[朝田 充] 6月定例市議会 本会議質疑

◎議案第41号 特別職の職員の給与に関する条例及び茨木市教育委員会の教育長の給料及び旅費条例の一部改正について(08.06.12)

◎平成20年度大阪府茨木市一般会計補正予算について(08.06.13)

   ○同和行政の終結について

   ○建築物の形態制限に関する取り組みについて


議案第41号 特別職の職員の給与に関する条例及び茨木市教育委員会の教育長の給料及び旅費条例の一部改正について

(朝田・1問目) まず第一に、今回の提案の考え方についてお尋ねします。今回の提案は、前回の給与カットを市長の任期中継続するというものですが、この判断に至った経過と、前回質疑させていただいた時にも一般職と特別職との給与の違い、格差を是正していくという観点から、時限措置というのはいかがなものか、根本的な対応が必要ではないかということを、質疑させていただきましたが、今回も時限措置にされた理由、そして、資料としていただいた茨木市特別職報酬等審議会答申書には、減額措置の分類で時限措置と「当分の間」というのと柏原市のように「本則で改正」という3つの記述があるわけですが、それぞれどうちがうのか、答弁を求めます。

 さらに、前回は茨木市特別職報酬等審議会に諮問せずに提案され、そのことについて手続き的にも問題があるのではないかと指摘させていただいたところですが、この問題の考え方についても答弁を求めます。

 次に、他市との比較についてお尋ねいたします。審議会の答申では府下、政令市を除く31市について「23市において、何らかの形で市長等の給料の減額措置を実施している」とあります。そこで、他市の状況をもう少し詳しく、この7年間、平成13年度から平成19年度で見ますと、減額措置を実施した市の中にもいろいろあります。減額措置を実施しても、数年で減額措置の解除あるいは減額措置の緩和をやっている市が8市あります。その一方で、一度減額措置をされて、さらに2回目の減額、という市が、4市あります。また、この間、まったく変化なしという市は5市です。今回、減額を延長ということでは、一定評価するものですが、他市の状況も勘案しながらさらにダイナミックな対応というのも考えられなかったのか、答弁を求めます。

(津田副市長) まず時限措置にした理由はなにかということだが、府内では本則を改正したのは1市のみで、他の市につきましては期限付きまたは、当分の間とされている状況に鑑み、前回と同様、時限措置とした。

 次に「時限措置」と「当分の間」、「本則で改正」の違いは何かということだが、読んで字のごとくで、「時限措置」とは具体的な期間を定めるもの、「当分の間」というのは期限を定めずに実施するもの、「本則で改正」というのは条例で定められている額そのものを改正するということである。

 次に、他市の状況ということだが、各市の減額措置のやり方はそれぞれの市の財政状況等というものでやられているというふうに判断している。今回の市の措置は本市の財政状況、人口規模、他市の減額状況を総合的に判断し、今回の減額幅においては前回と同様ということで、審議会においても妥当との答申をいただいている。

 次に、前回審議会を開かなかったが、今回開いた理由ということだが、本来、特別職の報酬審議会を開催する場合、引き上げを想定して審議会を開くということが通常いわれている。時限措置としての減額措置なので、長の判断でやることになんら問題ないわけだが、平成18年の審議会において「減額する場合も審議会で議論してより市民に分かりやすくする方が望ましい」と答申いただいていたので、今回はそうしたものである。

 

(朝田・2問目) 3つの分類を聞いたのは、柏原市のように本則できっちり改正するのがよいという立場だからです。
 いずれにせよ、代表質問で指摘したとおり、抜本的な見直しの時期にきていると思います。こうした問題について、審議会を定期的に開き議論するのがよいという審議会答申を得ており、そうしたいという旨の答弁をしているが、審議会はいつごろ開かれるのか。また、「定期的に」の幅は、どれくらいと考えているのか。答弁を求めます。

(津田副市長) 特別職の報酬審議会については、18年の答申の中に、定期的にというご意見をいただいている。この定期的というのは2年に1回というふうに考えている。開く時期は、今年度、2年目に当たるので、その時期等は内部で十分に検討して、決定していきたい。

 


議案第50号 平成20年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第1号)

 

(朝田・1問目) いくつかの問題について質問いたします。

1、 同和行政の終結について
@各いのち・愛・ゆめセンターでの目的外使用の問題について
 茨木市では、3つのいのち・愛・ゆめセンターの建物の一部を行政財産の目的外使用として部落解放同盟支部及び関連団体に使用させています。このことについて茨木市は「これらの団体につきましては、茨木市立いのち・愛・ゆめセンター条例第一条の設置目的に合致しており、加えて、本市の人権問題の解決及び福祉の向上に寄与しているものであります。このように、1年ごとに使用許可を与え、目的外使用させているものであり、独占的利用ではありません」(平成19年3月13日、本会議答弁)としてきました。
しかし、今回、代表質問でも紹介させていただいた大阪地裁の判決では、「被告は、占有権原として本件各合意がされたことを主張する。しかし、地方自治法(平成18年法律第53号による改正前のもの。)238条の4第1項は、行政財産は、同条2項に定めるものを除くほか、これを貸し付けたり、これに私権を設定することはできないとし、同条3項は、これに違反する行為を無効としている。したがって、仮に原告が大阪府連及び被告らとの間で、行政財産である本件各事務室部分を被告らに継続的に貸し付けることを内容とする本件各合意をしたとしても、それは上記各条項に違反する無効なものであり、本件各合意は、占有権原にはなり得ない。」として、たとえ、市と部落解放同盟支部とに合意が存在していても、その合意そのものが違法・不当と断罪しました。
さらに「被告らは、本件各事務室部分を被告らの支部事務所として利用することが本件各センター(条例)の設置目的に適合していることから、本件各不許可処分の大阪市長の裁量は地方自治法244条2項の規定に準じて収縮され、正当な理由のない限り行政財産の使用の不許可処分をすることはできないと主張する。しかし、前記のとおり同条項の趣旨は、住民の利用が予定された施設について、住民の自由な利用を保障した点にあると解されるのであり、このような施設でない本件各事務室部分の利用には妥当しない。」とし、本市が言うようにたとえ、部落解放同盟の活動が、センター条例第一条の設置目的に合致しているものであるとしても、第一条の規定は、利用する住民に対する規定であり、条例で規定された利用住民の供用時間、使用料とはまったく違った規定、運用がされていることの違法・不当性も断罪されました。
加えて、「同和政策が特別対策から一般施策として行われるようになり、それとともに人権文化センターの位置づけも広く一般市民が利用することを予定した施設になったことからすれば、その一室である本件各事務室部分を部落差別から部落民衆を解放することを目的として活動する特定の運動団体である被告らの支部事務所として利用させることは、現在の同和政策のあり方と矛盾するだけでなく、広く一般市民の利用を予定する本件各センターの目的ないしそのあり方に反する。」として、同和行政の根拠法がなくなったもとでの違法・不当性も明確にされました。
部落解放同盟の活動が本当に同和問題の解決を目指した活動かは、ともかくとして、この間の本市の主張がすべて崩れ去る判決であります。もはや言い訳は通じません、落解放同盟支部及び関連団体に事務所としてセンターの目的外使用を許可していることを中止し、退去を求めるべきです。答弁を求めます。
A人権センターの補助金について
B各センターでの相談事業について
C地域就労支援事業について
 次に、府の財政再建プログラム案で府は、人権協会への補助金を抜本的に見直すということになっています、この点は大阪府にならって補助金を抜本的に見直すべきであります。各センターでの相談事業、地域就労支援事業も同様です。特に代表質問では、地域就労支援事業について明確な答弁がなかったと思います。改めて答弁を求めます。
 関連して、人権センターの法人化の問題についてもお尋ねします。「法人化検討会」で協議されている、もう7回も開い87ているということでありましたが、この検討会には、市の職員も出席しているのか、また、その構成員についても答弁を求めます。さらに、具体的には、どういう協議の検討項目があがっているのか、答弁を求めます。
D共同浴場等の問題について
 次に、共同浴場についてもお尋ねしておきます。豊川、総持寺の共同浴場について、現在の指定管理期間が終了する平成20年度末の廃止に向け、協議を行っているというのがこの間の答弁でしたが、期限が迫ってきております。結論を早く出すべきと考えますが、その進捗状況について答弁を求めます。

2、建築物の形態制限に関する取り組みについて
@調査結果と今後のスケジュールについて
 今回、情報公開請求にて、「茨木市建築物の形態制限に関する調査業務報告書」を出してもらいました。この中で、市民・権利者アンケートの集約結果として市民では84.2%の方が、権利者では83.6%の方が「建築物の高さを設定するルール」が「必要」と回答しています。こうしたことも含め今回の調査結果をどのようにとらえているのか、答弁を求めます。
A高度地区の設定や地区計画の活用について
 さらに、今回の調査を踏まえ、高さ制限の案づくりが始まるわけですが、都市計画法の改定により高度地区の設定も市の権限になったわけで、この積極的な設定、例えばお隣の箕面市のような市独自規定について、考え、見解を求めます。あわせて、この間の高層マンションとして近隣住民との間に問題が起こったケースは商業地域あるいは近隣商業地域でのマンション建設であることに鑑み、地区計画の積極的な活用も重要と考えますが、見解を求めます。
B住民参加について
 いずれにせよ進めるにあたって、徹底した住民参加が必要だと考えますが、見解を求めます。住民参加の手始めに、まず作成された「茨木市建築物の形態制限に関する調査業務報告書」を公開公表して、市民に対して情報提供すべきだと考えますが、答弁を求めます。

(小西人権部長) まず、いのち・愛・ゆめセンターの目的外使用についてだが、いのち・愛・ゆめセンターでは、地方自治法第238条の4第7項に基づき部落解放同盟の支部やNPO法人などに施設の一部を目的外使用許可し、事務室などとして使用させているが、地裁判決の内容を分析し、適切な対応を図っていく。

 次に、茨木市人権センターについてだが、茨木市人権センターへの補助金については、これまでから、事業計画や実施状況等を見極め、精査し、助成している。法人化検討会については、学識経験者や市内各種団体の代表で構成され、市から人権部長、茨木市教育委員会から学校教育部長が参画している。検討会では、法人の種類、法人化のメリット、法人化後の組織及び運営等について検討している。
 次に、いのち・愛・ゆめセンターでの相談事業の見直しについてだが、大阪府が補助制度を廃止するとのことであるので、現状のままでの継続は困難。新しく交付金化により対応との考えが示されているので、その内容を精査し、検討していく。

(赤土産業環境部長) 地域就労支援事業については、様々な就労阻害要因を抱えている未就労者に対して、市町村が実施する雇用・就労支援施策として、大阪府が構築し、推奨してきた事業であり、府の補助要綱に沿って事業を展開してきたところである。今回、大阪府が発表した財政再建プログラム(案)では、地域就労支援事業の補助金を廃止し、他の相談事業と併せて交付金制度を創設するとの考えが示されている。そのようなことから、現状のままで継続することは難しいものと考えており、府の新たな交付金制度の内容も精査し、雇用・就労支援に係る施策を検討していく。

(今村市民生活部長) 共同浴場については、指定管理期間が終了する平成20年度末の廃止に向け、現在において、引き続いて協議しているところである。

(杉浦都市整備部長) 建築物の形態制限にかかる調査結果についてだが、市民の意向を把握するため、昨年度にアンケートを実施し、土地所有者も含めて約8割が、高さなどについて何らかのルールが必要という結果を得ている。同時に、市内建築物の高さ、容積率等の実態や、他市の制限内容についても調査し、制限等の検討を進めるために必要な、基礎的な資料を得ることができたと考えている。
 次に、高度地区の設定や地区計画の活用についてだが、高さ制限を行う制度として、市街化区域全体を対象とした高度地区の適用が考えられ、他市でも活用されている。本市では、これまでも、地区計画による住環境の形成に積極的に取り組んでおり、今後とも地区計画を活用していく考えだが、市域全体を対象としていくルールとすることは難しい面がある。したがって、それぞれの制度のいいところや限界を考慮しながら、検討を進めていきたい。

 次に、住民参加についてだが、土地の利用に関しては、その目的、敷地の環境や所有者の考えにより、様々な意見があり、土地利用を全体的に制限するルール作成にあたっては、市として一定の案を示し、十分に説明していくことが重要と考えている。このため、昨年度実施した市民アンケートの結果を踏まえて、叩き台となる案を作成したところであるが、今後さらに詳細な検討を加えた上で、その内容を公表し、意見を聞く機会を設けていきたい。

 

(朝田・2問目) 同和行政終結の問題では、それぞれ答弁してもらったが、納得のいく答弁ではありませんでした。特に、各いのち・愛・ゆめセンターの目的外使用の問題について、これまでの市の主張が全て崩れ去った判決です。これは支部事務所だけの問題ではありません。条例の第一条の目的に沿っているという主張を繰り返してきたが、これは利用する住民に対する規定だということで明確にされました。ということは、特別な対応を取っているNPO団体も同様です。こうした流れに沿って、茨木市としてもきちっとした対応を、目的外使用の中止、条例の規定に沿った運用を求めるものでありますが、再度答弁を求めます。
 人権センターの法人化の問題でありますけども、法人化のメリットということが検討されているということですが、私たちはこれは同和行政を固定化、永続化させるもので断固反対でありますが、市として法人化でどういうメリットがあると考えているのか、答弁を求めます。
 次に、高さ制限の取り組みですが、これから案づくりに取り掛かるということですが、実効性のあるものにしなければならない、高度地区というのは住居地域に対するものなので、超高層マンションの紛争というのは、商業地域での跡地などで起こっているので、積極的な地区計画の活用が重要です。いずれにしても、徹底した住民参加というのが何よりも大事です。それには、この間、まとめられた調査報告書、かなりまとまった調査です、公開して支障の出るものは何もありません。住民の意見をいただきたいということであれば、まずここからはじめるべきです。再度、答弁を求めます。

(津田副市長)いのち・愛・ゆめセンターの目的外使用の問題であるが、先ほどから部長が答弁している通り、地方自治法上問題はないということできたが、今回、大阪地裁の判決、今係争中でありますので、今後の推移を見守りながら、判断していきたい。しかしながら、これまでの経過もありますので、これまでの市の対応は適切であると考えている。

 次に人権センターの法人化のメリットということであるが、人権センターが茨木全体の人権啓発を発信できる場所ということで、施設、事務所、組織、として法人化が一番適しているのではないかというかたちで、現在議論されているが、この問題については他市の動向、府の人権協会への対応を見極めながら考えていきたい。

(杉浦都市整備部長) 高さ制限における住民参加についてだが、先ほども答弁したとおり、叩き台となる案ができたところであるので、今後、更なる検討を加えた上で、内容を公表して、市民の意見を広く聞いていきたいと考えている。