2010年10月10日(日) 日本共産党市政報告 bS72

2010年9月定例市議会報告

市民犠牲で09年度決算は
普通会計6.6億円
国保会計2.3億円
介護保険会計2.4億円
の黒字を計上
大型プロジェクト推進のため暮らし・福祉・教育を犠牲にするな

 9月定例市議会では、09年度の決算と10年度補正予算を審議するとともに、公共施設の使用料減免制度廃止関連条例と市民の請願審議については異例の「特別委員会」が設置され集中審議がなされました。党市議団は、すべての審議を通じて、時代遅れの大型プロジェクトをすすめ、市民犠牲を押しつけるデフレ型財政運営は誤りであるとただしました。


無駄な大型開発推進の逆立ち財政運営やめよ

 09年度決算は、一般会計の実質収支は約6.6億円でしたが、本来ならば10億円を超える黒字でした。それは、年度末において当初予定にはなかった約5億円の道路用地取得という「黒字べらし」を行ったからです。こうした黒字は次年度に回して福祉・教育の充実に充てるべきと、党市議団は指摘しました。
 このような大幅な黒字が出る状況にもかかわらず、市は「財政危機」を言い立てて、09年度は「公共施設駐車場有料化」、「敬老祝金77歳支給廃止」、「高齢者世帯家賃助成の縮小」、「在宅寝たきり老人等介護見舞金半減」、「身体・知的障害者福祉金半減」などの総額3.5億円にも及ぶ「福祉切り」を強行しました。
 その一方で、彩都・安威川ダム関連公共事業の推進、解同優遇行政の温存という税金の無駄づかいとともに、特に09年度は、市単独の道路建設の用地取得費が前年度対比で5倍以上に増やすという異常な財政運営でした。
 党市議団は、こうした大型プロジェクト推進の逆立ち財政運営をやめ、市民犠牲の中止、福祉関係・身近な公共事業重視の財政運営への転換を求めました。

 2009年度、みなさんと力を合わせて実現できた主なもの
○子ども通院医療費助成小学校2年 生まで拡充
○妊婦検診公費助成3回→14回へ
○中学校全普通教室エアコン設置
○子育て支援総合センターで「一時 保育」実施
○私立保育園実施の休日保育、子育 て支援保育士事業に補助
○市内事業所への正規雇用促進奨励 金支給事業の実施
○ともしび園における医療ケアの本 格実施
○介護保険対象外高齢者住宅改造市 単独助成、ひとり暮らし高齢者等 生活支援事業実施(庭の除草等)
○介護保険地域包括支援センター増 設
○学校、幼稚園施設の耐震化、小学 校音楽教室エアコン設置、便所改 修、園庭緑化等の推進
○学校応援サポートチームの拡充
○商店街活力アップ支援事業の実施(空き店舗活用の改装費、家賃の一 部補助)
○JR駅周辺の駐輪場整備(松ヶ本 駐輪場、東口・西口路上駐輪場)
○解同優遇予算の削減(1.4億円)

公共施設の5割3割減免制度廃止案をオール与党議員が強行可決。

現行減免制度存続を求める請願署名を不採択に

 市が「受益者負担の適正化」を名目にして、市民間にいたずらに対立を持ち込む公の施設の減免制度原則廃止などに関する関連条例が提案され、自民・公明・民主などオール与党議員の賛成で可決、来年4月からの実施予定となりました。
 7月中に実施された市民意見公募では、これまでにない数の市民の意見が市当局に寄せられ、圧倒的多数が5割3割減免廃止に「反対し、疑問を持っている」ことがあらためて明らかとなりました。
 党市議団は、本会議でも、また関連条例案や市民団体からの請願を審議するために設置された特別委員会でも、「市民の活動を応援し、街に活気を取り戻し、市民福祉の向上を図ることが市政の最優先課題であり、そのためにも5割3割の減免制度は廃止ではなく、むしろ拡充するべきである」との立場から質疑を行いました。
 また「明るい茨木をつくる市民の会」が市内で活動する減免登録550団体に広く呼びかけた請願署名では各団体から2千筆以上の署名も寄せられるなど計8328筆の署名が議会に提出されました。同時に「茨木市民文化の会」という団体からも同趣旨の請願が1104筆の署名とともに提出され、どちらの請願についても特別委員会で代表者による請願署名趣旨説明が行われ、減免廃止でどのような影響が市民に及ぼうとしているのか切実な訴えが行われました。

 

サッポロ跡地への立命館大移転計画は大学の自主的判断を見守り、支援策は市民的検討を!

 8月末に、野村市長から「立命館大学が学校法人の中期計画で、サッポロ跡地へのキャンパス開設を選択肢の一つとしている」との報告がありました。

 市民の期待は大きいが、一方で慎重な対応を

 党市会議員団は「計画はまだ大学内部の検討段階であり、市として慎重に見守る必要がある。また移転に当たり大学側に提示しているとされる市の支援施策(総額約131億円と推定)についても、市民の中には期待する声も多いが、市全体の財政状況を踏まえ、市民生活予算への影響などについて総合的な市民的検討が必要である」と指摘しました。
 市長は「計画が本格的にスタートすることになると、スピード感を持って対処する必要がある。」と答えるにとどまりました。

 

彩都中部地区開発は中止し、西部地区も住民合意で見直しを 安威川もダムによらない治水を!

 「都市再生機構」は、破たんしている彩都中部地区開発を進めるため、事業計画変更の認可申請を国土交通省に提出しました。この開発強行によりさらに80億円の赤字が増えます。また茨木市は、関連道路建設で新たに7・3億円の負担をします。すでに彩都西部地区開発でも約600億円の赤字が出ており、中部地区は中止すべきです。
 また国は安威川ダムを含む計画中の83事業について「検証する」と表明しており、安威川ダム計画も、堤防補強、森林保全などダムによらない治水対策に見直しすべきです。
 その他市民会館建て替えの基金積立て、阪急茨木市駅東口府営住宅跡地の大型ハコモノ建設、サッポロビール跡地の立命館移転での支出、JR茨木と摂津富田駅間の新駅構想の負担と、大型プロジェクト乱立の状況です。その一方で、市は今後も大掛かりな市民犠牲を計画しています。

4 「大阪・泉南アスベスト訴訟の早期解決を求める意見書」などを全会一致で採択

 意見書採択では、「大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟の一日も早い解決を国に求める意見書」「『戦没者等の妻に対する特別給付金支給法』の時効撤廃を求める意見書」をはじめ、「21世紀型の公共投資の推進による景気対策を求める意見書」「府道における歩行者の安全確保と事業促進を求める意見書」の計4件の意見書が全会一致で採択されました。

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無駄遣いをただし、市民犠牲やめよ!
9月市議会でも市政のチェックと市民の願い
実現に力尽くしてがんばりました

  

市会議員 あじち洋子

民生費を削って、道路建設費を増やす財政運営をやめよ

 09年度決算では6.6億円の黒字を計上する中で、市民サービスを削って民生費を10年ぶりに2.3億円も削減する一方、道路建設費を用地費を中心に13.6億円も増額しました。こうした逆立ちした財政運営を改めるよう求めました。茨木市は「バランスのとれた財政運営になっている」と強弁しました。

 

市会議員 朝田みつる

人権センターの特権・優遇対応は直ちに中止せよ

 解同優遇行政を是正する立場から人権センターの問題を取り上げました。一任意団体でありながら、全額市からの補助金で運営されていること、業務はすべて4人の市職員が職務免除で行っていること、役員には、評議員会や理事会出席に1回・7400円もの報酬が支給されていること、それでも予算を消化しきれず158万円も市に返還していることなどをあげ、組織的実態のない人権センターに対する特別待遇は直ちに中止せよと迫りました。しかし「妥当である」「その考えはない」と解同優遇を温存する答弁を繰り返しました。

 

市会議員 畑中たけし

学童保育指導員等の任期更新については競争試験以外の方法で

 法令では「任期付き短時間勤務職員」の採用方法については必ずしも競争試験を求めておらず、市の規則でも選考による選抜が可能な規定になっていることからも、少なくとも三年後の更新については面接など選考による実施を求めました。市は「3年間の勤務実績等を考慮して、今後検討していきたい」と答えました。