[朝田 充] 3月定例市議会 一般会計予算質疑、議案質疑、賛成討論

◎一般会計予算質疑(07.03.)

◎議案審議(07.03.)

◎賛成討論「国民健康保険制度の改善を求める請願署名」(07.03.27)


請願第1号 国民健康保険制度の改善を求めることについて

 請願第1号「国民健康保険制度の改善を求めることについて」は、採択すべき、賛成の立場から、日本共産党茨木市会議員団を代表して討論を行います。

 本請願の採択に賛成する第1の理由は、今議会の国保特別会計の補正予算で減額された約3億円の一般会計からの繰入を復活し、更なる引き下げを図り、市民の「少しでも下げてほしい」という声にこたえるべきという立場からであります。

 本会議の公明党議員の質疑の中で「今回の国保料引き下げした事と署名とは関係ない」といった質疑がなされました。しかし、茨木市が引き下げを決断した最大の理由は、市民の国保料に対する怒りの世論であります。今回の引き下げは4年ぶりであります。しかもこの3年間は連続値上げだったわけであります。「法に基づく算定基準に沿って算定した結果にすぎない」などといいますが、茨木市はそういう条件があったとしてもいいとこ「据え置き」というのがこの間の基本的態度であったことはいくら否定しようが否定しようのないことであります。まさに市民の世論が市を突き動かしたわけであります。この世論の高まりを作り出す一つの力になったのが、この請願署名運動であったことはこれまた明らかであります。

 さらに、公明党議員の質疑の中で「茨木市が国保料引き下げを発表したあとに署名が提出されている」といった質疑もされました。「国保制度をよくする茨木連絡会」が署名運動、街頭宣伝を大々的に始めたのは今年の1月、年明けからです。請願者の趣旨説明にもあったとおり、わずか2ヶ月あまりの間に目標とされた有権者の1割、2万1千筆を大きく越え、現在では2万8,978筆となっています。この活動が市民の怒りの世論の高揚を促進し、市に引き下げを決断させる一定の政治的影響を与えたのであります。署名の提出時期のみをもって、その行動の効果の有無を云々するのは、「住民が主役」という民主主義を全く理解していないばかりか、こうした請願署名に協力された市民を、運動に懸命になられた市民の努力を愚ろうして恥じない主張であります。世論の力が引き下げを実現させたのです。議会は、住民の側に立ち、更なる引き下げが繰入金復活によって財源的にも可能なわけですから、行政に迫るべきであります。そのためにも本請願の採択を主張するものです。

 本請願の採択に賛成する第2の理由は、5つの請願項目、「国民健康保険料の値上げを行わず、値下げしてください」「保険料の支払いに困ったときの減額・免除制度を改善してください」「短期保険証、資格証明書の発行はやめてください」「払いたくても払えない人に対する差押さえはやめてください」「国に国民健康保険への国負担の引き上げを求めてください」、そのいずれもが願意もっともであり、本請願が、増税、負担増路線の今の政治に対し市民の窮状を訴え、改善を求めるものであるからです。それは、委員会の請願審査の中でも、先ほどの反対の討論の中でも「趣旨は、感情的には理解できる」との発言もあった通りであります。

 ところが、自民党の委員から、更には先ほどの反対の討論でも、「資格証明書発行や差押さえをやめることは法律違反にあたり、この請願が市に不法行為を奨励するような中身になっているので賛成できない」といった発言がありました。

資格証明書については平成9年に国民健康保険法が自民、公明、民主の賛成で改悪され、資格証明書の発行は「できる」規定から「する」規定に改悪されました。しかし、「災害その他の政令で定める特別の事情があると認められる場合を除き」という規定が引き続き存在し、結局は自治体の判断にまかされているのです。ですから滞納者に対して実態もつかまず機械的な資格証明書発行をやっている茨木市が異常なのであって、請願者の主張はもっともであります。平成18年11月末時点の茨木市の資格証明書発行は2,206件であり、豊中市371件、高槻市294件、吹田市25件、摂津市81件、池田市25件、箕面市12件という状況と比較してもどんなに異常かは明らかであります。それともこれらの自治体は「法律違反をしている」とでも主張するのでしょうか。「差押さえ」にいたっては国民健康保険法第79条の2、地方自治法第231条の3・第3項を根拠と主張するのでしょうが、いずれも「できる」規定であり、強制ではありません。こうした血も涙もない対応こそが、多くの市民から批判されているわけであり、本請願を採択すべきであります。

 また、請願審査でも、関連して国保特別会計の質疑でも一般会計の繰り入れで国保料を抑制することについて、自民党の委員、無所属・刷新クラブの委員からも社会保険の被保険者が保険料と税金、つまり一般会計繰入との二重払いで不公平だという議論があいも変わらずされました。

 これに対する何よりの反論は、この請願署名に取り組まれた「国保制度をよくする茨木連絡会」の方たちの声、「今回の署名は加入健康保険の種類に関係なく、たくさんの人たちが協力してくれた」「社会保険の人たちも『いずれ自分も国保に移る』、『親が国保で大変な負担』と次々署名に応じてくれる」との声を紹介するだけで十分であります。今は社会保険であっても国保に移れば高い保険料がドンとくる、あるいは、身内が国保で大変な苦労をしている、みんなそのことをよく知っており、国民、市民はこの格差を許しません。いまや国保加入者は世帯では42%を占め、団塊の世代を向かえ半数が国保世帯となるだろうといわれています。加入者構成も大きく変わり年金生活者、不安定雇用労働者の比重が増大し、今や国保は社会問題であります。社保か国保かで市民間の対立をあおるようなことはやめ、請願者の趣旨説明にもあるとおり、健康保険を社会保障としてしっかり位置付け、この格差是正にこそ心を砕くべきであります。この点でも請願者の主張はもっともであり本請願を採択すべきであります。

 最後に反対の討論では、夕張市の例も持ち出されましたが、夕張市は、市民不在の無駄遣いが財政破綻の原因であり、これを持ち出すのはお門違いであるということも指摘しておきます。

以上、大きくいって2点にわたり本請願を採択すべき理由を述べました。議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。

以 上