[畑中たけし] 平成24年3月市議会 本会議質疑、討論

◎議案第25号 平成24年度大阪府茨木市一般会計予算
  ☆茨木市の市政運営について
    大規模プロジェクトの財源問題
    茨木市の再生の問題について
    維新政治に対する茨木市政の向き合い方について

  ☆LED照明導入における規格について
◎議案第27号 平成24年度大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計予算
◎議案第29号 平成24年度大阪府茨木市介護保険事業特別会計予算
◎[反対討論]介護保険料値上げ条例と介護保険会計について
◎[賛成討論]国保料と介護保険料の引き下げ等を求める請願


議案第25号平成24年度大阪府茨木市一般会計予算質疑

[畑中1問目]
大きな一点目として、市政の争点になっている、市政運営の基本に係わる問題について3点お尋ねします。
まず最初に野村市長に申し上げます。2期8年間の市政運営大変ご苦労さまでした。もちろん日本共産党は日常的には対極の立場から市政運営を批判してきました。今回市長は「維新政治の台頭」という政治的激変の中、表向きは健康上の理由から「3選出馬」を断念されたと聞いています。これからの茨木市政についての今の心境を率直にお話し下さい。よろしくお願いします。

[野村市長]
 茨木市の今後ということでございますが、いずれの時代につきましても、やはり市政運営は市民福祉の充実、そしてまた行政水準の向上を基本として、市政の行政分野の全般をバランスよく計りながら進める事が重要でございます。
 もちろんその中には重点施策という項目があっても良いですが、重点施策があるからと言って別の項目が全く力を入れないという事では市民の皆さんに満足していただけるような市政運営にはならないのではないかと考えております。
 従いまして、現在の市民の満足、そしてまた将来の私たちの子や孫に負担をさせることではないふるさと茨木がますます発展することのような施策の展開がいちばん望ましいのではないかと思っているところでございます。


続いて、一つ目として、大規模プロジェクトの財源問題についてお尋ねします。
今、茨木市では大規模プロジェクトの財源問題が争点になると思います。当面は立命館大学茨木移転負担、JR総持寺新駅建設費負担そして彩都中部地区開発道路整備費などです。日本共産党はこうした市の財政負担を最小限にするとともに、その財源は積立金の取り崩し、起債の発行、国補助金の確保などで市民へのしわ寄せを最大限減らすことを主張してきました。ところがこれまでの市政は、財源確保のためとして、この3年間で15億円、さらに今後毎年5億円の市民サービスの切り捨てと市民負担の増大を推進しようとしています。
そこで具体的にお尋ねします。立命館大学移転負担ですが、問題の岩倉町地区防災公園街区整備事業は、URの特定公共施設の立て替え施行工事として行われると理解しています。茨木市の負担は国庫補助を除いて用地費45億円、施設整備費3億円、事務費3億円、合計51億円としています。この償還は一定の据え置き期間を経て、一定期間に償還すると理解しています。据え置き期間、償還期間、償還終了予定年、償還総金額がそれぞれいくらになるのかお尋ねします。ただし市民交流施設、ホール、図書館などの施設は大学が事業主体で、大学と茨木市と国のそれぞれ3分の1の負担で建設されると理解しています。この分でも茨木市の負担額は20億円程度にはなると予想します。さらにアクセス道路や学内道路の整備、JR駅舎改造の市負担を考慮に入れると100億円近くになると予想しますが、市の見解を求めます。

[野口建設部長]
 岩倉町地区防災公園街区整備事業について、防災公園街区整備事業につきましては、茨木市負担額約51億円の内、市街地部分1.5haの用地費約27億円につきましては、平成25年度に買い戻しの予定でございます。
 公園部分につきましては、平成24年度から平成29年度までの6年間を事業期間として、年額割り額は各年度、URとの協定に基づき確定するものです。
 なお、公園部分の機構立て替え分につきましては、事業年度完了後5年間据え置き、15年後の平成49年度に償還終了予定となっております。
 国費を除く事業費総額は51億円で、市街地整備部分が約27億円、公園整備部分が約24億円であります。

 立命館大学立地に伴う市負担について、市民交流施設の負担割合と市負担額でありますが、現在、国土交通省等関係機関と調整中であり、お答えできる段階には至っておりません。
 また、アクセス道路として、JR沿いに歩行者用専用道路を、また大学構内に敷地の南北を結ぶ道路の整備を計画しておりますが、形状・構造等について協議調整中であり、事業費については未定です。
 JR駅舎の改造に係る市負担につきましても、現在JRとの協議が整っていない状況であります。
 いずれにいたしましても、国庫補助金の活用等、財源の確保に努めてまいりたいと考えております。



次にJR総持寺新駅建設費負担ですが、駅舎整備負担と自由通路整備で市の負担は16億円と理解しています。
さらに彩都中部地区開発関連道路整備費ですが、事の是非はともかく、URの入札予定情報では、新年度に凍結解除により中部地区一部地域(E工区)の整地工事が着工され、25年度末完成とされています。そこで山麓線関連道路整備事業も凍結解除になるのでしょうか。それならこの工事にも10億円程度の財源が必要ではないのでしょうか。お尋ねします。

以上の3事業だけでも相当な財源が必要です。あらためて日本共産党はこうした市の財政負担を最小限にすると共に、その財源は積立金の取り崩し、起債の発行、国補助金の確保などで市民へのしわ寄せを最大限減らすことを主張します。またその財源確保のために市民サービスの切り捨てや市民負担の増大をしてはならないと主張します。この事は当面の市政の大きな争点と認識しています。市の見解を求めます。

[中杉市理事]
 彩都中部地区関連の山麓線整備事業について、国文都市3号線も含めた山麓線2工区の事業は、都市再生機構が行う土地区画整理事業に併せて、引き続き道路整備を実施していく予定でございます。なお、本市の今後の負担予定額は、約4億円と見込んでおります。

[楚和企画財政部長]
大規模プロジェクトの財源確保に向けた市の考え方について、大規模プロジェクト事業の推進には、多額の財源が必要となりますので、歳出経費の抑制に努めることはもちろんのこと、財源確保にあたりましては、財政の健全性に留意しつつ、国庫補助金の最大限の確保を基本に、市債及び基金の適切な活用によりまして、財政負担の平準化に努めてまいりたいと考えております。
また、財源の確保のために市民サービスの切捨て、市民負担の増大をしてはならないとの事でございますが、市民サービスのあり方につきましては、時代の変化、官民の役割、費用対効果の観点にも立ちまして、適切に見直しを行っていく必要がありますので、そういう考えに基づいて取組んでいるところです。



二つ目は、茨木市の再生の問題についてお尋ねします。
今、茨木市の税収(標準税収入額)は高齢化や非正規化に伴う現役正規勤労者の減少や企業の市外流出等で3年間に約30億円減収となり、市民一人当たりの市の基礎的収入額(標準財政規模)は北摂7市で最低になってしまいました。もちろん交付税や臨時財政対策債等国の財源で補填されていますが、国への依存度は高まった事は間違いありません。日本共産党は茨木の活力とにぎわいを取りもどし、税収を復元するためには、大規模プロジェクトはもちろん、幹線道路建設にかたよった公共事業の中身やすべての市役所経費を市民の立場で総点検し、消費税増税や大阪都構想など国や大阪府の悪政に立ち向かいながら、教育環境の整備、地域経済の振興、阪急・JR両駅と駅前の整備などに全力を上げる事を訴えています。この問題も、茨木市政にとって重要な争点です。中・長期的な観点からの茨木市の再生策についての市長の提案があればお示し下さい。

[野村市長]
次に、茨木市の再生策と言うことでございますが、いささか再生策という言葉には引っかかりがありますが、これまでも厳しい財政環境の中で、積極的に行財政改革を推進し、そして時代の要請、また、社会経済環境の変化、市民ニーズを勘案しながら、教育環境の整備、あるいは子育て支援の充実、地域経済の活性化、さらには都市基盤整備などに鋭意、努めてきたところであります。
 中長期的な観点からということでありますが、今後も厳しい財政状況が続くと思われますが、新しい体制において、本市を取り巻く現状を十分把握の上で、まちの発展につながるような施策・事業を展開していくことが、議員の言う再生につながることになると考えます。


三つ目に、維新政治に対する茨木市政の向き合い方についてお尋ねします。
最終的には茨木市民の民意で決まる問題ですが、維新政治が茨木市に何をもたらすかを議論することは有益であると考えます。これまで市長に、維新政治の根幹をなす「大阪都構想」や教育基本条例や公務員基本条例について、認識をお聞きしましたが、いずれも「コメントする立場にない」と答弁してきました。たとえば「大阪都」構想の茨木市における具体化では、まず消防の広域化、水道と下水道事業の広域化と民営化が容易に想像されます。消防の広域化は大災害などではプラスになるとされていますが、日常の救急搬送や火災消火などに対して、きめ細かな対応は低下するのではと危惧されています。水道や下水道の広域化、民営化も同様です。これらの問題に対する茨木市の認識は現時点ではどのようになっているのか、市長にあらためてお尋ねします。
また、教育基本条例、職員基本条例、職員アンケート調査についても、あらためて市の認識についてお尋ねします。これらはいずれも「長」の方針に忠実な教育委員会、学校現場、教職員、職員を作ろうとするものです。またこれらを茨木に持ち込めば、混乱が容易に想像できます。市長にとくに認識があればお示し下さい。

[野村市長]
次に、維新政治に対する茨木市政の向き合い方についてでございますが、大阪都構想による本市における具体化につきましては、その具体的な内容がまだ明らかになっておりませんので、コメントは差し控えさせていただきますが、広域連携等につきましては、行政効果が上がるところがあれば、取り組むべき課題であると考えております。
 また、教育基本条例や職員基本条例などにつきましては、大阪府や大阪市において議論されていることは十分承知しておりますが、本市において、どのように対応していくのかは、新しい体制において、議論されていくことになると考えております。

 

[畑中2問目]大規模プロジェクトについて、立命館大学が事業主体の市民交流施設、ホール、図書館などは、市負担は減らすよう求めるべきです。見解を求めます。
また、URが当面取得する岩倉町地区防災公園街区整備事業用地3ヘクタールの価格は53億円としています。立命館がサッポロから取得した価格は約12ヘクタール190億円とされています。用地の東端という位置から見て、割高ではないでしょうか。価格の妥当性を鑑定書等で検証しているのかお尋ねします。
次に、JR総持寺新駅駅舎整備負担と自由通路整備でも、用途地域を変更するのですから、駅前開発業者に負担を求めるべきです。答弁を求めます。さらにJRと茨木市の協定書案は策定されているのかお尋ねします。
次に、彩都中部地区一部地域(E工区)の整地工事の範囲内では、関連道路整備工事の緊急性、必要性はありません。ひきつづいて凍結すべきです。あらためて市の見解を求めます。

[大塚都市整備部長]
立命館大学の市民開放施設の事業費の市負担についてということでございますが、現時点でまだ施設の具体的な内容・規模等決まっておりません。その内容に基づいて実際の事業費が出てまいるということになります。市の考え方といたしましては、これら施設についても国庫補助制度を導入して、市負担をできるだけ軽減するという考え方で進めておりますし、この考え方で今後とも取り組んでまいりたいということでございます。
ただ、補助採択の見通し等ありませんので、具体的なところまでは申し上げることができません。
 土地代につきましては、若干高いのではないかというご指摘でございますが、土地の価格についてはURが鑑定をとって評価をしているものでございます。一般的に申し上げますと、広い土地を一括して買う場合は単価が安くなるということがございます。当然、サッポロから立命館が買った時は12ha、中央環状線に接するところまで含めた形で12haを一括して購入いたしております。そういう意味からいうと、単価は若干低くなります。そういう補正がなされるということでございます。今回、防災公園街区整備事業を実施するところは、茨木・松ヶ本線と西中条・奈良線二つの都市計画道路に挟まれた区域というところで非常に利便性も立地条件も良い所ということでございますので、ご指摘のような土地代が高いのではないかという指摘はあたらないというふうに考えております。

 JR駅前の整備につきましても、これは民間デベロッパー、JR、本市とがそれぞれ役割分担をいたしまして実施をしていくということでございますので、当然のことながら民間デベロッパーについても土地の提供も含めまして一定の負担を前提で協議をさせていただいているということでございますし、今後そういう形で具体的な負担等が出てくるというふうに思います。工事協定については現在協議中でございます。

[中杉市理事]
 山麓線の2工区についてでございますが、中部地区への南側からのアクセスを構成しておりますことから、中部地区の利便性の確保、あるいは防災性の向上、さらには情報のネットワークの構築上からも必要でございまして、中部地区のまちの発展に不可欠な道路というふうに認識してございます。

 

[畑中3問目]3haの土地の価格についてですが、今、京都でベストセラーになっている「立命館の再生を願う」という中にも、当時の理事会の発言で「茨木市が防災公園などを作る予定地をいったん立命館が30億円で購入して、のちに茨木市に買い戻してもらうことになっている」というふうに当時の発言になっています。ということは、この部分は30億円という話が当初あったわけです。そういうことからすると、今回の53億円というのは実質的に転売して立命館が法外な利益を得るという、これは大問題です。当時、言われていた「茨木市が立命館に用地取得費補填をする」という話も現実になってきたと考えざるを得ません。市の明快な説明を求めます。

[山本副市長]
 市街地整備事業における土地価格について、30億というような数字をお示しになられましたが、私どもは全く存じ上げない内容でございまして、今回の買取価格につきましてはURが鑑定評価をして適正な価格で買い上げるということでございます。

 

[畑中一問目]
大きな二点目として、茨木市の直管型LED照明導入に当たっての入札契約業務適正化についてお尋ねします。
 日本共産党はかねてから国会でも地方議会でも、省エネ、照明効果の増大、経費節減の立場から、LED照明推進に積極的に取り組むよう求めています。と同時に一つは、公契約の適正化と中小企業の受注機会を確保する観点から、入札契約における機会均等の確保や門戸開放を求めています。またもう一つは、地方自治法に定められた「最少の経費で最大の効果を挙げる」業務執行も求めています。この立場から以下何点かおたずねいたします。

 第一に、茨木市の直管形LEDランプの、これから転換する対象総灯数はいくらになるのか、概算で転換予定年数をどの程度に考えているのか、優先順位をどのように考えているのか、お尋ねします。24年度予算の実施計画と予算総額はどのようになっているのかもお尋ねします。
ところで平成23年9月議会の一般会計補正予算において、事業として「節電および環境負荷軽減に向けたLED化の推進」が事業費1億2千万円で盛り込まれ、競争入札契約が実施されました。とくに、生涯学習センターきらめきと市営駐車場の照明機器のLED化では2000本以上の直管型蛍光灯の交換が行われるものですが、その仕様書には「直管型LEDはJEL801:2010規格対応品とする」としています。現在、市場における直管型LEDランプには複数の規格が存在するとされていますが、茨木市がとくにJEL801:2010に限定した理由についてまずお尋ねいたします。また決定にあたった担当部課と検討の経過についてもお示しください。

 第二に、茨木市は仕様書における規格指定にあたってどのような項目について内部検討を行ったのかお尋ねいたします。一つとして節電性能について、一つとして環境負荷の軽減つまり二酸化炭素CO2削減等について、一つとして1器具あたりの交換経費について、一つとして茨木市が蛍光灯置き換えのきらめき及び駐車場で具体にどのような性能が具備されることが必要であるとして立案したのか、それぞれどのような結論を得たのかお示しください。

 第三に、従来の直管型蛍光灯の口金はG13と呼ばれるものであり、この従来ソケットに適合する直管型LED照明も市場にすでに多数存在します。一方でJEL801:2010規格ではGX16t−5として口金としては従来品とは形状が異なり、蛍光灯からの置き換えの場合、照明管だけでなく本体灯具の交換が同時に必要となると言われています。また当該規格は社団法人日本電球工業会という私的団体が規定したもので、JIS等公的な規格または国際規格として認証されたものではないと理解しています。茨木市が今回の競争入札契約にあたって当該規格にのみ限定したことによって他の規格採用品は参入制限されることで、機会均等や門戸開放からは逆行するばかりか独占禁止法的にも問題視される可能性がでてくるのではないかと考えますが、市の見解を求めます。

 第四に、直管型照明の本体灯具についても製品寿命はあると思われますが、きらめきと駐車場については本体灯具の交換の必要性については調査把握したのかお尋ねします。また茨木市としてこれまでどのような基準を設けて交換の必要性のある本体灯具について設備更新を実施しているのかお示しください。またLED規格指定の結果、導入にあたっては多額の経費をかけて本体灯具の交換作業も実施していますが、市の基準で交換時期に達していた灯具は何個あったのかお尋ねいたします。あわせてきらめきと駐車場における直管型40ワット2灯用の一台当たりの交換費用として単価はどの程度あったのかお尋ねいたします。仮に本体灯具交換の必要のないG13ソケット対応のLED照明管を採用して交換した場合には同様に一台当たりの交換費用として単価はどのくらいであると試算しているのかお示しください。本件についての1問目は以上です。

[野口建設部長]
 転換する対象総灯数、予定年数、優先順位、24年度の計画について、直管LEDランプの転換する対象総灯数は、あくまで概算でございますけれども市全体で約74,000灯であると考えております。建設部所管の市営駐車場につきましては、約1,460灯であります。
 また、転換予定年数につきましては、節電効果、財政状況及び灯具の経過年数等を総合的に勘案する必要がありますので具体的な年数についてはお示しできません。
 優先順位につきましては、節電の効果がある施設として、長時間点灯している施設、経年に伴い灯具の交換が必要とされる施設、節電の啓発として利用者の多い施設等を考慮のうえ順次交換して参りたいと考えております。
 平成24年度予算の実施計画として予算総額につきましては、今年度の当初予算は骨格予算として編成しているため、直管形LEDランプに転換する予算は計上しておりません。

 茨木市がJEL801:2010に限定した理由について、規格を決定した担当部課と検討の経過について、長期使用時の安全性の問題、照度、配光特性などに対応する、経済産業省が指導した、日本電球工業会の規格JEL801:2010を採用したものであります。
決定にあたった建築課、建設管理課と市民学習課で、灯数、照度、駐車場につきましては灯具の劣化を調査しております。

 規格指定にあたってどのような項目について内部検討を行ったのか。どのような性能が必要であるとして立案したのかについて、規格指定にあたっての検討項目は、既設照明器具の配置を換えずに行うため現状の明るさを(2300ルーメン)確保し、節電性能について40%以上の削減、CO2についても40%以上の削減であります。
器具の選定にあたりましては、照度、節電条件を満たした器具の交換経費を比較検討しております。
きらめき、駐車場の灯具につきましては、安全性、明るさに加えて、LEDランプのチラツキの基準を満たすことであります。

 規格をJEL801:2010にしたことについて、直管形LEDランプの安全性や一定レベルの性能を満たした商品を使用するためであり、その規格に対応する商品は6社以上が製造しており、何ら入札の公平性を損なうものではなく、独占禁止法に抵触するものではないと考えます。

 灯具の交換の必要性の調査、交換の基準、交換の時期に達した灯具数について、駐車場の灯具交換につきましては、設置期間と照明の使用時間を考慮の上、照明機器の目視、現認調査を実施しております。
また、灯具交換についての基準は、一般的に照明器具は10年から15年が耐用年数といわれております。駐車場施設につきましては、照明器具の使用状況と開設後15年から20年を経過している施設を対象としております。交換の時期に達した灯具は(約1,000灯)全灯です。

 40W2灯用と、G13型ソケットLEDランプ交換費用について、40W2灯用の1台当たりの交換費用につきましては約43,400円で、G13型ソケットについては、規格を満たしていないため試算しておりません。

[続木生涯学習部長]
 茨木市立生涯学習センターきらめきの灯具交換につきましては、施設として部屋数が多く、開館時間も長いことからLED導入後の節電効果も高いと予想され、また年間の利用者数も多いため、節電の啓発効果も見込めるということで、照明設備のLED化を導入したものであります。

 

(畑中2問目)
 直管型LED照明導入に当たっての入札契約業務適正化についてさらにお尋ねします。誤挿入の可能性の問題は器具にシールを添付するなどで注意を促し回避できるとされています。またいったん装着すれば通常の利用形態では10年間使用できるとされ頻繁に管の交換がなされるものでもありません。またJEL801規格では脱落の可能性を低減したと謳っていますが、直管型LED照明自体がまだまだ新しい商品であり、具備されているとされる性能が実績で証明されているという状況にあるとは言えません。たとえば東北大震災の被災地では蛍光灯もLED管ともに多数の直管型照明が脱落したとされていますが、茨木市として実際にどのような規格のどのような製品が脱落しやすかったのか、しにくかったのか、防災の観点からも国等の調査なども踏まえ調査把握していくことが必要であると考えますが、市の見解を求めます。また、全国的に各自治体においても、当然LED照明の導入は実施されていると考えますが、大阪府下の自治体で茨木市と同様に直管型LED導入の規格指定としてJEL801:2010一択としているのはどの程度存在するのかお示しください。
 日本電球工業会は「安全で品質的に優れた提案があれば規格化していく方針」としています。つまりJEL801が直管形LEDランプの唯一の規格とは限らないわけです。つまり直管形LEDランプに関してこれからも複数の規格が並存する可能性が高い。例えば、JEL801は誤装着など3つのリスク(落下、感電、誤装着)に対処、明るさや演色性に高い基準を設け、オフィスで十分に使えると宣伝されています。一方で駐車場や倉庫といったバックヤードで使うにはオーバースペックとの指摘もあります。他社から提案されている別規格は、直管形蛍光灯のG13口金に対応しながら、独自の工夫で3つのリスクを減らしたとして、JEL801製品より導入工事が簡便で済む可能性があり、価格も安いとのこと。。メーカーによっては明るさよりも省エネ性能重視で、想定する用途は駐車場などのバックヤードだとしています。すなわち、第2、第3の規格が制定された場合、利用者はそれぞれの特徴を把握し、用途に応じて使い分けることが重要になると考えます。使用現場にそぐわないオーバースペック製品であれば製品単価や省エネ性能、環境負荷低減性能でミスマッチが発生しかねません。茨木市の見解をお聞かせください。
 いずれにせよ各規格のメリット・デメリットを検証し、導入先の状況も総合的に勘案して、最小の経費で最大の効果をえるべく仕様書は決定していくべきであると考えます。具体的には、茨木市としてLEDランプに求める性能があるのならば、それらを照度はなにがし、安全性にはどういうものを求めるなど個別に列挙して、その性能を満たす製品を採用するとするのが、1規格決め打ちよりも合理的かつ市民にとってもわかりやすい基準ではないでしょうか?市の見解を求めます。

[野口建設部長]
 脱落にかかる調査及び府下の導入状況について、脱落にかかる調査につきましては、LED器具の安全性について、規格項目として定められておりますので、改めて調査把握する考えはありません。また、直管形LED導入に当たり、JEL801:2010を指定している自治体については把握しておりません。
 場所にふさわしい製品の設置、及び仕様書の決定について、ランプ落下等の安全性や明るさ、演色性など一定性能の規格に基づく製品が追加された場合は、設置場所にふさわしい照度、製品単価や省エネ性能、環境負荷低減性能などを総合的に判断し、使い分けてまいりたいと考えております。また仕様書の決定につきましては、今までどおり、合理的な判断してまいりたいと考えております。


(畑中3問目)直管型LED照明導入に当たっての入札契約業務適正化について、さらにお尋ねします。3問目ですので、的確な答弁をお願いします。
東京新聞2011年8月1日版によれば「千葉県議会でも県の節電対策について複数の議員から批判が出された」と報道されています。県庁舎に導入するLED照明管について、基礎工事が必要で一台当たり8万円以上かかることに「最新のLED蛍光灯なら付け替えるだけで基礎工事もいらずかなり安くなる」との声が上がったそうです。現段階では性能も日進月歩の直管型LEDランプに拙速に多額の単価経費をかけて導入することに合理性があるのかという問いかけです。実際、茨木市の場合でも40W2灯式G13口金形式なら2万円そこそこで交換できますが、本体灯具交換まで必要なJEL801規格品の場合は43400円で軽く2倍を超える経費が必要になります。その経費の差を無視してまでも1規格という指定限定にこだわるとしたらそれだけの合理性が求められます。市は明るさとして2300ルーメン必要と答弁したが、一般的に40W蛍光灯の置き換えをするとしたら、製品の性質の違いもあって、LED照明で1700〜1800ルーメンあれば明るさを維持できるとする説もある。そういうことからすると、やはり茨木市の条件付けについてはいろいろ議論の余地があると考えます。いずれにしても新年度ないし本格予算執行までに、指摘してきた点も含めて、科学的・技術的・専門的検討と北摂や大阪府下の実態調査をするべきと考えます。またこのさい学識者や市民も含めたLED照明導入に関する省エネ化に関する基準作りと全体計画策定を提案します。申し送っていただいて新市長の下で、検討が行われるよう市理事者の答弁を求めます。

[山本副市長]
 次にLED照明導入の基準作りを新市長に提案されてはというふうなご提案でございますが、LED導入につきましては、これから様々な技術革新が進んでいくことが考えられます。そういった中において、新たな規格の制定なども考えられますが、適切な場所に適切な製品を設置することは、論を待たないところであります。基準作りや全体計画の策定については、あらためて新市長に提案されていただいたらというふうに考えます。




[反対討論]議案第7号介護保険条例の一部改正についてと議案第27号平成24年度大阪府茨木市介護保険事業特別会計予算について
議案第7号茨木市介護保険条例の一部改正、すなわち介護保険料の引き上げ等について、あわせて議案第29号大阪府茨木市介護保険事業特別会計予算について、一括して、日本共産党茨木市会議員団を代表して、反対の立場から討論を行います。
 今、国では、民主党政権が、「社会保障と税の一体改革」と称して公約違反の消費税10%への増税を打ち出し、一方で「改革」の中身は年金、子育て、医療、介護など社会保障切り捨てのオンパレードとなっています。年金や医療など当面の削減だけでも2.7兆円に登ります。こうした中、介護保険制度開始から13年目の第五期がスタートしようとしており、地方自治体が市民のくらしを守るためにどれだけ努力するかが注目されてきました。
 本議案及び予算案に反対の理由の第1は、第五期の保険料が基準年額にして46524円から54600円と17%もの大幅な値上げとなることです。もっとも料率の低い階層で年額約4000円、高い階層では約14000円の引き上げです。これはもう今でも高過ぎる負担にあえいでいる高齢者を、さらなる苦境に追いやろうとするものです。にもかかわらず、茨木市は第五期保険料決定に当たって保険料額抑制のための努力が十分になされているとはいえません。一つに、市の保険給付費推計の不適切な見積りがあります。茨木市は介護保険特別会計に制度開始以来一貫して多額の黒字と繰越金を抱えているにもかかわらず、市民からとりすぎた保険料を市民に還元する有効な手立てをとらないまま、第四期末の本年3月末時点での給付費準備基金残高は少なくとも7.1億円にのぼります。原因はこれまで各計画期間中の保険給付費の過大な見積りにあり、結果、基金が活用されずに残ってきたということです。これまでの実績と丁寧なニーズ調査をおこない、保険給付費を適切に推計し直し、もって保険料の抑制に努めるべきです。二つに、今回、市は給付費準備基金の内6億円を第五期保険料抑制のために活用すると言いますが、これまでの経緯からしても当然全額活用するべきであります。三つに、府財政安定化基金の活用があります。市がこれまで拠出した分は全額返還してもらうべきでありますし、府負担・国負担部分についても市が独自活用できるよう国・府に求めるべきであります。四つに、一般会計からの保険料抑制のための繰り入れにいよいよ踏み出すべき負担水準に至っていると言うことです。市はいったん繰り入れを行えば恒常化してしまうといいますが、せめて第五期限定でも再検討すべきであります。単年度で3300万円を繰り入れれば基準月額保険料で50円の引き下げが可能です。1年間で1億円努力すれば、150円の引き下げができるのです。
国は歓迎しないと言いますが、そもそも国の負担が25%ときわめて低く抑えられているから今の介護保険会計の苦境があるのです。市としても反対に国・府に対してさらなる財源措置を求めるべきです。
 反対の理由の第二は、市の提案する所得段階別保険料において、低所得者に対する配慮が十分とはいえないことです。市の提案では第四期に比べて第三段階に特例段階を新設して実質10段階としていますが、他の自治体では、12段階、13段階等、所得段階を上の方に伸ばしたり、細分化して料率をきめ細かく設定するなどして低所得段階の料率引き下げを図る自治体が多数存在します。茨木市もこうした努力をすべきであります。
 反対の理由の第三は、とくに特養をはじめとする介護基盤整備計画がニーズに見合った十分な設定となっていないことです。ミニ特養の整備は25、26年度に2カ所を計画していますが、本来第四期期間内に整備済みであったはずのものです。時期を早めて一刻も早く整備を進めるべきであり、茨木市の65歳以上の人口比での待機者数からみて北摂他市と比べて遅れた水準にあり、さらなる整備数増を図るべきです。
 反対の理由の第四は、保険料が大幅に引き上げられる中、低所得者に対する配慮がよりいっそう求められているにもかかわらず、保険料市独自減免拡充やサービス利用料市独自減免創設など市民の切実な声に応えようとしないからです。
 本市の保険料軽減制度は存在するものの、対象は、第3段階の所得階層に限られ、所得条件も先進北摂他市に比べて低位にあり、結果、適用者数も非常に少ないのが現状です。ホームヘルプ利用者の負担軽減、ホテルコスト等の一部助成、生活困窮者に対する総合的な減免など、サービス利用料の市独自の軽減策の拡充、創設を強く求めるものです。
 以上、4点の理由を述べ、反対する立場からの討論といたします。
 議員各位の賛同をよろしくお願い申しあげます。

[賛成討論]請願第1号「国民健康保険料と介護保険料の引き下げ等を求める請願」について
 日本共産党茨木市会議員団を代表いたしまして、「請願第1号、国民健康保険料と介護保険料の引き下げ等を求めることについて」は、願意もっともであり、採択すべきという立場からの討論を行います。 なお、本日現在、この請願は11620筆の署名が市に寄せられてると聞いております。
 以下、請願項目に沿って、採択すべきという理由を申し述べます。
 請願項目の第1である「税金の補てん額を増額して、国民健康保険料を引き下げられたい」についてでありますが、新年度国保料について、賦課限度額の引き上げこそ国で見送られはしたものの、茨木市の国保料率の所得割は8.58%から8.70%と引き上げられる試算値となっており、6月の本算定で23年中の国保加入者の所得動向次第ではさらなる引き上げとなる危険性があります。所得200万円の二人世帯で20年度と24年度を比べると16000円以上の値上げとなっています。
 こうした中、市民の世論もあり、新年度における保険料抑制のための法定外繰入額は、被保険者1人当たり1万3,500円を予定しており、昨年の23年度当初から小幅ながらも一定の前進はありました。結果、所得割率の中でも、医療費分については試算値ではありますが、引き下げの成果もえられました。そこで、国に対して国負担率の引き上げを求め続けることはもちろんのこと、茨木市としてもう一歩の努力をして支援金分の増をカバーする繰入額の増を検討すべきでありますし、茨木市にはその財政力はあります。党市議団は先の平成24年度一般会計予算案においても組み替え動議を提出し、予算の使い道を改め、国保への繰り出し増1億円を提案したところであります。
 請願項目国民健康保険料等の「他市に比べて遅れている保険料の減額・軽減措置を拡充されたい」ですが、国保料がこの5年間毎年上がり続け、負担増が市民の家計を痛めつける中で、今とくに所得に対する保険料負担率の高い低所得者に対する配慮も求められています。窓口3割一部負担金減免制度も適用例がきわめて低い実態も民生常任委員会の質疑でもあきらかになりました。実効性のある保険料や窓口負担の減免制度充実が必要であります。
 さらに請願項目の第3である、「払いたくても払えない保険料滞納者への保険証取り上げをやめられたい」についてでありますが、委員会の答弁によると、直近の時点での保険証取り上げ件数は1,382件であり、いまだに茨木市は命と健康を質にとった過酷な制裁措置を続けています。党市会議員団は、これまでも一貫して、資格証明書発行に頼らない滞納解消努力をと訴えてまいりました。資格証の取り上げを行っても総体的に滞納が減っていかないことは国のデータでも市の実態でも明らかです。問題の根源は負担能力の限界を超えた高すぎる保険料にあり、「払いたくても払えない」のです。払える資力があるのに故意に払わない悪質滞納であることの確認をとっていない茨木市の取り扱いは機械的な処理であるというのが国の通知等からでも明らかであり、国の方針とも違うやり方はただちに中止するべきであります。
 請願項目の第4である、「市町村による国保制度運営を堅持されたい」についてでありますが、国自身が自らの財政負担を増やす展望のないまま国保行政を都道府県単位で広域化すれば一般会計からの繰り入れができなくなることで国保料の更なる高騰は明らかです。茨木市でも加入者一人あたり13500円の国保料抑制の努力をしています。繰り入れができなくなれば、4人家族なら、市単独だけみても年間54000円の保険料負担が増大することになり、府内統一料金となればこれ以上に保険料が膨れあがることは避けられません。大阪府下でも救急医療体制をはじめ医療の提供状況は各自治体まちまちです。加入世帯、医療体制、一般会計からの繰り入れなどそうしたさまざまな状況が組み合わさっての各市の国保料となっています。これを乱暴に統一料金化することは国保財政を立て直すどころかかえって財政難や不公平とさらなる矛盾を生み出すことでしょう。
次に、介護制度に関する請願項目にかかわる第一から第三についてでありますが、日本共産党による介護保険条例改正と特別会計予算の反対討論で述べたとおりであり、願意もっともであります。
最後に後期高齢者医療制度について「国保制度の中で高齢者年齢区分する改悪案の撤回を求められたい」についてでありますが、改悪案は国民から批判を浴びた後期高齢者医療制度の問題点を解消することなく、高齢者人口の割合がふえ、医療費がふえるにつれて保険料を値上げする制度設計はそのままです。これでは、現行の後期高齢者医療制度と全く変わりがありません。すべての世代の負担ばかりを増やし続け国の負担だけが大幅に抑えられることになるような改悪案はただちに撤回すべきです。新制度によるごまかしはやめ、民主党政権に公約どおりに後期高齢者医療制度を廃止するように求めるべきであります。
 以上、各請願項目について、賛成する理由を申し述べました。いずれの項目も願意もっともであり、多少の見解の相違があっても、請願者の願意を尊重すべきであると申し添えまして、本請願の賛成討論とするものであります。
 議員各位のご賛同をよろしくお願い申しあげます。