記録郵便で通知するなど資格証明書の交付に至るまで3ヶ月以上の期間をかけて接触の機会を設けておりますが、何の連絡等もない世帯については資格証明書を交付しております。



<2問目>

 答弁を踏まえて、2問目にいきます。
 まず1点目の策定の経過でありますけども、総務省の新たな指針においても、こういうふうに書いてあるんですね、「簡素で効率的、効果的な地方行政体制の整備については、もとより地方公共団体自らが住民や議会等の監視の下に推進していくべきものであることはいうまでもない」としています。指摘しておきたいのは、今のご答弁では、3月20日に集約と。そこで案を決定したと思うんですけども、で、22日の諮問会議に報告と。
22日の第4回の諮問会議に集中改革プランの案を提出しておきながら、まさに同時期に開会中の3月議会にはまったく示されなかった。自分の諮問機関には提出するけども住民の代表機関である、行政をチェックする、そういう役割をはたす議会には示さなかったというのは、私は、議会軽視であるし、この総務省の指針の趣旨にも反すると考えますが、見解をお聞きしておきます。


(松本企画財政部長)
 今回の集中改革プランの取扱について、一定、質疑いただいているわけでございますが、常に、ご存知の通り市で策定するいろんな計画、あるいは資料等につきましては、議会の方にお示しするようにしておりますが、今回、推進プランにつきましては、策定期間も若干、短かったこともございますが、諮問会議という、一定の、民間の、そういう会議がございましたので、そちらの方に先に示させていただいたと。そして決定した段階で公表したということでございますのでご理解をいただきたいというふうに思います。



 それから2点目の経費削減、増収見込額の策定根拠でありますけども、ご答弁いただきましたけども、私はここで知りたいことは、累計で50億円ということで、数字はじき出した詳しい積算根拠なんですね。で、前の行革では、3年間で85項目の行革目標、「職員の定数及び給与の適正化」であるとか、「事務業務の簡素合理化」とかね、「補助金等の整理統合」ということで、大きく9つの大きな項目に分けて、そして、全体としては85項目の行革項目を詳しく列挙して、効果総額2億6千万円の詳しい一覧表を、前回の行革では作っておられますよね。で、それをプロジェクトチームに検討してもらったり、あるいは総括部会が評価したりしたわけですけども、そういう一覧表を作っているかということなんですね。ご答弁では明確でなかったんですけれども、再度、そういう積算根拠の一覧表つくっておられるのかどうか、また、それはどこの課にあるのか、つくってないならばそうおっしゃっていただければ結構です。これだけの数字はじき出しているわけですから、なんらかの積算資料があるはずですけども、それはどこにあるのか、再度答弁を求めておきます。


 また、もう一点、算定根拠でございますが、今回の推進プランにつきましては、それぞれ所管課、あるいは所管部の方から今後5年間におきます改革方向ということであがっておりまして、その中で、それぞれが算定根拠を定めているというふうには考えております。なお、先程若干、申し上げましたが、一例を取りますと、事務事業の見直しと、いうようなことにつきましてはこれは今までの経過等を考えまして、年間1億円を見込み、5年間で5億円と、こういうふうな、ある程度、シンプルな形での計算をしておりますので、ご理解をいただきたいというふうに思います。以上です。


 それから3点目の具体的取組事項の中で、私は今回、国保の問題を取り上げたんですけれども、確認しておきたいのは国がそういうガイドラインを作って、大阪府はどうしたかということで、先程の答弁では条例とおっしゃってたので、大阪府は、調整交付金の交付にあたっての条例をつくっているわけでしょうか。埼玉県みたいに、調整交付金条例というのを作って、そこで各市町村に収能率向上のための点数化、評価の点数化をしてね、高い点のところに多くの交付金を配布すると。こういうこともやっているわけですけれども、大阪府は条例で対応しているのか、また、大阪府も条例で対応しているならば、そういうものを作っているのかどうか、ここら辺の詳しい状況を再度、ご答弁をお願い致します。それから、資格証明書の問題では、3ヶ月以上の、何の連絡もないところと。通知を送ったけれども何の連絡もないところということで、そういう人に対して、滞納者に対して、資格証明書を発行しているということなんですけれども、私、言いたいのは、滞納者の滞納は、個々の実態把握、個々の生活実態の把握に努めることが、一番大切なことであると思っているんですけれども。確かにそれに対して何の連絡もないというのは、悪いことだと思うんですけれども、しかし、往々にして生活困窮者というのは、余裕がないわけで、そういうちゃんと対応するというのも余裕があってこそだと思うんですね。そういう外部から来る連絡に対しても、余裕がない、そういう人に対してちゃんと生活状況を、実態把握をすることが本当に大事だと思うんです。そういう生活実態の把握に努めることこそが一番大切なことであると私は思うんですけれども、それに対して、どうか、ということをご答弁をお願いしたいと思います。以上です。


(今村健康福祉部理事)
 大阪府の調整交付金に対しての条例はどうかということでございます。策定されておりまして、名称が「大阪府国民健康保険法に基づく都道府県調整交付金の交付に関する条例」でございまして、その中で、交付基準につきましては普通調整交付金として平成17年度は、医療費の4%、特別調整交付金として財源の1%を保険事業、医療費適正化事業、収納対策事業等により判断されているものでございます。

 次に、資格証明書において、個々の生活実態の把握、しているのかどうかということでございます。私どもといたしましては、まず、1年間滞納されました方に対して、それまで1年間の間、窓口において相談に随時、まずお応えをさせていただくという体制はとっております。その後、1年間滞納されました方に対して、災害時の特別の事情に関する届出を出していただきますように、まず通知をさせていただいております。その後、また1ヵ月待って、災害等の特別の事情が認められない滞納世帯の方に対しまして弁明の機会を付与する、弁明書の提出でございますが、それを求めております。その後、被保険者証の返還を求めるというような、期間と接触の機会を十分に持って、相談に応じる体制を整えております。


(以上)


議案第38号 専決処分につき承認を求めることについて(茨木市市税条例等の一部を改正する条例)

<朝田1問目>
 議案第38号「専決処分につき承認を求めることについて(茨木市市税条例等の一部を改正する条例)」について、質問いたします。
 この議案は、国の地方税法等の改正に伴う専決処分事項であります。したがって、残念ながら現在の行政システムでは、地方政治の裁量が入りこむ余地のないものであります。しかし、今回、看過できない政治的問題があり、必要な質問はしておきたいというのが趣旨であります。その最大のものは公約違反である「サラリーマン増税」、定率減税の廃止であります。さらに、三位一体改革による「税率構造の見直し」、いわゆる所得税から個人住民税への3兆円規模の「税源移譲」でも、市民負担増の問題があることを明らかにしておきたいと思います。

1、定率減税の廃止について
 まず、一つ目の問題として、定率減税の問題であります。今年度から実際に実施されている定率減税の半減に加え、ついに廃止であります。これは、その88%がサラリーマンへの増税であり、昨年の総選挙で「政府税調の考え方は取らない」とした政権公約に明らかに反します。私は、昨年の代表質問で、この問題を「国政をめぐる大問題」として取り上げました。実際、国の方では定率減税の廃止に加え、社会保障分野の新たな負担増、給付削減、増税などで、今年度の予算に盛り込まれた、あるいはすでに決定しており今後3年間に実行される国民負担増は、あわせて7兆円近くにもなります。家計所得が減っている中で、こんなことをすれば市民の暮らしや地域経済に対する破壊的影響は計り知れないと指摘してきたところであります。今回の定率減税の廃止に伴う市民への影響額、昨年、半減したときにお聞きしたときには6億5千万円という試算でしたので、今回の廃止でさらに6億5千万円、トータルで13億円の影響額ということになろうかと思いますが答弁を求めます。

2、所得割の税率変更について
 二つ目として、今回の所要の改正のなかに三位一体改革による税源移譲として、所得税から個人住民税への税源移譲として個人住民税の税率を現在の3段階から一律10%にフラット化するかわりに所得税の税率を現在の4段階から6段階にするという所得割の税率変更が行なわれました。私たちは、税制については、直接税中心、総合・累進、生計費非課税という民主的原則に立った抜本的改革こそが必要という立場ですが、個人住民税において「累進」をなくすというのは所得再分配機能を弱めるという問題点があると思いますが、この機会に見解をお聞きしておきます。さらに、平成18年度は三位一体改革の一つの区切りです。結局、全体としては平成15年度のいわゆる「芽だし」の時期からの補助負担金の削減が約5兆2千億円で、その内、引き続き地方への財源が措置されたのが今回の3兆円の税源移譲と8千億円の交付金で、残りの1兆3千億円ほどは、財源がなくなったということになります。本市の場合はどうなのか、今回の税源移譲にあたり、どれくらいの税源が移譲されると見込んでいるのか、この間の補助負担金削減とのからみでは、どう評価されるのか。答弁を求めます。

3、固定資産税の負担調整措置の強化や他の増税、市民負担増の問題について
 三点目として、これまでの質問と関連して、今回の措置は、所得税、住民税の問題だけにとどまらないということであります。定率減税の廃止あるいは税源移譲のための税率変更等で所得税や住民税の額に応じて決まっている住民負担、例えば保育料や国民健康保険料、介護保険料といった連動している料金が今後、影響を受けるという問題があります。その影響額は試算しているか、また、連動している料金の影響が出るのは平成19年度、20年度だと思うが、確認のため答弁を求めます。
一問目以上


(松本企画財政部長)
 まず、1点目の定率減税の廃止に伴う件でございますが、ご存知のとおり、定率減税につきましては平成11年度の税制改正の特例措置として実施をされたということでございまして17年度の税制改正において2分の1の廃止、また、今回、18年度の税制改正におきましては19年度分からすべて廃止ということになっております。質疑の中でございましたが、それに対する影響額、6億5千万円、またトータルでございまして約13億円という試算をいたしております。

 次に2点目でございますが、所得割の税率変更についてということで、個人住民税におきまして「累進」をなくすのは所得再配分の機能を弱めるというご指摘でございますが、今回の税制改正におきましては全ての納税者の負担が増えないよう配慮しながら所得税及び個人住民税の役割分担の明確化がはかられたものによる個人所得課税の税率構造の変更であるという認識に立っております。具体的に申しますと、所得税におきましては所得再配分機能の強化、すなわち4段階から6段階への税率構造の改定ということでございまして、個人住民税におきましては応益性、あるいは偏在量の縮小といった観点が重視されるということでございます。したがいましてこれまでの所得に累進的な税負担から一律に所得に比例した税負担となることからこれまで以上に受益者負担の関係が明確になり、個人住民税の正確にふさわしい改革であると考えております。

 次に、三位一体改革に対する本市の影響ということでございまして、これにつきましては補助負担金改革で約17億円の減でございまして、それに伴う措置といたしまして税源移譲で約16億6千万円、交付金化で約8千万円というふうになっております。また、税源移譲につきましては、平成18年度まで、所得譲与税として暫定的に措置されていた額が、19年度に移行すると考えております。

 次に、今回の補助金改革につきましては、税源移譲について一定評価をいたしておりますが、その内容につきまして国庫補助負担率の引き下げ等が大半を占めているというようなことから、補助金の廃止により国の関与を無くして地方の自主性を拡大すると改革本来の趣旨からしてまだ若干不十分な点があるというふうに認識をしております。しかしながら、地方六団体等におきまして19年度から第二期改革ということで声も上がっておりまして、その改革が真の地方自治の確立にむけた改革めざして進められるよう、あらゆる機会を通じて要望もしてまいりたいというふうに考えております。

 3点目の今回の税制改正に伴う市民負担ということでございますが、例を挙げて申されましたが、連動いたしています関係では、やはり国民健康保険あるいは介護保険等があるということでございますが、それにおきましては、市民の負担増、あるいは減もあるということも考えられますし、それらに対する国の動向ということにつきましても現時点では不透明であるということから、その他の市民税負担あるいは影響額につきましては現時点で把握することは非常に困難であるというふうに考えております。以上です。



<2問目>

 いろいろご答弁いただきました。専決処分事項でありますので、それに対して議論を発展させるということは、国政がらみのことですので、ここでいろいろやってもせんないことですんで、2問目として主に意見表明ということでいきたいと思います。
 定率減税については、特例措置、法律ではそういうことになっているんですけれども、しかし、導入時、政府は臨時的措置ではなくて恒久的措置だと説明してきたことはまぎれもない事実であります。しかも、景気がよくなったからといっても、勤労者、庶民の生活がよくなっているわけではありません。いくつかの指標、雇用者報酬でみても民間給与総額でみてもこの間の数値はマイナスです。一方、この間よくなっているのは一部の大企業、大金持ちであります。金融を除く資本金10億円以上の企業のこの間の経常利益は定率減税導入時の平成11年度では15兆円であったものが平成16年度では26兆円と倍近くの史上空前の利益であります。民間非金融法人企業の余剰資金というのも83兆円にものぼっている、お金がだいぶだぶついてきていることが伺えます。そうであるなら、なぜ、負担能力のあるこうした大企業や大金持ちに対して定率減税と同時に行なわれた法人税の減税あるいは所得税の最高税率の引き下げを元に戻さないのか、説明がつきません。そればかりか平成15年度から導入された大企業向けの新たな減税は、そのまま形を変えて継続、充実であります。さらに、予算の使い方、歳出構造についてもあちこちで破たんに陥っている大型公共事業や膨張する軍事費など税金の使い方についても依然、浪費、無駄にはメスが入っていません。こんなやり方では、ますます格差社会を広げ、地域経済も疲弊してしまいます。しかし、今回の提案は、最初にふれましたとおり国の税制変更に伴う専決処分の議案であり、地方のまったく裁量の及ばないものであります。非常に不本意でありますが、意見として表明させていただきまして、質問を終わります。


(以上)