2010年7月1日(木) 日本共産党市政報告 bS71

2010年6月定例市議会報告

 

国保料値上げ回避のために税金投入の増額を
水道会計黒字や府営水道値下げ還元は市民公平に
一般会計からの繰入維持で下水道料金のすえおきを

 

 6月15日から始まった6月定例市議会は23日まで9日間の会期で開催され、一般質問、下水道料金引き上げ条例や水道料金改悪条例、「所得税法第56条の廃止を求める意見書」等の審議を行いました。党市会議員団は市民負担増路線を突き進む市政の問題点をただすとともに、市民要求実現に全力を挙げました。


国保料賦課限度額引き上げやめよ!
 税金投入の増額で保険料負担の軽減を

 本年2月時点では茨木市は賦課限度額の引き上げにより、ほぼ9割の世帯は保険料の引き下げができると試算していたものの、6月の保険料決定では、一転して、所得割率0.18%増、均等割額・平等割額についてもそれぞれ1080円と1320円の引き上げとなりました。原因はこの間の政治災害とも言われる不況により市民の所得の劇的な低下(加入者世帯総所得50億円減)と、国保加入者数予測を市が大きく見誤ったことが挙げられます。

 これを受けて党市議団は、市長に対し保険料抑制のため一般会計からの繰入れ増額を求める緊急の申し入れを行いましたが、さらに6月議会でもあらためて「補正予算を組んで3億円の追加繰入れをするよう」求めました。しかし市は「増額は現時点では考えていない」と、市民の苦しい生活状況を無視する態度に終始しました。

 また「賦課限度額の引き上げは一部の加入者に一層の過重な負担を求めるだけの小手先の手法でしかない。全ての所得層にわたって過大な国保料負担という根本的な問題を解決するために国に対して国庫負担の回復を強く求めるべきである」と市に強く訴えました。

 

上水道料金の公平な引き下げ、下水道料金の据え置きを求める請願、
   
自民・保守系・民主・公明が不採択に!

市民の会が署名を呼びかけ

 昨年茨木市が水道会計で、18・5億円の累積黒字が出たので、これを水道料金値下げで還元する、一方下水道会計は一般会計からの繰入を減らすため、下水道料金の値上げを表明したのを受けて、「明るい茨木をつくる市民の会」が呼びかけ団体となり「水道料金は市民公平に引き下げてほしい、下水道会計への一般会計からの税金投入額を堅持して、料金を据え置いてほしい」という請願署名1万1,323名分を6月市議会に提出しました。

庶民は値上げ、企業は値下げ

 ところが今市議会に提案された水道料金の議案は、この間の市民運動により府営水道の値下げ分を小口一般家庭に配分し、若干の値上げ幅を抑える措置を取ったものの今年の10月から企業などの大量水道使用者は大幅な値下げを行う一方、そのしわよせを一人暮らしや高齢者世帯などの少量水道使用者に押しつけ、逆に値上げするというものでした。今回の水道料金体系の改悪では、水道口径で13ミリから25ミリの一般家庭で、月使用水量10トンから11トンの世帯(市民全体の約3割の世帯)は黒字還元の恩恵を受けられず、逆に値上げとなる一方、例えば水道口径75ミリ、月使用水量5500トンの大量水道使用施設の場合は32%もの大幅値下げとなることが明らかになりました。
 このような不公平な料金体系改悪の理由を、市当局とオール与党議員は「大量使用者が地下水利用に転換するなど水道使用量減が著しい。これを呼び戻すために大量使用者の料金を大幅に引き下げをする」と説明しました。
 党市議団は「身勝手な地下水利用への転換等に対しては負担金を徴収すべき」と主張しましたが、市は大量使用者の利益優先の態度に固執しました。

税金繰り入れ減額を強行

 下水道料金については、この10月からの平均20%の値上げ、さらに12年4月から平均25%の値上げを行うという計画になっています。茨木市はこれまで、下水道料金の値上げを抑えるため税金投入を行ってきました。これを財政危機、下水道会計の独立採算性を口実に約7億円減額しようとするものです。しかし09年度の一般会計は、年度末の駆け込みの開発用地取得等を行う前は約10億円の黒字です。結局、繰入金を減らし、市民負担増を押し付ける真のねらいは彩都開発や安威川ダム、阪急茨木駅東側再開発、市民会館建て替えなど大型開発やハコモノ建設の財源づくりにあり、こんな「逆立ち財政」を正すことこそが必要です。
 日本共産党市議団は、日常生活に欠くことの出来ない上・下水道料金についての市民からの請願であり、「願意はもっともで重く受け止める必要がある」と採択を主張しましたが、自民・保守系・民主・公明は請願を不採択にし、上下水道料金体系の改悪を強行しました。

 

「公共施設使用料現行減免制度の存続を」「市民にとって使いやすい施設に」
   7月実施の「茨木市意見公募」を活用して市民の声を一人でも多く

 茨木市は6月25日に、最終の「使用料等見直し検討部会」を開催し、9月議会に提案予定の公共施設使用料減免制度廃止と料金改訂の最終案を示しました。これにともない、市は7月5日から31日まで期間、見直し案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施します。団体や個人の茨木市原案に対する賛否とその理由を記入し、官製はがき、封書、FAXを〒567-8505茨木市駅前3丁目8−5茨木市役所財政課宛(FAXの場合は626−4826)にご送付下さい。電子メール、電子申し込みはホームページ検索で「茨木市」にアクセスしてください。詳しくは市広報の7月号もご覧下さい。

 今回の見直し対象は15施設137室等にのぼり、一見利用料金が下がるように見える区分もあるものの、その一方で、とくに減免対象団体を約700団体から約70団体へと壊滅的に絞り込むことで大半の施設で利用料金はかえって1.6倍から2.4倍へと跳ね上がる案となっています。こうした結果、営利企業による利用と市民活動による利用が同一料金になるなど、低廉な料金で市民に広く利用してもらい「住民の福祉の増進」をはかるという公の施設の設置目的をないがしろにするもので、単なる市民負担増による市財源確保にひたすら突き進む市の姿勢を許すことはできません。

 

所得税法第56条の廃止を求める意見書等を全会一致で採択

 所得税法第56条は、同一生計親族に支払う対価を事業所得等の必要経費と認めず、業者の配偶者や家族従業者の人格・人権・労働を否定する内容であり、法の下の平等に反する規定となっています。こうした中、全国各地で第56条の廃止を求める運動が国政でも地方政治でも長年にわたって活発に続けられてきました。これまで茨木市議会でも、茨木民商も中心となって、意見書採択に向けた運動がなされてきましたが、ついにその努力が実り、全会一致での採択が実現しました。その他、「食品表示制度の抜本改正を求める意見書」も採択されました。

 

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大型開発ストップ!市民負担増止めよ!と
市政のチェックと市民要求実現のためがんばっています

  

市会議員 あじち洋子

彩都中部地区開発と関連道路整備は中止を

 彩都西部地区開発では地価の下落で約600億円の赤字が出ています。さらに中部地区では約80億円もふくらむこととなり、結局国民の税金で後始末する額が増えることとなります。当然、彩都推進協議会に籍を置く茨木市としてもその責任は逃れません。彩都開発計画の現状と認識についてただしたところ、「URの経営に関することで把握もコメントもする立場にない。説明も受けていない」と、まるで他人事のような無責任な答弁に終始すると共に、中部地区関連道路整備を推進すると明言しました。

 

市会議員 朝田みつる

隣保館としてのいのち・愛・ゆめセンターは廃止を

 「解同」優遇行政の是正について、いのち・愛・ゆめセンター(隣保館)での解同系NPO法人の独占的利用を正す立場から、法人に「目的外使用許可」を与えていることについて、市民利用に供する各室等の面積に対する、目的外使用許可面積の割合が、沢良宜センターでは10.74%に、総持寺センターでは8.17%にものぼっていることが明らかになりました。こうした特別扱いをやめさせると同時に、この事自体が隣保館の役割はもう終わっていることを証明しており、隣保館としては廃止し、本当に市民誰もが利用できる施設に見直しさせる必要があります。

 

市会議員 畑中たけし

税金繰入額の確定は六月の国保料決定時に

 市民から徴収する具体的な国保料率は、毎年六月に国保加入者の前年の総所得や加入者数・世帯数等が確定した時点で決定されます。市民にどれだけの負担を求められるかを慎重に見極めるためには、三月の国保会計予算審議だけに終わらず、六月決定時にも日々複雑に変化する医療費予測や加入者数に応じた適切な見積もりを慎重におこない、保険料抑制のための税金投入額もあらためて確定すべきであると問うたところ、市は「現時点での医療費等の補正は必要ないと考えている」と消極的な答弁を返すのみでした。