2011年6月23日(木) 日本共産党市政報告 bS75

2011年6月定例市議会報告

 

税金支出の増額で国保料値上げ回避を
市内中小業者の仕事と雇用おこしを

 

6月7日から始まった6月定例市議会は16日まで10日間の会期で開催され、主として震災支援のための予算編成が内容の一般会計補正予算等の質疑や意見書・決議の審議を行いました。

党市会議員団は、6月からの国保料値上げを回避し、市内中小業者を効果的に支援する施策とともに、身近な公共事業を増やすよう求めて全力を挙げました。


黒字還元で保険料負担の軽減を
 国保料最高限度額引き上げやめよ!

 本年2月時点の23年度国保料仮算定で、茨木市は国保料抑制のための一般会計からの繰り入れを昨年より2億円増額することで、およそ6割の世帯は保険料の引き下げができると試算していたものの、6月の保険料本決定では、均等割と平等割は一定引き下げの一方で、所得割率は0.39%増と大幅な引き上げとなりました。原因は、中・低所得者の所得減が22年も止まらなかったことに対して、充分な税金繰り入れを行わなかったからです。

 党市議団は、市に対し保険料抑制のため、一般会計からの繰入れ増額を求める緊急の申し入れを行いました。さらに6月議会でもあらためて「補正予算を組んで保険料抑制のために思い切った追加繰入れをするべきである」と市に求めましたが。しかし市は「3月に適切な繰り入れを決定している」と、市民の苦しい家計をおもんぱかる態度を見せませんでした。

国に国庫負担の回復求めよ

 本年度、市は、医療費分と後期高齢者支援金分で計2万円の国保料最高限度額を引き上げました。党議員団は「限度額の引き上げでは、生活実態を無視する国保料負担の問題は解決しない。北摂7市でも、引き上げを実施しない自治体が3市あり、茨木市も見送るべきである。真の問題解決には、国に対して国庫負担の回復を強く求めるべきである」と市に迫りました。

 

住宅リフォーム助成、小規模工事登録制度の創設で仕事と雇用おこしを

 6月議会で党市議団は、住宅リフォーム助成制度において、国会答弁でもこの制度創設に当たって、「社会資本整備総合交付金を活用することができる」と踏み込んだ答弁をしていることを指摘し、この交付金を活用しての制度創設を迫りました。また、『小規模工事登録制度』についても、この制度の眼目は、競争入札資格のない市内の未登録業者つまり市内の零細業者に自治体が発注する小規模な建設工事や修繕工事等を発注するという「すみ分け」をすることにより、一層の市内業者育成の目的を達成しようとするものであることを強調し、市の実績としても、小学校の小規模修繕工事(市内業者発注分)の76%が建設工事の許可を有している登録業者が占めていて、とても市が努力しているとは言えない現状であることを指摘し、制度創設と改善を迫りました。
 市は、住宅リフォーム助成制度創設の交付金活用は「公営住宅や関連する公共施設の整備などを基幹事業として実施した場合に限る」と実態とは違った答弁をし、小規模工事登録制度では各担当課の修繕業務発注の現状については「把握していない」と認めながら、「研修会等を通じて可能な限り市内業者に発注するよう指導している」という答弁にとどまっています。

 

事業系普通ゴミの分別実施と減量へ一層の努力を

  市の消極姿勢を厳しく批判し改善を要求

 一般家庭から収集している普通ゴミは分別努力も実って、減量が進んでいますが、事業所から許可業者によつて、収集されている普通ゴミは分別が行われておらず、2010年度は前年度に比べて年間2千トン増になっています。一般家庭には分別を強力に推進しながら、事業所や許可業者には分別を強力に求めない弱腰を厳しく批判しました。茨木市一般廃棄物減量化施策では、許可業者の搬入車輌への搬入物内容検査の実施や処理施設への資源物持ち込み搬入拒否も明記されています。ところが実際には排出事業者には要請だけ、搬入物内容検査は年間2ヶ月、資源物持ち込み搬入拒否は考えていないと消極姿勢です。減量化施策の実施を強く求めました。

 中央卸売市場と流通センターの事業系ゴミ減量推進と適正管理を

 茨木市は大阪府や事業者との契約で、中央卸売市場と食品流通センターから排出する事業系ゴミを「環境衛生センター」で受け入れて、焼却しています。これも減量計画より年間1200トンも上回ると共に、市焼却場に搬入される事業系ゴミは施設内から直接発生するものに限るとしていますが、施設外から持ち込まれているとの情報が絶えません。茨木市は指導員の配置、カメラの設置などを行っているとしていますが、「抜け穴」があるとされています。許可業者の搬入車輌の搬入物内容検査実施や処理施設への資源物持ち込み搬入拒否を強く求めましたが、しかしこれらも、茨木市は消極姿勢に終始しました。

 

学校施設耐震化の促進を

 東日本大震災の教訓、更には市自身も「住宅・建築物耐震改修促進計画」において市有建築物の耐震化の目標として「平成27年度までの耐震化率の全体目標値:9割以上」と定めています。これらに基づいて6月議会で党市議団は、耐震化事業のスピードアップ、目標年度の平成27年度までに小中学校施設については100%耐震化達成、さらに、保育所や幼稚園そして避難所に指定されている公民館等の耐震化を求めました。
 答弁では「小中学校の耐震化率は、現在60.1%であり、今年度実施予定の耐震工事が完了すると耐震化率は、73.9%になる」ことが明らかにされましたが、100%達成や他の施設の耐震化については「早期完了に向けて取り組む」という答弁にとどまりました。
(学校施設今年度実施箇所は以下の通り)
中条小南棟、玉櫛小東棟、玉島小東棟、大池小南棟、豊川小北棟、東小南棟・中棟一部、水尾小南棟・リフト、郡山小北棟、太田小北棟、天王小北棟、葦原小北棟、穂積小南棟、白川小中棟、西中西棟、東中北棟、豊川中南棟・西棟一部、三島中東棟一部・南棟、北中西棟、東雲中北棟

4 意見書、決議採択(全文は本ページ末尾に掲載)

『原発から自然エネルギーへの転換を求める』意見書を全会一致で採択

 「原発から自然エネルギーへの転換を求める意見書」は、「原発からの撤退」は明記されていませんが、新規原発は中止に向けて取り組むことや自然エネルギーへの転換を求める内容は盛り込まれ、党市会議員団も採択のため努力しました。

『JR茨木駅の整備改善に関する決議』が茨木市議会発で採択

 立命館大学移転のための「駅舎拡張」の文言を削除させ、エスカレーター設置、バリアフリー化、新快速の停車等を求める決議として、党市議団も共同提案者となり賛成しました。

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市民の目線で、市民要求実現と

市政改革へ全力!

  

市会議員 あじち洋子

君が代起立と罰則条例に反対の態度を明確にせよ

 橋下知事が代表を務める大阪維新の会が府議会で君が代起立条例制定を強行し、続いて9月府議会で罰則条例の制定を目指しています。こうした動きを受けて茨木市議会で二つの条例化に対する見解を質したところ、八木章治教育長は「起立するのは当然」と橋下知事と大阪維新の会の2条例に賛同する主旨の答弁をしました。

 

市会議員 朝田みつる

身近な公共事業の推進を

 市民要望の強い「歩道整備」と昨年度のみ実施された「市内業者のための小規模工事2億円増額措置」の復活を求めました。茨木市の歩道整備プログラムは策定されて14年ですが、進捗率は54%、府の歩道整備計画に至っては、市内で3路線しか計画がなく、それすらも2010年整備完了としながら1路線完了のみで後は全く放置されています。また、小規模工事2億円の復活も「一定の効果があった」ことを認めつつも今年度継続は「考えていない」。まったく本腰が入っていない市の姿勢を変える必要があります。

 

市会議員 畑中たけし

民営化保育所の建て替え等は市負担で

 民営化した公立保育所の耐震補強や建て替え工事の費用が受託法人の財政を圧迫しています(旧松ヶ本=171万円、旧東=8412万円)。本来なら市の負担によって改修するべき老朽化施設を民営化によって法人に負担転嫁するのではなく、市の責任を果たすべきであると求めました。市は「建て替え等の財政面については、府の基金等の補助金を活用したい」と消極的な答弁に終始しました。

 


JR茨木駅の整備改善に関する決議

 JR茨木駅は、昭和45年の大阪万国博覧会の東の玄関口として、駅前広場や都市計画道路の整備などにあわせて、現在の橋上駅舎が整備された。その後、圏域人口の増加、都市機能の充実・発展により乗車人員は日平均約4万5,000人にのぼり、多くの利用客を有する主要駅となっている。
 しかしながら、駅舎については、昭和45年に整備された後、大きな改良は行われず、現在においてもエスカレーターは設置されていないなど、利用者の移動の円滑化や利便性から見て大きな課題を有している。
 さらに、JR茨木駅に近接して、約1万人の学生が通う立命館大学の新キャンパスの計画が進められており、通学時においては、多くの学生、教職員がJR茨木駅を利用することが予想される。
 よって、本市議会は、新しい時代にふさわしい「魅力と活力ある都市づくり」を進めるために、西日本旅客鉄道株式会社において、下記の事項について対処されるよう要望する。

1.JR茨木駅の利用者の規模に見合った安全で快適な駅舎に整備されたい。
2.エスカレーターなどを設置し、利用者にやさしいバリアフリーの駅舎にされたい。
3.茨木市民や利用者が愛着の持てる魅力ある駅舎にされたい。
4.利用者の利便性を向上させるため、新快速電車の停車駅にされたい。
 以上、決議する。

 平成23年6月16日
大阪府茨木市議会

 

原発から自然エネルギーへの転換を求める意見書

 福島原子力発電所の事故は3か月を経過した今も収束の見通しが立っていない。事故以来、大量かつ高濃度の放射性物質の拡散によって、多くの人々が住みなれた土地を離れ、見知らぬ土地での生活を余儀なくされている。汚染によって、農林業、漁業も大きな困難に直面し、未曾有の被害はあらゆる分野に及んでいる。
 また、放射能汚染は国内にとどまらず、世界各国でもその影響が心配されており、原発事故の深刻さを改めて国民の前に事実をもって明らかにしたところである。事故はまだ収束しておらず、国民の不安は募っている。このような状況を踏まえ、私たちは以下の理由から、原子力行政の転換を強く求めるものである。
 第1に、事故後3か月を経過した今も、通常の冷却機能を取り戻す見通しすら立っていない。いつになったら収束するのか不明であり、事態の成り行きによっては、さらに深刻な事態も想定され得る状況にある。
 第2に、原子炉には、莫大な量の放射性物質が蓄積されているが、それを管理する技術は今もって未確立のために、全国の原発には莫大な量の使用済み核燃料が蓄積されている。
 第3に、一たん事故によって大量の放射性物質が外部に放出されれば、空間的には地球そのものが汚染され、地域社会の存続そのものすら危うくする。また、将来にわたって危険を及ぼす可能性があり、甚大な被害をもたらすことになる。
 第4に、世界有数の地震国であり、世界一、二の津波国である我が国にとって、大地震と大津波からは逃れられない宿命にある。今回の巨大地震から学ぶべきことは、これまでの想定そのものの大幅な見直しである。
 よって、本市議会は、国及び政府に対し、下記の事項に十分配慮し、これまでのエネルギー対策の転換を強く求める。

1.既存原発の安全確保と災害対策の強化、福島第一・第二原発の廃炉、老朽化した 原発の運転中止、原発の新規増設については中止に向けて取り組むこと。使用済み 燃料の安全処理を進めること。
2.自然エネルギー(再生可能エネルギー)の開発と普及・促進、低エネルギー社会 への移行のために、最大限の知恵と力を注ぐこと。
3.原発事故の危険を最小限にするため、考え得る可能な限りの安全対策をとるとと もに、そのための強力な権限と体制を持つ独立した第三者機関を緊急に確立するこ と。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成23年6月16日
大阪府茨木市議会