[朝田 充]平成23年9月定例市議会 本会議討論

◎認定第7号、平成22年度大阪府茨木市公共下水道事業特別会計決算認定について


 認定第7号、平成22年度大阪府茨木市公共下水道事業特別会計決算認定について、日本共産党茨木市会議員団を代表して、認定すべきでない、反対の立場から討論を行います。
 平成22年度は、10月から資本比率55%確保のための下水道使用料の値上げが実施された年でありました。
 本決算を認定すべきでない理由の第1は、今回の下水道使用料の値上げは何ら緊急性、逼迫性のない値上げであったことが審査を通じて改めて明らかになったからであります。答弁では、22年度10月からの値上げの影響額について、前年度、つまり21年度との実績比において、下水道使用料の増額は約2.6億円、そして、一般会計からの繰入金減額は約3.4億円であることが明らかにされました。つまり、市民に対して2.6億円の負担増を強いたわけであります。
 それに対して、一般会計からの繰入金減額は、使用料増加額よりも約8,000万円多い3.4億円であります。これは従来から指摘していたとおり、汚水分資本費が前年度実績比で約5,000万円の減額であることと、さらには汚水分維持管理費についても、維持管理費はふえていくという当時の説明とは裏腹に、実際ふたをあけてみると、同じく前年度対比で約3,000万円の減額であったためであります。さらに、値上げの大きな理由としてあげていた有収水量の減少傾向についても、実際には、前年度対比で23万立方メートルの増、若干の回復となっています。
 有収水量の動向については天候の影響もあるでしょうが、いずれにせよ、下水道会計運営におけるマイナス要因もあるが、プラス要因もある。総じて、一般会計の繰入額についても、今後、非常に緩やかではありますが減額傾向にあり、有収水量の減少傾向と維持管理費の増額傾向を過度に言い立てて値上げを合理化するというのは正しくないという当時の指摘を裏づけるものになっているのであります。
 本決算を認定すべきでないという理由の第2は、結局、今回の値上げは、下水道使用料による資本比率100%回収という、もう実情にあわなくなっている原則論なるもののごり押しにすぎないということであります。下水道による恩恵を受ける者と受けない者との格差が歴然としてあった時代ならいざ知らず、ほぼ100%普及している現在において、いまだにこの原則の呪縛にとらわれていることこそがナンセンスなのであります。幾らこのような原則論なるものを振り回したところで、決して市民には理解されないでしょうし、市民生活を安定させるため、地方政治の裁量で、一般会計から料金抑制のために繰り入れることは何ら問題ではありません。結局、この時期になって、今まで行ってきた措置を総否定するのは、大型プロジェクトに備える財政基盤づくりを最優先する態度にほかなりません。そのために、市民負担増を押しつけ、市民生活をさらに窮地に追い込むことは、今絶対にやってはならないことであります。
 最後に、今まで明らかにしてきたとおり、誤った施策は早急に改める必要があり、決算において認定すべきではなく、さらに言えば、来年度予定されている資本比率60%確保のための下水道使用料再値上げも中止すべきことを強く主張して、討論を終わります。議員各位のご賛同をよろしくお願い申しあげます。以上であります。
 ご清聴ありがとうございました。