[畑中たけし] 平成22年6月定例市議会 本会議質疑

◎議案第20号〜専決処分の同意「国保条例の一部改正(=賦課限度額の引き上げ部分)について」
◎一般質問〜国民健康保険料の算定と保険料抑制施策について
      公共施設使用料と減免制度の見直しについて


◎議案第20号専決処分〜「国保料の賦課限度額引き上げについて

(畑中一問目) 議案第48号、茨木市国民健康保険条例の一部改正について、専決処分の承認を求めることについて、質疑いたします。

 改正内容のうち、特に保険料の賦課限度額の引き上げについて、お尋ねいたします。今回の改正内容として、医療分としては限度額が47万円から50万円、3万円の引き上げ、後期高齢者支援金分としては12万円から13万円の1万円の引き上げ、合わせて4万円という大幅な値上げとなります。

 第1に、過去3回の介護分を除く国民健康保険料賦課限度額の引き上げ年度と引き上げ額について、お尋ねいたします。

 第2に、今回の賦課限度額引き上げによる影響を受ける世帯数とその対象世帯、負担増、影響額、影響総額をお示しください。

 第3に、今回の限度額引き上げで、国保加入者2人世帯、3人世帯、4人世帯のそれぞれの場合で、所得が幾ら以上の世帯が限度額引き上げの影響を受けることになるのか、お尋ねいたします。

 第4に、北摂7市における今回の国民健康保険法施行令の一部改正に伴う賦課限度額の引き上げ実施状況について、お尋ねいたします。

 第5に、茨木市国民健康保険運営協議会での賦課限度額引き上げに関する協議状況はどのようになっているのか、また、この件について委員から何らかの意見が出されたのか、どのような内容の意見が出されたのか、お尋ねいたします。

 第6に、来年度の国民健康保険料徴収について、再び施行令の改正が行われ、賦課限度額の引き上げが行われた場合、市としても、茨木市の国保料についてもその分だけさらなる限度額の引き上げを図る方針になるのか、お尋ねいたします。

 第7に、賦課限度額にかかわる施行令の改正の目的は限度額の引き上げによる中間所得階層の負担軽減を図るねらいがあるとも言われていますが、国保加入者間における保険料負担の重みを幾ら小手先でいじっても、この間ずっと指摘され続けている加入者全体に押しつけられている過大な保険料負担の問題は根本的には解決しません。問題の根本原因は、1984年度には国保会計に対する国庫負担率が実質50%あったのが、2007年度には25%まで引き下げられたことにあるのは言うまでもありません。結果、1人当たりの国保料は約3万9,000円から8万4,000円と倍増してしまいました。

 茨木市でも、今や一般被保険者の1人当たりの介護を除く保険料は約8万7,000円に達しています。このようにすべての所得階層にわたって限度を超える保険料負担がのしかかっているという状況をかんがみた場合、茨木市として、単なる賦課限度額の引き上げという手段が自治体の国保財政を抱える根本的な問題と、加入者、つまり市民の負担を和らげる施策として望ましいと考えているのか、市の見解をお聞かせください。

 1問目、以上です。

[大西市民生活部長] 賦課限度額の引き上げにつきまして、順次、お答えをいたします。

 まず、平成15年度は、賦課対象所得が800万円未満の世帯について医療費分1万円、平成20年度は、新たに後期高齢者医療制度が創設されたことにより、これまでの医療費分53万円が医療分44万円と支援分12万円に分かれ、合わせて3万円、平成21年度は医療分3万円の引き上げを行っております。

 今回の改定で影響を受ける世帯は医療分で925世帯、影響額は2,775万円、支援分につきましては1,181世帯で、影響額は1,181万円であります。また、影響を受ける所得階層は2人世帯で所得602万1,000円以上、3人世帯で所得559万8,000円以上、4人世帯で所得517万4,000円以上であります。

 北摂7市では、摂津市を除く各市が本市と同様に賦課限度額を改定しております。

 次に、国民健康保険運営協議会の協議の中で、北摂では1市を除く各市が施行令に基づき賦課限度額の引き上げを行っていることから、本市においても引き上げることは妥当であるとの意見が委員から出されました。

 次に、来年度、国の賦課限度額が引き上げられた場合、どうするかということでありますが、国の動向を注視しながら適正に対処してまいります。

 最後に、賦課限度額の引き上げについての考えでありますが、今回の引き上げは低所得者層の増大に伴う中間所得層への負担のしわ寄せを緩和するのがねらいと認識しております。

 以上です

 

(畑中2問目) 1問目でもお聞きしましたように、過去に行われた賦課限度額の引き上げ、15年を端で20年、21年と連続して行われ、今度、22年度、3年連続で行われると、こういう状況にあります。その都度、数万円単位という大きな引き上げが行われております。そしてまた今回、一気に4万円の引き上げと。人数の多い世帯、4人世帯では517万4,000円ということで、総所得が高いといえないところでも限度額の引き上げの影響を受けてしまうという側面もあります。

 また、高額所得者の方にとっても、その所得に応じた適切な負担をしてもらうという理屈は一方では理解できるものの、今の現状及びこれから毎年のように賦課限度額が上げられていくのではないかという流れも言われている中で、絶対額として限度を超えていると言わざるを得ません。

 また、今、茨木市の国保の運協での審議状況もお聞きしましたけれども、お隣の高槻市の国民健康保険運営協議会ではことしの2月以降、計3回、新年度が始まってからも2回の運営協議会で、国保料が全体的に高いという加入者負担の問題、今ちょっと、最後の第7の質問については、全体に高いことについての直接の答弁を避けられておりますけれども、それから、賦課限度額の引き上げの是非について、かなり相当の時間をかけて集中的に委員の間で議論されています。その結果として、賦課限度額の引き上げについては、激変緩和として数年間かけて段階的に引き上げていくのが望ましいという答申も出されていると聞いています。

 影響対象世帯への配慮を考慮に入れた結果、賦課限度額の引き上げを取りやめている市もあると。高槻市のように年次的にという方針が打ち出されている自治体も存在すると。こういうことから見ても、今回、茨木市の国保料賦課限度額の引き上げについては、改めて党市会議員団として反対であると意見表明するとともに、国保加入者の限度を超える高い負担、そして国保財政そのものの安定化という問題の根本的な解決を図るために、この賦課限度額では絶対解決できないと。そのためにも、これまでより一層厳しく国庫負担率の引き上げの回復を国に対して迫るとともに、市としても賦課限度額の引き上げにばかり頼るのではなくて、まず、一般会計からの繰入額の増額に努力して、全所得階層の保険料負担の軽減を実施すべきであると指摘して、質疑を終わります。

以上です。


◎6月議会一般質問(畑中たけし)

(畑中議員) 大きな1点目として、本市国民健康保険事業にかかわって、お尋ねいたします。
 初めに、平成22年度の国民健康保険料の算定にかかわって、幾つかお尋ねいたします。
 6月1日に、ことしの国保料の所得割率、均等割額、平等割額が決定され、そろそろ加入者に対して納付書の送付が始められる時期であると考えますが、いまだ不況が続き、市民の家計を深刻に直撃している中、昨年と同一所得の世帯に対する負担増に憤り、嘆く市民も多いのではないかと危惧されます。
 ことし2月の茨木市国民健康保険運営協議会で示された平成22年度保険料の仮算定では、所得割率は、昨年に比べて0.14ポイントダウンの7.87%、均等割額は、240円アップの3万3,840円、平等割額では、120円アップの2万6,280円というところにおさまる試算だったところ、6月の本算定に至っては、所得割率は、反対に昨年から0.18ポイント値上げとなる8.19%、均等割額は、1,080円引き上げの3万4,680円、平等割額は、1,320円引き上げの2万7,480円という、過去に例を見ないほど仮算定と本算定に大きなずれが見られる状況になっています。
 新年度の国保会計予算を審議する3月議会でも党議員団は、所得割率の仮算定値はあくまで平成20年中の基準総所得を基礎としたものであり、基準総所得が年々低下し続け、市財政担当課も平成22年度の個人市民税の減を予測している中、平成21年の基準総所得は大きく下がる可能性が非常に高いのであるから、それを見越した保険料負担軽減策、つまり一般会計からの繰入額、せめて21年度並みの水準確保に努めるべきであると主張しましたが、その心配が現実のものとなりました。当初予算時には、1人当たりの保険料が8万6,436円であったのが、本算定時には8万7,468円と、ほぼ1,000円の引き上げとなってしまいました。
 そこでまず、所得割率決定の基礎数値となる基準総所得について、直近3か年の推移について、お尋ねいたします。それぞれ前年度に比べて増減についてもお示しください。あわせて、北摂他市における本算定における所得割率の決定状況についても把握しておられれば、お答えください。
 次に、均等割額と平等割額の算定についてもお尋ねいたします。22年度はこの2つの額についても、本算定において仮算定額から大きく動きました。当初予算時点での年間平均一般被保険者数と世帯数は6万5,100人、3万7,600世帯と推計していたところ、本算定時には実数として6万3,700人、3万6,100世帯と、それぞれ1,400人、1,500世帯の差、ずれが発生しています。当初予算時において、特に一般被保険者数についても慎重な予測が必要だと考えますが、市の見解をお聞かせください。
 また、直近3か年の一般被保険者数及び世帯数について、当初予算時の推計時と本算定時における実数値をそれぞれお示しください。
 いずれにせよ、ことしのように4けた単位という、これほどのずれが生じた例が過去の年度にあったのかどうか、お尋ねいたします。あわせて、今回、これほど大きなずれが生じた原因について、市はどのように分析されているのか、答弁を求めます。
 また、国民健康保険会計を組む際に根幹となる歳出の保険給付費の算定はどのような過程で推計されるのか、お示しください。
 もちろん、2月の運協で示される仮算定料率はあくまでも単なる参考であり、新年度の国保料について市民に約束するものではないことは重々承知していますが、やはり公的な審議会に資料として示し、意見を仰ぐ以上、その時点でできる限り慎重かつ正確な予測が求められているのは言うまでもありませんが、この点について、市の見解を求めます。
 さらに、新年度を含めて過去5か年の当初予算時における一般被保険者の1人当たりの国民健康保険料(介護分を除く)と、本算定時における同じく保険料についてもお示しください。
 国保当初予算を審議する3月議会においても、その時点での医療費の予測をはじめとして、運協での資料や議会で示されるさまざまなデータをもとにして慎重審議させてもらう中で、その一方で、実際に1年間の国保料が決定される本算定時には、基準総所得が40億円から50億円も変動して所得割率が大きく変わり、ことしはさらに均等割や平等割額まで大きく変わるとなると、市民にどれだけの保険料負担をしてもらうのが適切なのか、一般会計から保険料軽減のための法定外繰り入れをどの程度努力しなければならないかという議論さえも意味を失いかねない現状は、国保行政そのものにかかわる問題です。この点について、市の見解を求めます。

 大きな2点目として、公共施設使用料と減免制度の見直しについて、お尋ねいたします。

 公共施設の使用料と減免制度の見直しについては、直近の検討部会が5月25日にも開催され、部会で提出された市作成資料に使用料等見直しの内容について、現時点での市の考え方が示されていますので、それにかかわって何点か、お尋ねいたします。
 第1に、使用料の算定について、お尋ねいたします。
 市は、使用料の基本的な考え方として、「利用者に負担を求めるからには、明確で適正な基準により、料金を算定することが必要」であるとしています。そこで、使用料の算定方法について、「算定基準額×負担割合」とした上で、算定基準額の中身については、資料によると「維持管理費+総務管理費」、これが維持管理費の10%、そして、「+特別室加算」、これが維持管理費の20%という3つの要素の合算とするとしています。維持管理費とは、施設の維持管理や貸出業務等にかわる窓口臨時職員の経費や施設自体の光熱水費や設備点検、清掃等の費用、総務管理費とは、施設の管理運営にかわる市職員の人件費、特別室加算とは、特別な資機材が附帯している部屋の維持管理費と定義しています。
 このうち、まず維持管理費についてお聞きしたいのですが、単純に、維持管理費と言っても、どこまでの項目を含めるのが適正なのか、そして、その適正とする判断根拠をどこに求めるのかが問題になります。公共施設という建物である物体そのものの維持管理にかかわる費用、つまり施設の光熱水費や設備点検費用、清掃等の費用は論をまたないと考えられます。しかし、維持管理費の中に施設の各部屋などの貸し出しという業務にかかわる、窓口臨時職員の人件費を含めるべきであるという行政的ないし法律的判断根拠は、これまでの議論でも市のほうから明確に示されたようには思えません。改めて明確にお示しいただきたいと思います。
 なぜこの点を問題にするかというと、地方自治法第227条に手数料徴収の根拠条文が存在するからです。参考書逐条地方自治法では、手数料とは、「特定の者のためにする事務につき、手数料を徴収することができる」としています。一私人の要求に基づき主としてその者の利益のため行う事務について費用を徴収してもよいとする条文です。そして、「その事務は、一私人の利益又は行為のため必要」であることを要し、「もっぱら普通地方公共団体自体の行政上の必要のためにする事務については手数料は徴収できない」としています。
 住民の福祉の向上等を目的として設置された公共施設を住民に対して使用させるという事務は、どちらかというならば普通地方公共団体の行政上の必要のためにする事務に属するものであり、貸出業務という役務に対する手数料は徴収するにはなじまないと解釈するのが適切であると考えますが、市の見解を求めます。
 ここで手数料該当部分の徴収することを可とするならば、普通地方公共団体が住民に対して直接提供する役務は実にさまざま多数の種類がある中で、手数料として徴収することが可能か否かの垣根は極めてあいまいになり、行政当局の恣意的な判断により幾らでも手数料部分をサービス利用者に賦課することに歯どめがきかなくなるおそれさえ出てきかねず、大問題です。

 また、あわせて、地方自治法228条第1項では、「手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない」としています。すなわち、徴収すべき事務、1件当たりの金額、徴収の方法等を条例をもって明文で規定しなくてはならないということです。この法律の趣旨を尊重するならば、手数料以外の徴収事項の一部に極めてあいまいな形で手数料相当部分を含めて徴収することは脱法行為であると考えるものですが、市の見解を求めます。

 次に、総務管理費について、お尋ねします。

 「市職員による施設の管理運営にかかる事務的費用」という定義をされていますが、この算定について、維持管理費の10%と見積もる行政的ないし法律的根拠について、お示しください。

 ここでも算定基準額の一要素として、市職員の人件費を含めるのが適正が否かの問題ももちろんありますが、その額として、維持管理費の10%とする根拠も極めてあいまいで、理解しにくいと言わざるを得ません。明確で適正な基準というかけ声からは、ほど遠い決め方です。例えば、市民会館、福祉文化会館、市民総合センターは指定管理者制度により文化振興財団が運営していますが、この3館に賦課しようとしている総務管理費は具体的にどのような内容となるのか、お聞かせください。3館の維持管理について、市職員はどの部署のどの人員で何名がかかわっており、その職員の全業務のうち3館にかかわる業務量はどの程度占めていて、人件費としてどの程度算入されるべきなのか。さらに、3館はホールから小部屋まで大小さまざまな貸室がありますが、総務管理費と名づける経費を面積割で案分することが果たして適切なのか。大きな部屋を借りた者は、市職員の業務について、その分たくさんかかわらせることになるのか、さまざまな問題が出てきます。市の考え方をお聞かせください。

 次に、減免制度原則廃止の理由について、お尋ねいたします。

 肥大化した現行の減免制度は受益者負担の原則に反するということですが、茨木市は、「受益者負担の原則とは、行政サービスを利用する特定の者が利益を受ける場合、利用する者が応分の負担をすることによって、利用しない者との『負担の公平性』が確保されることである(平成14年『使用料・手数料の見直しについて』報告書)」としています。すなわち、公共施設の減免制度適用団体は、施設を利用しない者の犠牲の上に減免制度の適用の恩恵を受けているという理屈です。

 憲法第92条では、「地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」とし、地方自治法第2条では、地方公共団体の最大の責務は「住民の福祉の増進に努める」とし、さらに第244条で、公の施設の設置目的は「福祉の増進」としています。公の施設の減免制度も憲法や地方自治法の精神や条文に沿った福祉の増進を目的とする制度です。市の見解を求めます。

 肥大化した現行の減免制度は受益者負担の原則に反すると言うのなら、その法律的根拠を示すように求めます。
 また、具体的にも幾つか、お尋ねいたします。

 各種団体の育成や活動を支援する観点から行ってきたということですが、住民による社会教育活動や社会福祉活動を応援し、市の公の施設を広く積極的に利用してもらうために減免制度が運用されてきました。市の試算によると、減免の見直しにより、利用率に変化がなければ5,500万円の増収となるとしています。一方で、施設利用を通じて活発に行われてきた市民によるさまざまな文化、教養、スポーツ活動について、5,500万円の市民負担増が生じることになります。減免対象団体を約700から約70に絞り込むことで、90%という圧倒的割合の団体が、市からはしごを外されることになります。場合によっては、活動の存続さえ危ぶまれる事態も生じかねません。この点について、市はどのように認識しておられるのか、答弁を求めます。

 さらに、これまで行われてきた各種団体の育成や活動を支援するという市の姿勢の大転換を行ってしまうほどの合理的理由はいまだ全く示されていません。市は今後、これまで行ってきた減免を通じての市民による活動を支援する必要はなくなったものと考えているのか、見解をお聞かせください。

 また、市は各施設の部屋別に設定料金を列挙して、大部分で基本料金が下がるとしていますが、5割減免を受けている施設使用登録団体からすると、かえって大部分の部屋について1.6倍から2.8倍という大幅な引き上げになるというのが実態です。

 例えば、具体例をあげますと、市民会館ドリームホールを5割減免登録団体が5月に終日借りると1万3,000円のところ、改定予定料金では3万700円と、1万7,700円増の2.4倍となります。基本料金が0.8倍に下がるという試算の福祉文化会館の101号室でも2,900円から4,700円と、実質1.62倍の引き上げとなります。

 そこで、ホールで最も上がり幅の大きい市民会館大ホールと市民総合センターのセンターホールについて、実使用の実態でどのような影響が及ぶのか、お示しいただきたいと思います。

 この2つのホールについて、それぞれ年間通じて最も利用頻度の高い社会教育団体または社会福祉団体の利用形態と、それに基づいて試算した場合、現行料金と改定予定料金では年間の負担額についてどのくらいの差額となるのか、お尋ねいたします。

 次に、部落解放同盟優遇施設として存在するいのち・愛・ゆめセンター使用料は社会福祉法の趣旨を踏まえて別途検討ということですが、この施設を社会福祉法の施設として存続させる必要はありません。この機会に廃止するか、地域のコミセンにするよう求めます。市の見解を求めます。
 1問目、以上です。

 

[大西市民生活部長] 国民健康保険料につきまして、順次、お答え申しあげます。

 まず、基準総所得につきましては、平成20年、495億3,195万6,000円、対前年度比11.5%の減、平成21年、481億4,004万1,000円、2.81%の減、平成22年、443億7,150万2,000円、対前年比7.83%の減であります。

 次に、北摂他市の所得割率ですが、豊中市10.18%、吹田市8.15%、摂津市8.42%となっており、その他の市においては未確定であります。

 次に、一般被保険者数及び世帯数の推計につきましては、過去3か年平均の伸び率、退職世帯の増減等を考慮して予測にとどめております。平成20年度推計値は、一般被保険者数6万5,700人、3万7,400世帯で、実数値は6万5,700人、3万7,400世帯、21年度推計値、6万5,200人、3万7,200世帯、実数値は6万5,400人、3万7,700世帯、平成22年度推計値、6万5,100人、3万7,600世帯、実数値は6万3,700人、3万6,100世帯であります。

 また、4けた単位のずれは、過去5年間はございません。その原因につきましては、ただいま分析中であります。

 次に、保険給付費の算定でありますが、療養給付費、高額療養費等の各項目ごとに70歳未満と70歳以上の2つの階層に分け、それぞれ過去3年間の実績及び伸び率を参考に、診療報酬費の引き上げの影響を考慮し、算定しております。

 試算時の料率をはじめ、審議会に提出する資料につきましては、先ほども申しあげましたとおり、慎重かつ正確な予測を立て作成しております。

 次に、当初における一般被保険者の1人当たりの保険料は、平成18年度、8万3,314円、平成19年度、8万3,019円、平成20年度、8万3,016円、平成21年度、8万6,410円、平成22年度、8万6,436円であります。また、本算定時は、平成18年度、8万7,641円、平成19年度、8万5,591円、平成20年度、8万7,347円、平成21年度、8万6,788円、平成22年度、8万7,469円であります。

 最後に、当初予算時と本算定時での保険料率の変化につきましては、当初予算時では前年度との比較で積算することは不確実なものと考えられますので、従来の3か年平均による数値を積算し、予測しております。今後とも、当初予算時と本算定時の料率の数字が近いものになるよう、努力してまいります。

 以上です。

 

[楚和企画財政部長] それでは、公共施設の使用料の見直し、また減免制度の見直しにつきまして、ご答弁申しあげます。

 まず、貸出業務を維持管理に含める根拠及び手数料使用料に関しての法的根拠について、ご答弁申しあげます。

 使用料は、地方自治法第225条において、公の施設の利用に対し、その反対給付として徴収することができるとされており、法の定めのとおり、使用者に対し必要な対価である貸出業務経費を使用料の算定に行政として適正に算入するものであります。

 したがいまして、施設の貸出業務経費は、使用料として条例化し、徴収すべきものであり、単なる役務の提供に対する反対給付である手数料とは異なるものでございます。

 次に、総務管理費を維持管理費の10%とする行政的、法的根拠と見解、市民会館、福祉文化会館、市民総合センターの総務管理費及び総務管理費に対する考え方について、ご答弁申しあげます。

 総務管理費は、職員による施設管理に係る事務費用であり、現状における検討部会の算定では、市民会館大ホールで2万976円、福祉文化会館文化ホールで8,263円、市民総合センター、センターホールで1万5,028円となっております。

 これらを算入することは、地方自治法を根拠とするものでありますが、各施設の管理形態がさまざまでありますので、行政のかかわる費用の一定の基準割合を算出し、すべての施設に公平に適用することが利用者にも理解されやすく、妥当性もあるとの検討部会での外部委員の意見も参考にいたしまして、各部屋の維持管理費の10%として設定するものでございます。

 次に、使用料の減免制度と福祉の増進に関する見解と法的根拠、また今回の減免制度見直しによる影響に対する見解でございますが、公共施設を使用するに当たりまして、現行の多くの利用団体が減免適用されている制度は、特定のサービスに要する経費を利用者以外の方から負担していただいており、税の公平な配分が損なわれている状況にあります。

 地方自治法第10条第2項の受益者負担の原則、また225条の使用料徴収の規定によりまして、公共施設の使用に対しては適正に料金を負担していただくことが全体の住民福祉の増進につながるものであると考えております。

 また、適正化により多くの団体が減免の提供がなくなりますが、今回の算定方法では大部分の料金が引き下がる結果となります。

 なお、今後の減免制度につきましては、施策を推進するに当たり、行政との協働の観点から、相互に協力関係にある団体、すなわち行政にかわって役割を担う活動を行う団体に対しましては、施設を限定し、適用する考えで、現在進めております。

 最後ですが、市民会館大ホール等の年間負担額の差額についてでございます。

 現行の社会教育団体、または社会福祉団体につきましては、5割減免が適用されております。これらの減免適用の廃止及び料金の改定もあわせまして、検討部会においては、市民会館大ホールでは約3万5,000円、市民総合センターセンターホールでは約4万1,000円の差額と試算しております。

 以上でございます。

 

[大野総務部長] いのち・愛・ゆめセンターを廃止するか、またはコミュニティセンターにする考えについてでございます。

 いのち・愛・ゆめセンターは、社会福祉法の第2種社会福祉事業のうち、隣保事業を行う隣保館として市が設置し、地域社会の福祉の向上、あるいは人権啓発のための住民交流の拠点となる開かれたコミュニティセンターとして、各種事業を総合的に実施している施設でございます。

 人権問題につきましては、いまだ解決されていない多くの課題がある中で、今後ともその実態や実情を踏まえ、地域の拠点施設として地域ニーズにあった事業を効率的かつ効果的に運営してまいりたいと考えております。

 したがいまして、現時点におきましては、いのち・愛・ゆめセンターの廃止や地域のコミュニティセンターにする考えはございません。

 以上です。

 

(畑中2問目) それでは2問目、国保について、1問目でもお聞きしましたが、当初予算時の被保数と世帯数予測と本算定時の実数のずれが大問題じゃないかと考えます。誤差範囲ならともかく、ここに大きな差があるようだと、年間の医療費にもずれが生じます。確かに医療費は過去3か年の総額実績から求められるものですが、ベースとしては、やはりこの3年間の一般被保数が年間平均6万5,000人規模という数字の推移があってこその医療費実績です。

 これが新年度では、始まってはや2か月で、本算定時には6万3,700人に減ってるという、いわば異常な状況であり、当然、その年の医療費も減ると見るのが当然です。140億円、150億円という規模の数字ですから、数パーセントのずれでも数億円単位で状況は変わってきます。それは最終的に市民から徴収するべき国保料の適正な決定にも影響してくるのではないでしょうか。市の見解を求めます。

 参考書「国民健康保険必携」には、予算は本算定時には見直しをするべきと述べられています。すなわち、「予算というものは、年度当初に組まれるので、その後の経済事情その他の変化に応じるため、その執行に当たって、常に検討を加える必要がある」と。特に、国保会計予算は「医療費という不測な動きをする要素を抱えているためにその必要性が高い」「このため、保険料率を決定し、保険料額を各世帯別に確定する、いわゆる本算定は、よほど慎重に行わなければならない」としています。そして、その際に再検討する事項が列挙されています。1.医療費について、予算編成のときと同様の検討を加える、2.医療費の変動による国庫支出金の修正、3.世帯数や被保険者数についての補正、4.基準総所得の増減による調整交付金の額の変動、5.一般会計からの繰入額の再計算です。「当初予算に比べてごくわずかの変動なら補正の必要もないかもしれませんが、通常の場合、補正を必要とする」としています。

 茨木市は平成22年度の保険料率本算定に当たって、以上のような事項について、それぞれ補正を行った上で慎重な決定をしたのか、お尋ねいたします。また、行っていないとすれば、どのような理由から必要ないと判断したのか、お答えください。

 1問目でもお聞きしたように、基準総所得は大きく減少し、一般被保険者数についても当初予算時とは一定大きなずれが生じている状況です。いずれにせよ、補正予算の議会への提案が必要だったと考えますが、市の見解を求めます。

 2つ目に、使用料について、さきに指摘した貸出業務手数料部分とあわせて、総務管理費についても明確で揺るぎない根拠がやはり示されていない以上は、算定基礎額に含めるべきではありません。市民の理解も得られずに、法的にも大いに問題です。減免制度原則廃止の理由についての市の認識も改めて地方公共団体の責務、福祉増進の原則を忘れ去った態度であると言わざるを得ません。

 減免制度原則廃止の影響について、日本共産党市会議員団自身による調べによりますと、例えば、市民総合センターのセンターホールを月に一度、全日借り受けて活動を行っている社会教育団体が存在します。施設利用料として5割減免を適用されて、年間36万8,300円を納めてるわけですが、改定予定料金を適用されると年間89万2,100円となり、実に2.4倍の引き上げ、52万円余りの負担増となり、活動継続そのものが危惧されている例もあるということが実際にわかりました。このような劇的な負担増が出てくるということ、結果、市民の活動をストップさせかねないということについて、市はどのように考えておられるのか、改めてお聞かせください。

 特に、市民会館、福祉文化会館、市民総合センターのうち、ホール系のみは現行料金として、夏期、冬期の冷暖房加算を加味した平均現行料金をベースに1.2倍計算されるなど、料金改定当初から、かなりの引き上げ額となってしまいます。同じく現行で冷暖房加算を徴収されているにもかかわらず、ホール以外の貸室は加算のない料金をもとに新料金が算出され、算出基礎となる現行料金評価の扱いが部屋によって差があるというのでは市民にとってわかりにくく、また理解も得られにくいのではないでしょうか。先ほどあげた例からしても、実額として上がりのあまりにも大きいホールについても、激変緩和という配慮が少なくとも必要であり、加算なしのベース価格で算定をやり直すべきですが、市の見解を求めます。
 また、改めてお聞きしますが、市民の福祉向上等を目的として設置された公共施設の使用について、派遣会社の面接や企業の店長会議による使用料と、社会教育活動、社会福祉活動による施設の使用料が同じ価格であっては、どう見ても市民の目線からは、市が住民によるさまざまな文化、教養活動を積極的に応援しているとは理解されないのではないでしょうか。これでは到底、住んでよかったまち茨木とは、かけ声倒れです。市の見解をお聞かせください。

 2問目、以上です。

 

[大西市民生活部長] 順次、お答えをいたします。

 まず、被保険者数と医療費の関係でありますが、近年、医療の高度化、高齢化の進展や診療報酬の引き上げなどによりまして、医療費が毎年増大しており、被保険者数の増減がその割合に応じて単純に連動はいたしておりません。したがって、保険料の決定に絶対的な影響を及ぼすものでないと考えております。

 次に、本算定時に当たって、それぞれ補正を行ったかとのことでありますが、一般被保険者数及び世帯数、基準総所得などの固まったものについては補正しておりますが、推定している項目につきましては補正を行っておりません。

 なお、その理由ということですが、推定している項目については、過去3年間の給付費から推定しておりますので、本算定時に一般被保険者数が減少しても、現時点での医療費等の補正は必要ないものと考えております。
 また、同様の理由から、現時点では補正予算の議会への上程は考えておりません。

 以上でございます。

 

○楚和企画財政部長 まず、1点目の総務管理費の関係でございますが、総務管理費につきましては先ほどご答弁申しあげましたが、公共施設を管理、また運営するに当たりまして、行政がかかわる部分というのはどうしても必要でございます。いわゆる市職員がかかわる部分というのが出てきます。この部分については、地方自治法の定めにありますとおり、使用に対し必要な経費を徴収することができるという規定になっておりますので、いわゆる職員がかかわるところの部分、例えば施設を予約受け付けする業務、また契約の業務、予算の編成の業務、いろいろなところで、施設を管理するに当たって、当然それは職員がかかわっておりますので、それをいただくのは適正であるという考えに立っております。

 次に、減免制度の見直しの影響ということでございますが、今回、確かに減免制度の見直し、また改定の部分含めまして、ホールにつきましては一定の引き上げとなります。ただ、この部分につきましては、先ほど申しあげましたが、減免制度を適用していたことによりまして負担の適正化が図られてこなかった、いわゆる税で負担していたということになりますので、これを適正に措置していくことが今回の使用料の見直しの基本に立っておりますので、そういう形で進めております。

 次に、市民への支援ということでございますが、これにつきましても、いわゆる税の公平な配分という観点からいたしまして、現行の使用料の金額、また減免制度というのは、いわゆる税の公平な配分から損なわれている状況にありましたので、これを適正に行うことが施設を利用する人、しない人、すべてに対して公共の福祉の増進にもなりますし、支援という形になるんではないかというふうに考えております。
 現行の市民会館等につきましては、冷暖房加算という特別の加算の措置をしております。これにつきましては、夏に3割、冬に2割という加算をしておりますが、今回、見直しに当たりまして、他の施設、例えば男女共生センター、また生涯学習センター、これらにつきましては、その分を含んだ金額というのを今、現行で料金を設定して、とっております。その辺の均衡を今回考えまして、通常、加算はしておりますが、現行、その部分は料金として負担してもらっておりますので、適正な金額として、冷暖房加算を通常の料金として算入させていただいたものでございます。

 以上でございます。

 

(畑中3問目) それでは、使用料については、また9月議会に、時間もありますんで、機会を移したいと思います。

 最後に、国保の問題についてだけ、特に今回、問題を指摘したいのは、当初予算時と実際の保険料の本算定時にこれだけ、今まで1、2問目で言いましたように各要素にずれが生じていると。今の市民の置かれてる経済情勢を本当に配慮するならば、1人当たりの保険料、昨年と比較しても下げる方向、少なくとも維持するという姿勢に市は立つべきだということです。そのために、必要ならば3月で決定していた一般会計からの法定繰入額、これのさらなる増額に向けて6月補正、または9月補正を組んで提案するべきです。党議員団としては、料金軽減のための法定外繰入金として、3億円ふやすように改めて意見いたします。

 また、他市で行われているように、2月の運協時点での保険料額をそのまま適用している、2市ほどあると思いますけれども、本算定時も適用すると。そして、保険料収入が足りない場合は、翌年3月の最終補正で一般会計から繰り入れて補てんするという方法もとっております。それぞれ答弁を求めたいと思います。

 以上です。

[大西市民生活部長] 順次、ご答弁いたします。

 国保の運営に要する経費のうち、医療費に当たる保険給付費は約180億円でありますが、その財源といたしましては、3分の1が保険料、残り3分の2が公費の割合であります。また、一般会計からも相当額の繰り入れを行っており、さらなる増額は現時点では考えておりません。

 また、仮算定時の保険料額は、推定基礎総所得をベースとして計算したものでありますが、本算定時には確定しておりますので、より適正な保険料とするため、これをもとに保険料を決定しており、この方式を変える考えはありません。

 以上でございます。