2012年度日本共産党代表質問 2012年06月13日 質問者:畑中剛

 日本共産党茨木市会議員団を代表して、2012年度(平成24年度)の市長の施政方針と予算編成の内容について、大きく九点にわたって質問いたします。
 大きな1点目として、維新の政治とマニフェスト執行についての市長の基本的認識と「茨木の再生」に向けての日本共産党の5つの提案についての市長の見解を求めます。
一つ目に、維新の政治とマニフェスト執行についての市長の基本的認識についてお尋ねします。
4月の市長選挙を通じて、茨木にも「維新の市政」が出現しました。広報いばらき5月号「市長就任のあいさつ」では「私のマニフェスト」として、新市長が6項目の改革方針を明らかにしています。さらにその具体的内容はマニフェスト一覧表として119項目を明らかにし、優先順位付けを行う検討体制も明示しています。しかしこの119項目の内容は茨木市と市民に重大な影響があるものが多数含まれています。したがって「改革」の方向とその具体化に当たっては市長選挙結果(得票率42%)も踏まえて、「スピード感のある改革」と称する独断と独善に走ることなく、市民、議会、職員の意思疎通を十分図るよう特に強く求めるものです。市長の認識と見解を求めます。
茨木でのいわゆる「オール与党市政」の終焉は、現役正規勤労者の減少、企業の流出、地価の下落等の影響による市税収入の減により、従来の彩都や安威川ダムだけでなく、立命館進出、JR新駅など新たな大規模プロジェクトを推進するための財源と体制をつくるためには、従来型のオール与党市政では間尺に合わず、一層の市民犠牲をすすめる強権的な「維新の市政」の出現が必要との判断の下での交代劇と推察できます。さらに新市長は、それらの効果や課題を検証し、10月上旬を目途に改革の具体策と工程表を決定するとしています。中には小学校卒業までのこども医療費無料化検討、コミュニティーバス運行、救急医療体制整備など市民の願いもが含まれていますが、全体としては30項目を超える法律無視、市民犠牲、大型プロジェクト推進の「改革」が中心です。日本共産党は、競争と淘汰で格差を拡大する新市長の法律無視、市民犠牲、大型プロジェクト推進部分の「維新改革案」の撤回を求めるとともに、財政を破たんさせ市政に混乱と衰退を持ち込む改革案強行に、市民的監視が必要であると主張しています。市長の見解を求めます。
■マニフェストを実行するにあたっての市民、議会、職員の意思疎通及び市民的監視について
 マニフェストの具体策及び工程表等の作成にあたっては、課長代理級・係長級職員によるプロジェクトチームにより、事業効果や課題等を十分に検証し、素案を作成いたします。
 その後、客観性と透明性を高めるため、市民や学識経験者による外部委員の意見も取り入れながら、素案を修正し、市民の皆さまから広く意見をいただくため、パブリックコメントを実施した上で、政策推進会議に諮り、決定してまいります。
 さらに、事業の実施に当たり、具体的に予算化や条例化が必要な事業につきましては、議会に順次、提案してまいります。


とくに「維新流改革」の中心は「公務員改革」と「教育改革」です。維新の政治は、公務員に対するバッシングの世論を背景に、公務員の待遇と処遇を根本から破壊しようとしています。「職員の分限処分による大幅削減」「正規職員の給与を民間並みに」「総人件費を1割削減」「職員給与を最大2割削減」「市民サービスの全面民営化・民間委託化」「全公共施設を民間委託化検討」「市民サービスの北摂市広域化」「すべての補助金をゼロから見直し」。これらの人事・組織・行財政の「公務員改革」は内需の後退など地域経済にもマイナスの影響を与え、さらに民間の雇用や給与にも計り知れない影響を与えるのは必至です。市長の見解を求めます。
■公務員改革について
 厳しい財政状況が続く中、市民サービス向上のための施策を進めていくには、積極的に行財政改革を推進し、効率的・効果的な行財政運営を図っていく必要があると考えております。
 マニフェストにおいて様々な改革を掲げておりますが、具体策及び行程等を検討する中で、事業効果や課題等を十分検証してまいります。


二つ目に日本共産党は新市長の「維新改革案」に対置して、茨木を元気にし、茨木を再生する方策として、五つの改革案を提案しています。
茨木市の税収は現役正規勤労者の減少と企業の市外流出等で減収(3年間で約30億円)となり、市民一人当たりの市の(基礎的)収入額は北摂7市で最低になってしまいました。今、茨木の活力を取りもどすために、
一つに、子どもと市民が主役の教育環境整備のための「教育改革」です。教育予算を復元し、学校・園教育をはじめ社会教育、文化、スポーツの振興と充実を最優先にすすめるべきです。
二つに、「地域経済振興と雇用確保」のための改革です。事業所の一方的な流出を許さず、地域経済を支え、雇用の確保と創出を目指す「地域経済等振興まちづくり条例」の制定、市内業者育成のための「分譲マンション大規模改修や個人住宅リフォーム助成条例」の制定、適正賃金等公正な労働基準を確保するための「公契約ダンピング防止条例」の制定に取り組むべきです。マニフェストに言う委託料の大幅な削減は現場労働者の賃金切り下げなどにつながりかねず慎重を期するべきです
三つに、市民が主役の「市役所改革」です。市民の立場で大規模プロジェクトや市役所経費の総点検と見直しを行い、地域経済振興、教育環境整備、JR・阪急駅前整備を進めるために「施策の点検と見直しにおける市民参画推進条例」の制定を提案します。
四つに、格差を是正する「暮らし・福祉・医療改革」で暮らし・福祉・医療の施策を守り、さらに充実を進めることです。
五つに、住民の声が生きる「住民主権改革」をすすめるために、市民意見公募(パブリックコメント)の大幅な拡充と活用、住民投票制度を創設し市民の声を市政に生かすとともに、国・府の悪政にもストップをかけていくことです。それぞれについて市長の見解をお聞かせください。
■茨木を再生する5つの改革の提案について
 改革の項目そのものは、茨木を元気にするものと考えますが、改革の内容や手法については、異にするところであります。
 マニフェストを十分検証の上、実施し、また、6つの基本政策に基づく施策を推進することで、夢があふれるまち「いばらき」につながるものと考えております。


大きな2点目として、国の政治にかかわる問題について3項目、市長の見解と認識についてお尋ねいたします。
一つ目に、暮らし、経済、地方行財政に大きな影響を与える「社会保障と税の一体改革」即ち消費税の大増税についてお尋ねいたします。
野田首相は消費税増税法案を今国会中に採決するため、自民党、公明党との「修正」協議をすすめようとしています。衆院の特別委員会での日本共産党の質問に、野田首相ら政府側はまともな答弁もできない状態です。消費税増税と社会保障改悪の法案は徹底審議の上で廃案にするしかありません。市長の見解を求めます。野田首相は、消費税大増税について、「どの政権でも避けて通れない」というだけで、「なぜ大増税か、なぜ消費税か」について、まともな説明はいっさいできません。日本共産党はいますすめられている消費税大増税計画には三つの大問題があると指摘しています。第一に、ムダづかいを続けたままの大増税だということです。第二は、社会保障切り捨てと一体の大増税だということです。第三は、日本経済をどん底に突き落とし、財政破たんも一層ひどくするということです。日本共産党は、所得の少ない人に重くのしかかる最悪の不公平税制――消費税の大増税計画に断固として反対を貫いています。また、単に反対するだけでなく、消費税に頼らずに、社会保障を再生・拡充し、財政危機を打開するために、「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」を発表しています。日本共産党は財源の考え方について、富裕層・大企業優遇から税と社会保障の根本原則である「負担能力に応じた負担」に切り替えるべきと提案しています。社会保障でも財政危機でも、「財源」といえばもっぱら消費税――これが財界の主張であり、民主党政権も財界言いなりにこうした政策をすすめています。消費税増税を押しつける一方で、富裕層や大企業への減税も繰り返してきました。こうした政治では、いつまでたってもまともな社会保障をきづくこともできませんし、財政危機は深刻化するばかりです。こうした姿勢を転換し、近代社会が確立してきた「応能負担」――「負担能力に応じた負担」という税の大原則に立ってこそ、社会保障再生・拡充と財政危機打開の大きな展望が開けてきます。 すなわち、必要な財源は、大型開発や軍事費をはじめ税金のムダづかいの一掃と、富裕層・大企業優遇の不公平税制を見直すとともに、新たに「富裕税」「為替投機課税」「環境税」などを導入することでまかないます。さらに社会保障再生・充実のための財源として、国民全体で、その力に応じて支える必要があります。もちろん、その場合も、所得の少ない人に重くのしかかる消費税に頼る道はとりません。財源は、「応能負担」の原則――負担能力に応じた負担の原則にもとづき、累進課税を強化する所得税の税制改革によってまかないます。
こうした社会保障の再生・拡充と同時並行で、国民の所得を増やし、経済を内需主導で安定した成長の軌道に乗せる民主的経済改革をおこなうべきであると提案しています。これらについて市長の見解を求めます。
■消費税増税の見解について
 増大する社会保障の安定的な財源の確保の観点から、国会において議論されているところでありますが、社会保障制度の財源については、地方自治体の役割と経費負担に見合った移譲が、国からなされるよう、その動向に注視してまいります。


 第二に、大飯原発の再稼働について。お尋ねいたします。
大飯原発は市民の水源・琵琶湖から30`圏、茨木市も100`圏に位置しています。野田首相が大飯原発の再稼働宣言を強行しました。東京電力福島原発事故の原因究明が尽くされたわけでも、安全対策や万一の場合の避難計画などが前進したわけでもありません。新たな規制機関もできていません。前提条件も整わないのに決断するのはただの暴走です。政府や橋下市長らは、大飯原発を「限定的」でも再稼働させなければ電力供給に不安が出ると言いますが、本来原発の安全性と電力問題はてんびんにかけるものではありません。また再稼働が「限定的」ですむ保証はどこにもありません。安定供給をいうなら、一日も早く原発からの撤退を決断し自然エネルギーへの転換や省エネルギーに力を尽くすことこそ重要です。見解を求めます。
■大飯原発の再稼働について
 原子力発電所の再稼働については、原発の安全性、エネルギー問題について、種々議論されているところでありますが、最終的に国において判断されることでありますので、一自治体の長としての見解は控えさせていただきます。

第三に、国の子育て施策にかかわって、市長の認識と見解をお尋ねいたします。
 第一に、新保育システムは「市町村が保育のニーズを把握する」といいますが、政府がしっかりと待機児童数を把握し、解決に必要な認可保育所をつくって対処していくべきであると考えます。第二は、今でも詰め込みなのに、基準を自治体の条例にゆだね引き下げることは断じて認められません。第三に、直接契約や保育必要度認定など保育が介護保険のような制度になることです。第四は、保育の市場化です。第五は、総合こども園は、保育所ともに積み上げてきた歴史と経験を尊重し、専門的、国際的な知見も踏まえて検討するべきです。拙速な「幼保一体化」は禍根を残しかねません。それぞれ市長の見解を求めます。
■国の子育て施策について
 現在、「子ども・子育て新システム」の関連法案が審議されていますが、本市といたしましては、その動向を注視し、適切に対応してまいります。


大きな三点目として、橋下氏の進める教育に競争と淘汰を導入する改革について、市長の見解と見識について、お尋ねいたします。
第一に、徹底した競争原理を導入した「教育基本条例」、「君が代」の強制や口元調査、教員不足で授業に穴があく異常事態。「教育日本一」を掲げてきた橋下徹大阪市長と「大阪維新の会」のもとで、大阪の教育は今どうなっているのか、お尋ねします。
■大阪の教育改革の現状について
教育改革は、子どもたちがよりよく成長できるために行うものと考えており、その一つとして、高校改革につきましては府からの情報提供に努め、子どもたちがよりよい進路選択できるよう支援してまいります。

一つ目に、橋下氏の「教育改革」の方向の一つは、学校を競争の場にする競争主義・選別主義の持ち込みです。その象徴といえるのが3月府議会で可決された「府立学校条例」です。3年連続定員割れの府立高校を「再編整備の対象とする」と明記しました。橋下流の高校つぶしは、私立高校の授業料無償化でも貫かれています。公立・私立間に市場主義的な生き残り競争のシステムがつくられ、選択の自由と競争・自己責任を原則とする新自由主義の政策によって大阪の高校全体を縮小しようとするものです。
二つ目に、橋下流教育改革は、小中学校にも、学校選択制と学力テスト結果の学校別公表で、「競争」を持ち込もうとしています。08年に市町村別に学力テストの結果公表を迫ったのに続いて、今度は学校別公表まで狙っています。同時に、学校選択制の導入を方針にしています。
三つ目に、橋下流「教育改革」のもう一つの方向は、政治による教育への支配と統制を強めることです。
四つ目に、橋下の府政時代での教育費の動きを決算ベースでみると、08年2月就任時の約7406億円(07年度)から10年度の約6464億円へと約942億円も減らされています。それぞれについて市長の認識と見解を求めます。
■いわゆる橋下流教育改革について
 種々議論されておりますが、茨木市の実態もふくめ、幅広い観点から、今後検討する必要があると考えます。
 また、教育は、日本国憲法、教育基本法他、教育関連法令に基づいて、子どもたちの成長を願い行われるものと考えております。
■府の教育費削減について
 府全体の財政健全化のために見直しを行い、決定された結果であると認識しております。


 新市長のマニフェスト一覧表の中でも「教育行政に市長が介入」「校長の公募と権限強化」「市長に教科書選択権委譲」「学力テスト結果を学校別。クラス別に公表」「小中一貫校の推進」「小学校区の隣接選択制」「中学校区のブロック選択制」「土曜日・放課後授業実施の選択制導入」「国歌国旗の押しつけ強化」を掲げていますが、まさに橋下流教育改革の引き写しです。見解を求めます。
■マニフェストについて
 現在「行政経営政策推進部会マニフェスト推進検討プロジェクトチーム」において、すぐに実現できるもの、すでに実施されているもの、実施には長期間の議論が必要なものなど、検討をすすめているところであります。


日本共産党は、「教育基本条例」「職員基本条例」の撤廃ともに、茨木市の教育をよくするための提案を行っています。
 一つ目は、「2条例」の茨木への持ち込みや具体化は止めるとともに、「教育施策実施条例」制定し、教育条件整備を進めること。また、長による教育内容への介入は行わないということです。茨木市の教育予算もこの間99億円から77億円へと22億円も後退してきました。今こそ後退した教育予算を復元し、子どもたちの立場に立った教育環境の充実で改革を進めていくべきです。具体的には、早期に学校耐震化100%を達成すること、市独自でも少人数学級推進に取り組むこと、就学援助制度の改善で保護者の負担軽減に取り組むこと、ランチデリバリーではなく全中学生対象の市直営の完全給食に取り組むことなどです。それぞれについて市長の見解を求めます。
 二つ目は、すべての子どもに学力を保障することです。授業をする先生が長期に配置できないという異常事態を緊急に是正し、正規教員を増やすよう府に求めるべきです。授業についていけない子を丁寧にみる教員を手厚く配置するとともに、小中学校の35人学級も早急に実施すべきです。見解を求めます。
 三つ目は、教育委員会制度の改革です。教育委員は公募で選び、子ども・教育関係者で構成する教育会議も設置すべきです。それぞれについて市長の見解を求めます。
■教育施策実施条例の制定について
 現状の中で充分適切に運営しておりますので、条例を制定する考えは持っておりません。
 教育予算の減には、南地区体育館建設や小中学校のエアコン設置など事業が完了したことによるものであり、教育予算については適切に措置しております。
 学校耐震化については、国庫補助金を活用しながら、早期に学校耐震化率100%達成に向けて取り組んでいるところであります。
 少人数学級編成については、現時点では、市独自での編成は考えておりませんが、定数引き下げについては、引き続き国・府に要望してまいります。
 就学援助については、真に困窮する保護者に対して援助ができる制度として適切に運用しております。
 中学校給食については、その実施に向け実施形態や内容等について具体的に検討してまいります。
■正規教員の配置について
 年度途中の欠員につきましては、可能な限り迅速に代替講師の補充に努めております。正規教員の配置につきましては、適切に措置されますよう、引き続き国・府に要望してまいります。
 35人学級につきましては、現在小学校1・2年生で実施しております。
 他学年における定数引き下げについては、国・府に対して引き続き要望してまいります。
■教育委員の公募について
 教育委員会委員は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条等で定められておりますが、その人選の手法の一つとして、今後、公募を取り入れることの可否については、研究してまいります。
■こども・教育関係者の教育会議設置について
 現行組織においても適切に運用しておりますので、設置する考えはございません。

 大きな四点目として、市政に係わる問題として大規模プロジェクトについての市長の見解と認識についてお尋ねいたします。
茨木市では大規模プロジェクト(立命館大学茨木移転協力費80億円、JR総持寺新駅建設費負担20億円、彩都中部開発道路整備費10億円など)の財源問題(総額100億円超)が市政の大きな争点です。
日本共産党はこうした市の財政負担を最小限にするとともに、その財源は積立金の取り崩し、起債の適切な発行、国補助金の確保などで市民へのしわ寄せを最大限減らすことを主張してきました。ところが、今回の「維新改革マニフェスト」における大規模プロジェクトの内容と規模はこれまでをはるかに超えています。今、示されている「維新改革マニフェスト検討項目」の数々は、これらの大規模プロジェクト推進の財源づくりのためである事が容易に理解できます。見解を求めます。
■マニフェストの実現により生み出される財源について
 安全で安心な市民生活の確保と時代に対応した市民サービスの実施、また将来のまちの活性化を図る事業へ、適切に活用してまいりたいと考えております。


立命館大学茨木移転計画に対する市の支援施策具体化と共同事業実施にあたっては、市と大学の常設協議機関を設立し、徹底的な情報公開の下で広く市民の意見を募り、市民的合意形成が得られる形で協議を進め、市の負担額と市民への影響額を最小限にとどめるとともに、ホールなど大学と市民の共同利用施設の運営については、市民が期待する利用が確保できるよう市と大学共同の管理組織設立を検討するべきですが、市長の見解をお聞かせください。また、市民開放施設の建設費は国・市・立命館が1/3ずつの負担になるとしていますが、現在のところ総建設費の見込みを市としてどのように認識しているのか、答弁を求めます。
■市と立命館大学の常設協議機関設置と管理組織設立について
 現時点でその内容や進め方についての検討・協議は進めておりませんが、今後、計画の具体化に伴い、より密接な協議調整が必要になると考えております。
■市民開放施設の市の負担について
 市民開放施設の具体的な内容や規模は、現時点では決まっておりませんが、国の交付金の活用を図り、出来る限り市の負担を軽減してまいります。


JR総持寺新駅建設については、市の負担額をいっそう抑えられるようJR西日本はじめ関係各機関と再協議をするべきです。また、駅前周辺地域の用途変更については周辺環境への影響を抑制するため準商業地域ではなく住居系地域に改めるべきです。さらに駅周辺地域開発については、開発業者がいっそうの利潤を得られることですから、開発業者によりいっそうの負担を求めていくとともに、市民参加による街づくり協議機関を設置し、周辺住民にとって利便性向上に資する計画づくりを進めていくことが望ましいと考えますが、見解を求めます。
■(仮称)JR総持寺駅設置と市民参加について
 用途地域につきましては、住居系地域へ変更する考えはございません。
 負担割合につきましては、平成23年7月29日に本市・JR西日本・デベロッパー間で締結いたしました基本協定書等で定めております。
 また、市民参加によるまちづくり協議機関を設置する考えはございませんが、市民の利便性の向上に可能な限り努めてまいりたいと考えております。


安威川の治水対策については、ダム本体工事着工の延期を府に求めるとともに、近年の自然災害や東南海地震に備えるために、安威川本川・支川を含む流域全体の洪水防止能力強化のため、ハイブリッド堤防など本川の堤防強化と支川の改修および堤防強化で対応するべきです。こうした治水方法への転換は、地元の中小業者の仕事と雇用を直接増やす効果も大いに期待できるものであり、茨木市の経済活性化のためにも決断すべきです。見解を求めます。
■安威川の治水対策の手法について
 移転戸数や用地買収の少ない河川改修とダムの建設を併せて行うことにより、最も早期に治水効果を発揮できることや、事業経費面などを総合的に判断して、大阪府において決定されてものであります。
 本市においても同様の認識を持ち、今後とも大阪府とともに、河川改修とダム建設による治水を推進していく所存であります。


彩都開発については、「閣議決定」に基づき来年度中−2013年度中に工事を完了するために、中部地区(開発総面積63ヘクタール)は「開発リスクは都市機構が負う」(日経新聞)として、強引に開発を強行しています。そこで都市計画、事業計画、造成計画を見直し、今後確定画地における立地企業と契約締結し本格造成工事に着手しています。ところが立地企業と用地分譲契約は結びましたが、物流倉庫建設を目的としたもので、株式会社万代の場合は、その価格は一平方メートルあたり6.1万円です。機構は土地区画整理事業の中部地区造成工事費160億円を保留地処分でまかなおうとしていますが、これでは採算割れは必至です。まさになりふり構わない開発姿勢です。いよいよ来年度で彩都関連の道路整備を含む関連公共施設整備の国補助制度も終了します。その後の茨木市事業主体の山麓線整備についての認識と見解を求めます。さらに国文会社廃止についての見解を求めます。
■彩都開発について
 山麓線につきましては、本市山麓部を東西に連絡する重要な路線であり、平成26年度以降も社会資本整備総合交付金を活用して整備を進めていく考えでございます。
 国文会社のあり方につきましては、事業の継承や整理などについて、関係者と協議調整を進めていきたいとの会社の方針が示されております。


これらに加え、阪急茨木駅前府営住宅跡地を含めた再開発の促進、立命館進出に伴う施設の肥大化、JR新駅北側ロータリー開発と阪急総持寺駅前の一体化、新名神高速道路茨木北インターへのアクセス道路と周辺整備、彩都中部地域開発道路整備、安威川ダム周辺観光緑地公園整備と、市民会館建て替え計画と新市長のそうそうたる大規模プロジェクトメニューが並んでいますが、これらが市長の言うところの「夢があふれるまち茨木」でしょうか?これらの実現のためには天文学的な額の財源が必要になると思われますが、市長はその財源をどのような方策で確保していこうとしているのかお聞かせください。これまでの市政よりいっそう市民犠牲と市民負担を強いて市民いじめの上に依って立とうとしているのではないですか。市長の見解を求めます。
■大規模プロジェクトにかかる財源について
 マニフェスト等で掲げている大規模プロジェクト事業の実施につきましては、費用と効果の検証を行い、優先順位付けや、民間ノウハウ等の活用んいよる実施方法の検討を行うなど、事業にの精査に努めるとともに、国庫補助金と市債や基金を適切に活用し財源の確保に努めてまいります。

大規模プロジェクトの財源作りを目的とするこれまでの財政運営方針は抜本的に改めるべきです。年度末の黒字圧縮のための当初予定のなかった財政調整基金の取り崩し減額や積み増し、駆け込みでの道路用地買収や適正な事業債発行まで抑制する等の財政操作は中止し、市民犠牲によって生まれた黒字は暮らし、福祉、教育予算に振り分ける積極的な財政運営に転換することが茨木市の再生につながるものです。市長の見解を求めます。
■年度末に用地取得と基金積立て、市債の発行抑制を行う財政運営の転換について
 年度途中に生じた財源につきましては、後年度の財政負担を考慮のうえ、有効に活用することが重要であり、今後とも、基金の積立てや市債発行の抑制、土地開発公社保有資産の買い戻しなどを適切に行い、将来にわたる財政の健全性の確保を基本にした財政運営に努めてまいりたいと考えております。


つづいて、以下、具体的に個別の分野にわたって、市長の認識と見解をお尋ねいたします。
大きな五点目として、暮らし・福祉・医療の充実を最優先する市政を望む立場からお尋ねいたします。
一点目に、前市政の下で市民の暮らしにかかわる施策について大幅な削減を強行しました。「個人給付の見直し」と「受益者負担の適正化」を理由として強行した、暮らし・福祉分野の扶助費、補助費等カットを復元するとともに、「公共施設駐車場の有料化」、「公共施設減免制度の3割5割減免廃止」「下水道料金の引き上げ」をはじめとする市民負担増は撤回・中止すべきであると考えます。市長の見解を求めます。
■個人給付の見直しと受益者負担の適正化の撤回・中止について
 個人給付の見直しにつきましては、各制度について、他市の実施状況等を勘案のうえ、セーフティネットに配慮しつつ適切に見直しを行われたものであり、受益者負担の適正化につきましても、利用と負担の原則に基づき、税負担の公平性の確保の観点に立ち、十分に検討を重ねたうえで実施されたものであると認識しておりますので、撤回する考えはございません。


二点目に、医療体制と検診制度の充実を望む立場からお尋ねいたします。小児救急を含め市内一次、二次救急の体制強化に医師会とも手厚く協力して思い切って力を入れるべきです。不足科目医師の確保のため、市独自ででも民間医療機関助成予算の整備拡充を進めてはどうでしょうか。三島圏域小児救急施設の茨木市への誘致について、その協議状況についてお聞かせください。また、三次救急医療体制強化のため府の財政的支援を復活するよう求めてはどうかと考えますが、それぞれについて市長の見解を求めます。
■三島圏域小児救急施設の本市への誘致について
 三島圏域での小児救急施設につきましては、広域的な取組になると考えますので、関係市町などと連携を図りながら、適切に取り組んでまいります。
■三次救急医療機関の府補助金の復活について
 千里救命救急センターへの府補助金が、当初の覚書(*)に基づき、平成22年度を持って終了したと聞いておりますが、三島救命救急センターについては、従前どおり府からの財政支援が継続されております。
 千里救命救急センターの補助金は、覚書に基づくものであり、市として補助金の復活を要請することは考えておりません。
<参考>千里救命救急センターは平成18年に大阪府から恩賜財団済生会に移管され、覚書に基づき、平成22年度までの5年間は3.5億円の府からの補助が継続されていたもの。


各種健康診査については、有料項目については積極的に無料化をすすめることが受診率の向上につながるものと考えます。この際、長期視点で医療費抑制を図るためにも、とくに低所得者を中心として、各種健康診査や予防接種の自己負担軽減化に努力するべきであると考えます、また簡易人間ドックへの助成を復活してはどうでしょうか。市長の見解を求めます。
■各種健康診査や予防接種の自己負担軽減化について
 受益者負担の観点から、生活保護受給者などを除いて、一定のご負担をしていただいているところであります。
 本市では、市民の健康づくりのため、各種検診機会の拡充に努めており、簡易人間ドックへの助成制度は、必要ないと考えております。


三点目に、国民健康保険事業についてお尋ねいたします。
この6月1日に24年度国保料本算定結果が示され、所得割率は昨年と比べて0.03%下がり、過半数の国保加入世帯でほんのわずかながら保険料は下がる状況となりました。しかし、4年前の所得割7.85%からは年々増高基調で、それとは裏腹に加入者の総所得は下がり続けており、一般加入者世帯あたりの所得は5年で140万円から115万円となりました。高すぎる保険料負担に市民はあえいでいます。茨木市のせっかくの黒字財源を活用し、いっそうの一般会計法定外繰入れの増額で市民の負担を軽減するべきです。低所得者に対する保険料減免制度や窓口負担減免制度の整備ともあわせ、資格証発行の停止に転換することは、市民の健康を維持するために必ず効果がえられるでしょう。また、受診控えを減らし、重症化を回避し、医療費抑制につながるものであると考えます。あわせて国に対し国保行政の広域化は強行しないよう反対の声を上げるべきです。それぞれ市長の見解を求めます。
■一般会計法定外繰入れの増額について
 国保会計の収入は、原則、保険料と法定の公費負担で賄われるべきものでありますが、本市においては、例年、国保財源の健全化・安定化のため、保険料負担の軽減を図ることを目的に、当初予算編成の段階から多額の法定外繰入れを行っております。
■保険料減免、一部負担金減免及び資格証の交付について
 保険料減免、一部負担金減免は、法令に基づき要綱を定め適切に実施しているところであり、その改正は考えておりません。また、資格証の交付は、法令により義務付けられているものであり、国保制度への理解と被保険者間の公平性確保に資するものと考えており、今後も適切に対応してまいります。
■国保行政の広域化について
 国においては、国保の構造問題と財政基盤強化に対し、国と地方団体とで引き続き協議していくこととされており、現時点では不透明でありますので、今後の動向を注視し、適切に対応してまいります。


四点目に、介護保険事業についてお尋ねいたします。
第五期介護保険事業計画についてはとくに特養をはじめとする介護基盤施設サービス整備目標を前倒しで実施するとともに、計画目標の引き上げにむけて見直すべきであると考えますが、市長の見解を求めます。
■介護基盤施設サービス整備目標の前倒しの実施及び計画目標の見直しについて
 本年3月に策定した第5期介護保険事業計画に基づき、推進してまいりますので、目標の前倒しや見直しは予定しておりません。


五点目に、高齢者施策充実についてお尋ねいたします。
老朽化を理由にした老人福祉センターの実質廃止と「街かどデイハウス」への置き換え、これにつながるようなサービス有料化やサービス後退、委託化などは行わず、公の責任で地域に根ざした高齢者施設として法に則した意義を再認識し、高齢者のニーズに対応できるようサービス拡充に努めていくとともに、老朽化施設は計画的に改修できるようしっかりと見通しを立てていくべきです。市長の見解を求めます。
■老人福祉センターについて
 経年劣化による維持管理費の増加、使用対象者のニーズ、社会経済状況、費用対効果などから、総合的に、そのあり方について判断してまいります。

次に、高齢者の外出を支援し、もって市内のヒト、モノ、カネの流れを活性化させるとともに、引きこもりを防いで医療費や介護費の抑制を図る効果も期待できる、高齢者に対する私鉄バス運賃一部助成制度を創設するべきであると考えますが、市長の見解を求めます。
■高齢者に対するバス運賃の一部助成制度の創設について
 要介護認定を受けている住宅の高齢者を対象に、タクシー運賃の助成を実施し、適切な措置を講じておりますので、バス運賃の助成制度を創設する考えはありません。


次に、「街かどデイハウス」については、市としてどのようにとらえており、今後どのように事業をすすめていく方針にあるのかお聞かせください。個々のデイハウス運営者の方々は、府が次々と支援を細らせていく中で、市までもがデイハウスを見捨てるのではないかと大いに心配しておられます。街かどデイハウスの役割をきっちりと評価し、府が後退させた部分を補うために、交付金枠増額を府に求めることはもちろん、市独自でも補助金枠と介護予防事業枠どちらについても財政支援を整備していくべきです。市長の見解を求めます。
■街かどデイハウス事業に対する市の対応について
 今回、高齢者の健康の維持・増進が図ることが出来るよう、口腔ケアの実施回数の拡充を行い、介護予防事業の実施費用も増額を行ったところであり、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。
 なお、この事業の実施財源である大阪府交付金の増額については、引き続き要望してまいります。

六点目に、子育て支援施策充実について何点かおたずねいたします。
子どもの医療費助成制度の対象年齢引き上げについて、計画的に中学校卒業まで拡充していくべきであると考えますが、多子世帯に対する所得制限緩和について、市長の見解を求めます。
■子どもの医療費助成制度の対象年齢引き上げについて
 現在、マニフェスト推進検討プロジェクトチームにおいて、拡充することの効果や経費負担等について検討中であります。
 なお、所得限度額の算定に当たり、子どもの扶養人数等が反映されていることから、多子世帯の所得制限の緩和は考えておりません。


次に、公立保育所については、国による公的保育の責任後退が進められようとする中、茨木市として、これ以上の公立保育所民営化計画の立案は放棄し、公的保育堅持の立場に転換すべきです。市長の見解をお聞かせください。さらに待機児童の解消は民間任せにせず公立保育所の建設で対応すること。既存の公立保育所の施設・設備改修を積極的に進めること。民間保育園および家庭保育に対しては、障害児保育や対数担任増をはじめ各種保育サービス拡充、職員給与水準改善、施設改修支援のための補助金制度改善を引き続きすすめていくことについて、それぞれ市長の見解を求めます。
■公立保育所民営化計画について
 これまでの民営化の評価結果を踏まえ、外部検討委員会及び庁内検討委員会が合同で、慎重に審議し、基本方針の改定案を取りまとめておりますので、これを基に進めてまいります。
■公立保育所の建設と施設・設備の改修について
 これまでから、民間活力を活用した保育所整備を進めており、公立保育所の新設を行う考えはございません。
 なお、施設・設備の改修につきましては、良好な保育環境を維持するために、適切に対応しております。
■民間保育園等に対する補助金制度の改善について
 これまでから市単独補助も実施し、保育内容の充実に努めているところであり、今後も適切な補助制度を目指してまいります。


七点目に、生活保護制度の運用についてお尋ねいたします。
保護基準の引き下げ、期限付き保護、長期生活支援資金、医療費有料化など現行生活保護制度の改悪は止めるよう国に要望するべきです。扶養義務の行き過ぎた強要や受給認定の間違った厳格化は、北九州市での餓死事件などの悲惨な結果につながりかねません。厚労省は「不正受給」がまん延しているかのようあおっていますが、同省調べで09年度で「不正」とされた額は約102億円で生活保護費の0・33%です。生活保護費の99%が適正に運用されているということです。一部の悪質ケースを受給者全体の「不正」であるかのように印象づけるやり方は不当です。見解を求めます。また法や通達に準拠した移送費や更新料や火災保険など住宅扶助の適正な運用を求めます。見解を求めます。
■生活保護の不正受給について
 一部であっても制度を悪用する行為は排除されるべきものであり、適正実施に努めてまいります。
■住宅扶助の適正な運用について
 生活保護制度の需給が決定した対象者の住宅扶助費について、国の定める基準に基づき、個々のケースに応じて適正に実施しております。


八点目に、障害者施策の充実についておたずねいたします。
親亡き後の障害者の居場所づくり・生活の場の確保のために市として支援策を引き続き強化することについて、障害者のヘルパー利用を入院時にも利用できるよう市独自制度拡充をすることについて、成年後見制度費用助成制度を利用しやすいよう制度改善と周知に取り組むとともに、後見人人材発掘・育成のために啓発・講座等の市独自支援策を強化することについて、それぞれ市長の見解を求めます。
■親亡き後の障害者の居場所づくり・生活の場の確保のための支援策について
 本年4月から、受け入れが困難な重度重複障害者の生活を支援するため、「生活介護」並びに「ケアホーム」を実施する事業者に対し、あらたに助成を実施しており、重度の障害があっても住み慣れた地域で生活できる場の確保を図っております。
■障害者のヘルパー利用を入院時にも利用できる市独自制度について
 入院中の患者に対する看護や世話は、医療法で医療機関の看護師等が行うこととなっており、身体介護等を行うホームヘルパーの派遣は困難であると考えております。
 今後、医療従事者とのコミュニケーション図る事業について、研究してまいります。
■成年後見制度費用助成制度について
 成年後見審判の申し立てを行う際、本年7月から成年後見制度の利用促進を図るため、新たに4親等以内の親族についても助成対象を広げ、その周知に努めてまいります。
 また、本年10月から障害者虐待防止法が施行されますので、虐待防止に対する啓発とあわせて障害者の権利擁護の観点から成年後見人制度についての啓発・講演会等の開催に取り組んでまいります。


大きな六点目として、むだや浪費にメスを入れて、市民負担増とサービス低下をやめ、開かれた住民参加の行政を進める立場からいくつかおたずねいたします。
一点目に、解同優遇施策の廃止についておたずねいたします。
人権施設の継続、人権センターへの事業委託と補助金支出、施設の部落解放同盟(解同)の独占的使用や解同系NPO法人への優遇策、人権研修や行事への職員参加、人事配置の停滞など「人権行政」の名の下に進められている「解同」優遇行政は中止すること。そのための第三者参加による全般的検討機関を設置すること。それぞれについて市長の見解を求めます。
■「解同」優遇行政の廃止について
 特定の団体を優遇するために、人権施設の運営や人権センターへの補助金を支出してはおりません。また、施設利用につきましても、条例・規則に基づいて適正に処理をしております。
 次に、人権研修等への参加につきましては、職員が人権問題を正しく理解するという認識のもとで内容や必要性を検討の上、参加しており、人事配置につきましても適正に行っております。
 なお、第三者による検討機関の設置は考えておりません。


二点目に、公共事業は道路建設中心から学校・保育所・老人・障害者施設などの計画的建設と老朽化施設改修、バリアフリー化、耐震化と駅前整備など商業振興、歩道整備・生活道路の維持補修など生活密着型公共事業に重点を移すべきであると考えますが、それぞれ市長の見解を求めます。
■道路建設事業から生活密着型公共事業へのシフトについて
 道路建設等の土木関連事業につきましては、安全で安心な市民生活の確保や将来のまちづくりの基盤となるものであり、その必要性を十分判断し計画的に進めているものであります。
 なお、6月補正予算におきましては、私立保育所の建設補助、小・中学校の施設整備、公民館のエレベーター設置、歩道の改良、防災行政無線の更新など、市民生活に密着した事業を積極的に計上いたしました。


三点目に、常勤ならびに非常勤の本市非正規職員の賃金条件をはじめ雇用条件を抜本的に改善する措置を引き続き講じること。任期付短時間勤務職員制度については、採用方法については選考による選抜方法を実施するとともに、任期更新に際しては毎回競争試験による選抜を課するのではなく、書類や面接による選考方法等改善し、雇用継続に努力するべきであると考えますが、それぞれ市長の見解を求めます。
■非正規職員の雇用条件の改善について
 今回、一定の改善を図るために条例改正を提案しております。
■任期付短時間勤務職員の採用方法について
 任期付職員の採用は、成績主義や平等主義の原則のもと、法律、条例及び規則に基づき、適正に運用しているところであります。


大きな七点目として農業振興についておたずねいたします。
市としてTPPには反対の声を上げていくとともに、市内農業施策について、地産地消推進、後継者対策や遊休地対策、近郊農業振興策を具体化する立場から農林業活性化のための懇話会の設置、「農林業振興ビジョン」の策定を図ってはどうかと考えますが、それぞれ市長の見解を求めます。
■TPPについて
 農林業にとどまらず、輸出産業をはじめ様々な分野に影響もありますことから、国において主体的に議論されるべきものと考えております。
 また、農林業活性化のための懇話会の設置や、ビジョンの策定につきましては、農業振興地域整備計画の定期的な見直しや、農業経営基盤の強化を図るための基本構想に基づき、農林業の活性化を図っておりますので、懇話会の設置やビジョンを策定する考えはもっておりません。


大きな八点目として、教育、文化、スポーツの振興と女性施策の充実を求める立場からおたずねいたします。
第一に、公民館施設については、民営化計画は中止し、中央・地区・小学校区という公民館ネットワークを復活させ、公民館運営事業を市民の利用が促進されるよう拡充すること。専任の公民館主事を配置し、管理業務は全日化させ、市主催事業や主催講座を拡充すること。公民館運営委員会を公募し、地域に開かれた公民館運営をすすめることについて、それぞれ市長の見解を求めます。
さらに、子どもや子育てサークル、女性、高齢者、障害者らが公民館など公共施設を安心して自由に使えるよう使用料の無料化など市民活動を活発にする支援策の充実を図るとともに、バリアフリー化など施設改修の促進、図書館、スポーツ施設の整備に引き続いて積極的に取り組むよう求めています。それぞれ市長の見解を求めます。
■公民館運営等について
 公民館の運営につきましては、公民館を市民にとって利用しやすく、地域活動の拠点にするために、これまで事業を展開し、コミュニティセンター化を進めてまいりましたが、これを変更する考えはありません。
 管理業務の人員配置につきましては、単に経費の削減だけでなく利用者も管理に携わってほしいという考えから実施しているもので、これを変更する考えはありません。
 また、主催事業や講座の拡充につきましては、生活文化の振興及び教養の向上などがより図れるよう努めているところでございます。
 次に、公民館運営につきましては、公民館の運営委員は地域の各種団体から選出いただき、地域に開かれた公民館の運営を行っておりますので、公募する考えはありません。
■公共施設使用料の無料化について
 公民館などの公共施設の使用料につきましては、受益者負担の原則に基づき、税負担の公平性を確保するものであり、無料化とする考えはありません。
■公民館等社会教育施設の改修について
 これまでもバリアフリー化の視点をもって施設改修を行っており、今年度につきましては、大池公民館にエレベーターを設置する予定であります。
 今後も財政負担を勘案して計画的に進めていく考えであります。


第二に、「学童保育教室」について、入室条件を満たす児童が全員入室できるよう計画的な定員数増と施設確保・改善を図ること。教室については児童の生活の場の環境改善のための改修や備品整備を計画的に進めていくこと。過密化解消のため、71人以上の学童教室は複数教室に分割するとともに、一教室を適正な集団規模に抑えること。正規指導員の複数配置等指導員の配置基準の充実、障害・配慮を要する児童に対する加配については教室の実情に応じ迅速かつ適切に対応すること。それぞれ市長の見解を求めます。
■学童保育事業について
 定員を超える児童の受入については、学校施設の活用や学童保育室の増設、学童保育室内の設備配置を工夫するなど、安全で安心な活動場所の確保に努めております。
 また、施設整備につきましては、計画的に実施しております。
 指導員配置につきましては、学童保育室の運営に支障のないよう適正に指導員を配置し、児童数に応じた運営方法を工夫しております。
 なお、複数教室化の考えはありません。


第三に、図書館の直営堅持を求めます。市長の見解を求めます。
■図書館の直営堅持について
 図書館運営につきましては、現時点では直営を維持し、より効率的・効果的な運営に努め、市民の要望に応えてまいりたいと考えております。
 しかしながら、厳しい財政状況のもと、市民サービスの向上と更なる効率的な運営が求められておりますので、他市の動向にも注視しながら指定管理者制度につきましても研究してまいります。


大きな九点目として、環境を保全し、自然豊かな、安全で便利な街づくりを進めることにかかわっておたずねいたします。
第一に、市施設の直管LED照明転換に当たっての規格選定については、一規格に限定するのではなく、効果と経費を検討の上、広く中小業者の受注にも門戸を開放するなど契約制度の改善を進めるべきですが、見解を求めます。
■直管形LED照明の規格選定について
 日本工業規格では制定されておりませんので、長期使用時の安全性の問題、照度、配光特性など器具の性能を重視し、経済産業省で指導して作られた、日本電球工業会規格の製品を工事入札時の仕様書で指定するものであります。
(JEL801:2010 「L形口金付直管形LEDランプシステム(一般照明用)」)


第二に、市民の市内移動を活発にし、ヒト・モノ・カネの循環を活性化させ、市内商工業の隆盛と雇用の創出をはかるためにも「総合交通戦略策定協議会」を早期に設置し、民間バス路線網の維持・再編、コミュニティバスの運行等公共交通空白地域対策、彩都西部地区と市中心部を結ぶバス路線の増便、など市内公共交通網整備について総合的に協議・検討を積極的に進めるべきですが、市長の見解を求めます。
■市内公共交通網整備について
 総合交通戦略策定協議会を5月末に開催したところであり、今後、本協議会において協議・検討してまいります。


第三に、阪急駅周辺及びJR駅舎内外のエスカレーター設置やいばらき郵便局前西駅前交差点の歩行者平面横断化など駅周辺地域のバリアフリー化をはじめ街の活性化推進のため、茨木市が積極的に構想を策定し、国・府。警察を等関係機関と協議して施策を推進していくことについて、それぞれ市長の見解を求めます。
■阪急及びJR駅周辺のバリアフリー化について
 関連事業と整合させ取り組んでいくとともに、策定中の総合交通戦略の中で、推進すべき施策のひとつとして位置づけ、府・警察等関係機関と連携して検討してまいります。


第四に、自転車による交通事故問題対策のため、一定の車道幅員のある国道や府道への自転車専用道路の設置計画の市独自の立案および提案を国・府にたいし提案していくとともに、府道の歩道未設置場所の調査を実施し、改善を府にはたらきかけること。児童の通学路の安全確保のための道路環境改善を市として責任を持ってすすめていくことについて、それぞれ市長の見解を求めます。
■交通事故対策について
 国道・府道への自転車専用道路の整備については、国・府からも参画がある総合交通戦略策定協議会において、今後議論されるものと考えております。
 府道の歩道未整備個所につきましては、引き続き府へ要望してまいります。
 また、通学路の安全対策につきましては、教育委員会や警察とも連携し、危険箇所を抽出したうえで可能な安全対策を講じてまいります。


第五に、建築物形態の制限(=高さ制限)については、その内容について市民・事業者に周知徹底を図り、高層建物建築による日影問題など住環境への影響を最小限とどめられるよう運用改善していくべきですが、市長の見解を求めます。
とくに高度地区特例許可についてお尋ねいたします。茨木市は、周辺環境への影響を考慮して特例を認めることができるものと判断された場合に行うものであり、高度地区の制限の目的を十分理解し、協議を進めると。高度地区の許可を受けるに当たって、周辺地域への環境に十分配慮するとともに、関係住民及び自治会への説明、協議、理解を得ることとしています。周辺環境への影響を考慮と言うのなら、茨木市は特例許可の審査に当たって、受忍限度の判断要素として言われている被害の程度、地域性、被害回避の可能性、被害建物の配置と構造とともに考慮に入れるべきです。しかし実際には空地面積や敷地からの後退距離等運用基準の定量的な審査のみで、中には公法上の日影規制のない用途地域では特例許可では日照を考慮する必要はないと読み取れる茨木市の発言もあります。改めて市の見解を求めます。また法律では、道路法等の別途公物管理のための指定、認定が必要、管理権行使の根拠となる権限を取得する必要があるとしています。見解を求めます。 
■建築物の形態の制限について
 地域の状況や市街地の特性に応じた建築物の高さを定める高度地区の都市計画変更を行い、平成22年10月から実施しております。
 現在まで大きな問題もなく運用してきており、特に改善すべき事項があるとは考えておりません。
 また、この内容については、広報、ホームページ、全中学校区や関係団体等への説明会などの周知活動を行い、今後においても、ホームページや窓口での周知、出前講座など、引き続き周知活動に努めてまいります。
■高度地区特例許可について
 一定の基準を満足する建築物については、建築審査会の意見を聴いた上で、最高高さの特例許可を行うことを可能としております。
 これにより具体な基準がなかった時期に比べ、より良好で周辺に配慮した計画を誘導することが出来ているものと考えております。
■道路管理について
 道路管理者が、道理を管理するため道路の敷地等について、所有権、使用権等の権原(けんばら)を取得して適正に管理しております。


第六に、市内の良好マンションストック確保に向けた施策について、住生活基本法および同全国計画にもとづき、茨木市版「住生活基本計画」を早期に策定し、実施に向けて取り組むこと。全分譲マンション管理組合登録制度を創設し、分譲マンション維持・管理への公的支援制度をさらに拡充すること。耐震改修工事助成制度について市独自でも整備していくことについて、それぞれ市長の見解を求めます。
■良好なマンションストックの施策について
 都市計画マスタープランにおいて、住生活基本法を踏まえた本市の住宅や住宅地に対する方針を取りまとめ、対応いたしております。
 また、分譲マンションの適正な維持管理が図られるよう、セミナー等による情報提供を行うとともに、管理組合相互の意見交換を行う「いばらきマンション管理組合ネットワーク」が設立され支援しており、登録制度を設立する考えはございません。
 分譲マンションの耐震改修工事助成は、多額の費用負担が生じるため、現時点で市独自での実施は困難と考えておりますが、大阪府に対し引き続き制度創設を要望してまいります。


第七に、廃棄物減量について、茨木市一般廃棄物処理基本計画の減量目標達成のため、分別・資源化の推進にいっそう努力すること。事業系廃棄物については、分別がなされていないごみの搬入を認めないなど、実効ある取り組みを研究検討し実施していくことについて、それぞれ見解を求めます。
放射能を帯びた被災地がれきについて、仮に茨木市の溶融炉での処理を想定した場合、可・不可を含めどのような影響が危惧されるか溶融炉メーカーから専門的知見を市が聞き取らとれているならば、その内容についてお聞かせください。
■一般廃棄物処理基本計画の減量目標の達成について
 家庭系ごみにつきましては、分別品目の追加を検討するとともに、ごみ出しマナーの向上と分別の徹底により原料を図ってまいります。
 また、事業系ごみにつきましては、多量排出事業所の範囲を月5トンから3トン以上に拡充するとともに、処理場における搬入物の検査を強化し、適正なごみの搬入に努めてまいります。
■災害廃棄物の処理について
 国のガイドラインでは、安全に処理できると示しており、大阪府においても、広域処理の受け入れ基準を国より厳しく定められております。
 既に、本市と同様の溶融炉において、処理が問題なく行われておりますので、特にメーカーに聞くようなことはしておりません。


第八に、クリーンで安全なエネルギー推進について、太陽光発電設置補助を拡大するとともに、あらゆるクリーンで安全なエネルギー開発・普及の研究と促進に取り組み、市独自でできる支援策も研究し実施していくことについて、市長の見解を求めます。
■クリーンで安全なエネルギーの推進について
 太陽光発電システム設置補助を引き続き実施するとともに、新たに、住宅用太陽熱温水システムの設置に対する補助や、市内中小企業者への、新エネルギー・省エネルギー設備の導入を図る補助制度を創設してまいります。


第九に、洪水のハザードマップは内水、外水含めた実態に見合った分布図の作成をすること、土砂災害マップについても、これまでの府および市の調査資料を総合的に見極めて作成する必要があると思いますが市長の見解を求めます。
■洪水ハザードマップ、土砂災害マップについて
 現在、大阪府により洪水リスク表示図の公表や、土砂災害警戒区域の指定が進められておりますので、これを機会に見直して作成したいと考えております。


 以上、2012年度の施政方針と予算編成及び市政の当面する重要課題について、お尋ねいたします。的確で誠意ある答弁を求めます。