戻る  トップページへ

[阿字地洋子] 平成22年9月定例市議会 本会議質疑

議案第89号 平成22年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第1号)

   ○本市財政運営について
   ○国文会社の運営について


議案第89号平成22年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第1号)

(阿字地1問目) それでは、大きな第1として、茨木市の財政運営について、お尋ねいたします。
 第1に、22年度、本年度の財政状況と運営方針について、お尋ねいたします。
 1つ目は、茨木市が普通地方交付税交付団体になった経過と内容、その影響について、お尋ねいたします。
 新聞では、原口総務大臣が7月23日の閣議で、財源不足を補うため自治体に配る普通交付税の2010年度配分額を報告した。総額は6.8%、約1兆円増の約15兆9,000億円、景気低迷による税収減で配分の受けない不交付団体75自治体となり、昨年度の152からほぼ半減したと。大阪府内では吹田市、茨木市、泉佐野市、箕面市が新たに交付団体になったと報道しました。北摂では、摂津市を除いて、茨木市はともかく、従来、富裕団体とされてきた吹田市、箕面市も交付団体になったわけですから、景気低迷による税収減は広範に及んでいることがわかります。
 茨木市の普通交付税額は17億円余りですから、昨年度対比市税収入減をカバーする財政運営にとって貴重なプラスとなります。交付団体になった昨年度対比の基準財政収入額と需要額の変化を示すとともに、そのメリットについての見解を求めます。
 2つ目は、市税収入の昨年度対比の見通しについて、お尋ねをいたします。
 市税収入全体では、現状予想では約13億円減とのことですが、直近の状況も踏まえて、主な税目の現状と見通しについての見解を求めます。個人市民税などは現状予想より最終的に増収になると予測しますが、見解を求めます。
 3つ目に、事業債発行の減についての理由と内容をお示しください。
 4つ目に、普通交付税の交付による経常一般財源、当初予想対比17億円増などにより、充当一般財源総額は18億円増となりました。昨年度対比でも約15億円増です。その使い方では、ほとんど普通建設事業に充当されています。その内容と金額を明らかにするとともに、今後とも、経済波及効果の薄い用地の買い戻し等、充当しないよう求めます。
 5つ目に、経済情勢に対する認識と財政運営の基本について、お尋ねをいたします。
 デフレの進行により、経済成長の低迷が日本の経済と財政の危機の決定的な要因となっています。ここからの脱却こそが、国とともに地方自治体にも課せられた絶対の命題です。見解を求めます。
 したがって、地方でも域内におけるヒト、モノ、カネ、情報の流れを活発にする施策が必要で、それに逆行する施策の展開は極力避けるべきです。その視点から見るならば、今回の公共施設使用料減免制度原則廃止は、ヒト、モノ、カネ、情報の流れを阻害することとなります。公共施設の市民の使用頻度の増加は、まちの中心部の活気やにぎわいと大きな関連性があると考えます。見解を求めます。
 したがって、公共施設使用料減免制度原則廃止は、少なくとも延期すべきです。公共施設の利用者は圧倒的に高齢者です。高齢化は、ヒト、モノ、カネ、情報の流れを不活発にします。女性や高齢者の行動を活発にするような政策展開が必要です。見解を求めます。
 第2に、21年度、昨年度の財政運営について、お尋ねいたします。
 1つ目に、茨木市は、貯金を崩さず黒字を確保とありますが、21年度の普通会計黒字額は6.6億円、大きな黒字です。その他、水道、国保、老人保健、後期高齢者医療、介護保険、下水道会計の黒字総額は13.2億円になります。黒字決算に対する見解を求めます。
 2つ目に、景気悪化に伴い、さらに減少する市税等一般財源、税収不足の補てんにより減少した財政調整基金残高は若干回復、収支不足を補てんする赤字補てん債残高は年々増加とし、厳しさ増す財政状況とありますが、市税は13億円の減ですが、歳出に充当された一般財源総額は8億円の減だけです。財政調整基金と特定目的積立金は昨年度対比3億円の増となっています。地方交付税の不足分を補てんする赤字補てん債と称する臨時財政対策債等は、交付団体では、その元利償還金は地方交付税の基準財政需要額に公債費として単位費用で算入されるとされています。それぞれ見解を求めます。
 常々、誇大な財政状況の宣伝は市民の経済活動にマイナスの影響を与えるとして、事実に基づく公正な報道を求めてきました。北摂7市の中で茨木市の公債費率は第3位、起債許可制限比率は第2位、経常収支比率は第1位です。見解を求めます。
 3つ目に、茨木市は20年度から普通会計財務書類4表分析を始めました。社会資本形成の世代間負担比率、歳入額対資産比率、資産老朽化比率、行政コスト対税収等比率、受益者負担比率、行政コスト対公共資産比率などです。その内容と茨木市の現状、北摂各市の比較等について、お示しください。
 大きな2つ目として、出資法人国際文化公園都市株式会社の経営について、お尋ねをいたします。
 第1に、国文会社の第22期事業報告に関連して、「平成14年度に関係者との間で策定された経営健全化計画に基づき」とありますが、この文書は茨木市として保有しているのか、また、「中部地区用地の一部売却を実行し、当社のノンアセット化」、すなわち資産を提供せずに知識やノウハウだけの提供をすること、「への歩みを着実に進めた」とありますが、第22期の処分面積、金額及び期末の保有面積と資産額について、お尋ねをいたします。
 また、会社所有の開発用不動産、処分先の不動産に対する固定資産税の課税はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
 第2に、会社が対処すべき課題の「(A)将来の方向性について」に関連して、お尋ねいたします。
 経営健全化計画に基づくノンアセット化計画の完了を2年後に控え、「会社の清算、事業の整理等も視野に入れながらそれ以降の会社のあり方について、今後の事業展開・動向、関係機関との連携・協力を踏まえ」意見集約を図るとありますが、経営健全化計画では、ノンアセット化計画の完了時の会社の清算、事業の整理等について、どのような内容になっていたのか。出資者としての茨木市の方針は、会社の清算、事業の整理を明確にするよう求めます。
 また、会社の清算、事業の整理時点の出資資本金、資本剰余金はどのようになるのか、お尋ねいたします。
 1問目、以上です。

[楚和企画財政部長] 財政運営につきまして、ご答弁申しあげます。
 まず、普通交付税の算定状況についてでございますが、昨年度比で基準財政収入額は17億円の減、基準財政需要額は増減がありません。
 また、交付税のメリットにつきましては、普通交付税は標準的な行政サービスを実施するため、税を基本とする収入額が不足する場合に補てんされるものであります。本市においても、市税収入及び交付金等が大幅に減少したことによりまして交付団体になったものであります。したがいまして、メリットというのはございません。
 次に、市税収入の現状と見通しについてでございますが、個人市民税をはじめ、各税目とも現時点での見通しは、ほぼ予算額どおり推移すると考えております。
 次に、事業債発行の減額理由についてでございますが、普通交付税が交付されることに伴いまして、事業債の発行の取りやめを予定していること、また、学校教育施設事業債等を22年度に繰り越したことによるものでございます。
 充当一般財源総額が当初予算時と比べて18億円ふえている内容についてでございますが、将来の財政負担を考慮し、建設債の発行を約9億6,000万円減額することに伴い、一般財源が増となること、学校施設の耐震化などの経済対策関連事業におきまして約6億円を平成21年度から繰り越したこと及び9月補正予算の財源といたしまして約2億円を追加することによるものでございます。
 また、土地開発公社保有資産の買い戻しにつきましては、公社において将来のまちづくりの発展に必要な土地を取得しているものであり、事業の計画的な推進、公社の健全性、国庫補助金の活用等の観点から、今後も適正に行ってまいりたいと考えております。
 次に、経済対策についてでございますが、経済対策は、本来は国において講じられるものと考えておりますが、本市におきましても、国からの地域活性化を目指した交付金につきましては、事業効果があらわれるよう、事業の選択、方法についても工夫を凝らしているところでございます。
 また、今年度におきましては、市単独事業といたしまして、プレミアム商品券の発行、小規模発注工事等の市内業者特別枠の確保事業など、地域経済の活性化に資する事業を実施しております。
 次に、公の施設使用料の見直しと公共施設の活性化等でございますが、今回の公の施設使用料の見直しは、使用料の改定をはじめ、広く市民に施設を利用していただけることを目的として実施しております。したがいまして、今回の見直しは市域の活性化を阻害するものではなく、利用頻度は上がるものだと考えております。
 高齢化社会における政策展開についてでございますが、高齢者の生きがい、社会参加の促進、健康増進、介護を視点に、ハード、ソフト面にわたりまして充実した施策を実施しているところでございます。
 次に、市会計の黒字決算に対する見解についてでございますが、一般会計におきましては、景気悪化による市税収入が大幅に減少する厳しい財政環境にありまして、財政調整基金を取り崩すことなく6.6億円の黒字を確保できましたことは、効率的、効果的な行財政運営を推し進めた結果であると考えております。
 また、特別会計すべてにおいて黒字で決算を結了したことも、事業の健全な運営に努めたことによるものと考えております。
 次に、市税等一般財源等の見解でございますが、まず、市税の13億円減と充当一般財源8億円の差につきましては、職員等の人件費や物件費等の経常的な経費の削減を図りつつ、街路整備等の都市基盤整備や南市民体育館の建設等を積極的に推進してきたことによる普通建設事業費の増によるものでございます。
 基金につきましては、財政調整基金の取り崩しを行わなかったことによる増、また、南市民体育館の建設等によりまして、特定目的基金の取り崩しによる減となっております。
 なお、臨時財政対策債の元利償還金は普通交付税の基準財政需要額に算入される取り扱いとなっております。
 次に、財政指標の北摂における順位についての見解でございますが、北摂各市とも歳入の根幹であります市税収入が減収するという非常に厳しい財政環境にありますが、本市においては、これまでから職員の人件費をはじめとする経常経費の削減に努めるとともに、後年度の財政負担を考慮した市債の発行の抑制など、健全な行財政運営と施策の展開を図ってきたため、各財政指標において上位にあるものと認識しております。
 普通会計財務書類4表についての比率等でございますが、公会計における財務書類4表は、資産や負債の現状、未収となっている債権、今後の退職金負担など、現行の現金主義による会計処理では見えにくい情報をあらわすものでございます。本市の指標は、いずれも一般的に示されています各指標の平均的な範囲にあります。
 なお、北摂各市においては、作成、公表とも対応にばらつきがありますので、比較は行っておりません。
 以上でございます。

[中杉市理事] 国文会社についてでございますが、同社の経営健全化計画につきましては、本市は保有してございません。
 また、昨年度第22期におきまして、国文会社は約2.9ヘクタールを約29億1,500万円で処分し、その結果、同社の現時点での保有面積は約4.8ヘクタールで、その資産額は約43億円になると聞いてございます。
 次に、開発用不動産及び処分先の不動産の固定資産税につきましては、いずれも課税されてございます。
 会社の清算、事業の整理などにつきましては、経営健全化計画の中では特段定められていないというふうに聞いてございます。
 国文会社では、同社がこれまで取り組んできた役割や関係機関との連携、協力などを踏まえて、今後の会社のあり方について検討を始めていると聞いておりまして、その中で、出資資本金や資本剰余金の取り扱いにつきましても検討されるものと考えております。


(阿字地2問目) 22年度、今年度の財政運営について、再度、お尋ねいたします。
 普通地方交付税の交付団体になったことにより得た貴重な17億円は、普通建設事業のみに充当するのではなく、高齢者や低所得者にも恩恵が及ぶように検討すべきです。例えば、毎年、猛暑が続くことが予想される中で、高齢者住宅設備改善事業サービスの対象にエアコン設置も追加すべきです。見解を求めます。
 デフレからの脱却に寄与する財政運営として、女性や高齢者の行動を活発にするような政策展開について、再度、お尋ねいたします。
 コミュニティバスの運行や高齢者私鉄バス運賃助成について検討するよう、再度、見解を求めます。
 21年度、昨年度の財政運営について、再度、お尋ねいたします。
 経常一般財源と臨時財政対策債の合計では前年度対比4.8億円の減、歳出に充当する一般財源総額では7.6億円の減の中で、普通建設事業費だけは10.1億円の増となっています。普通建設事業の中でも土木費、とりわけ一般道路と都市計画道路の用地購入費は、昨年度対比13.6億円の増となっています。一般財源が減少し、しかも財政危機をあおって市単独事業など市民サービス切り捨てで、民生費が前年度対比2.3億円減の中で道路用地購入費を異常に突出させたのは、市民犠牲で道路建設を行ったことになります。逆立ちを正すよう、見解を求めます。
 国文会社について、再度、お尋ねをいたします。
 経営健全化計画は、当然、株主の立場として保有すべき文書です。取得するよう求めます。見解を求めます。
 また、少なくても2年後には国文会社の清算、事業の整理が実現するよう、出資者である茨木市として求めることを明確にするよう、再度、求めます。
 また、出資資本金と資本準備金の返還が実現できるよう、再度、求めます。
 以上です。

[楚和企画財政部長] 普通交付税の交付の関係でございますが、これは先ほどご答弁させていただきましたが、税収の減によるというところでございます。それを、たくさん入ってきたという視点ではなしに、税収の減額が補てんされておりますので、そもそも交付税というのは標準的な行政を実施するための経費でございます。したがいまして、その税収の補てん分等に充当してまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、高齢者の施策の関係等でございますが、施策につきましては、限られた財源の効率的、効果的な視点という観点から、市民ニーズを的確に把握しながら実施しているところでございますので、そういう視点で施策の展開を図っていきたいと思っております。
 また、高齢者の関係につきましても、バリアフリー化とか、先ほど申しあげましたが、生きがいの施策、健康増進、また介護、いろんな形で施策を展開しておりますので、今後もそういう姿勢で施策を展開してまいりたいというふうに考えております。
 次に、財源の関係で、普通建設事業に充当ということで、特に今、用地の関係でございますが、用地につきましても、将来のまちづくりの発展に必要な用地を取得しておるものでございます。これらにつきましては、適切な時期に、また、国庫補助金等を活用しながら買い戻しを行うのが適切であるというふうに考えております。
 したがいまして、経常経費を削減しながら、こういう普通建設事業に充当する、こういうことが財政運営の基本ではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

[中杉市理事] 経営健全化計画でございますけども、これについては、私ども聞いておりますのが、書類、書面としてまとめたものはないということでございまして、平成14年度でございますけども、国文会社が従来の保有している土地を付加価値をつけて譲渡するというような方針で臨んでいたものを、経済情勢などを勘案しながら、平成14年度のときに、土地の処分と借入金の返済のめどを立てて、事業規模にふさわしい資本の減少などを行って、土地を保有しない身軽な企画会社として、そういうふうな方針のもと、シンボルゾーンの形成に寄与するというような、そういう方向というものを健全化計画というようなことでまとめられたというふうに聞いてございます。
 それから、まず国文会社の清算、事業の整理でございますけども、これにつきましては、現在、国文会社がライフサイエンスパーク及び中部地区の拠点形成に一定の役割を果たしてございますので、そのような状況を見きわめながら関係者間で議論されておりますので、2年後となるか、ちょっとその辺の時期も含めて検討されているというふうに考えてございます。
 それから、出資資本金及び剰余金について返還されるようにということでございます。これにつきましては、当然、法令等の規定に従って、清算されるのであれば、そのような規定に基づいて本市の持ち分については処理されるというふうに考えてございます。ただ、その辺も含めまして、これ以降の将来の会社のあり方について、現在、関係者も含めて検討をされておりますので、その中で結論が出るというふうに理解してございます。
 以上でございます。


(阿字地3問目) 現状の茨木市の財政運営の基本について、改めて市長にお尋ねいたします。
 市の現状は、デフレ促進型の財政運営になっています。市民負担をふやし、市民サービスを切り捨て、その財源で箱物建設の積立金をふやしたり、大型開発などの道路建設のための用地取得を進めたりしています。市民の立場に立った成長戦略を進める立場から、市民負担の増や市民サービスの切り捨てはやめるべきです。経済波及効果の乏しい大型開発や箱物建設はやめるべきときです。そして、地域密着型の公共事業やヒト、モノ、カネ、情報の動きを活発にする施策を展開すべきです。見解を求めます。
 国文会社については、山本副市長が取締役になっておられると思います。山本副市長のほうからも答弁をお願いしたいと思います。
 答弁もはしょるし、質問もはしょるし。
 わかりますか、言っていることが。取締役で行ってはるわけですから。その意味で、今の答弁を聞いて、取締役としての答弁をお願いします。

(阿字地議員) 1問、2問でお願いしたことに対する。
(「答弁してるやんか」と呼ぶ者あり)
(「質問しいな」と呼ぶ者あり)
 じゃあ、答弁できなかったら、できないで結構ですけども。

[野村市長] まず、現状の財政運営ということでございますが、財政は今の時点も大切でございますが、将来的なまちづくり、いろんな長期的な視点、あるいは目先の視点、いろんなことをかみ合わせながら財政運営していく必要があると考えておりまして、将来的なまちの発展につながる事業、さらには現状の市民生活を充実、また向上させる事業、さまざまな点をバランスよく組み合わせながら、今後とも財政運営を図っていきたいと考えておるところでございます。

[山本副市長] 国文会社にかかわります清算、あるいは事業整理、それに伴う資本剰余金並びに出資資本金の扱いということについてでございますが、先ほど中杉市理事のほうから答弁いたしましたとおりでございますので、よろしくお願いします。