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畑中たけし平成26年9月市議会 本会議質疑

議案第44号、茨木市高齢者活動支援センター条例の制定他、4件
◎議案第66号 平成26年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第2号)
  • 彩都東部開発について
[反対討論]議案第44号、茨木市高齢者活動支援センター条例の制定から議案第46号、茨木市敬老祝金条例の一部改正について
[賛成討論]請願第2号、老人福祉センターの廃止など高齢者施策後退を中止して施策の一層の充実を求めることについて
[討論]議案第50号 茨木市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める 条例の制定について、及び、議案第52号 茨木市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の利用者負担等に関する条例の制定につい
[討論]議案第55号 茨木市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について、及び、議案第56号 茨木市学童保育室条例の制定について
[反対討論]認定第3号、平成25年度大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定について
議案第44号、茨木市高齢者活動支援センター条例の制定について他4件
(畑中一問目)
 議案第44号、茨木市高齢者活動支援センター条例の制定から議案第47号、茨木市立コミュニティセンター条例の一部改正についてまでの4件を一括して質疑いたします。
 今回の4議案は、本市が長らく実施し、市民の皆さんにも歓迎され定着してきた桑田荘をはじめ、市内6か所の老人福祉センターを廃止して他施設へ転用する、また同時に東コミセンを含めてお風呂、送迎バスの廃止、そして敬老祝金支給事業から88歳、99歳、そして最長寿者2名を除く101歳以上も対象から外すという内容となっています。これらは茨木市が身のほどを知らない数々の大規模プロジェクト推進の財源確保のために市民サービスを切り刻む、すなわちビルド・アンド・スクラップによる本市高齢者施策の壊滅的な後退であると日本共産党は指摘してきたところであります。
 日本共産党の主張は、13年度決算で9.5億円の黒字、積立金も153億円ある一方で、市民1人当たりの民生費も老人福祉費も北摂7市でも最下位という市民の税金の使い道を改めて、今後ふえていくであろう高齢者人口やニーズに対応した質、量ともにふさわしい高齢者施策を総合的に充実、発展させていくべきであるということです。そして本件に関しては、全ての老人福祉センターを存続するとともに、送迎バスの継続、入浴事業を廃止ではなく、さらに回数増を図るなど、サービスを充実させるべきです。新たな施策の展開のために既存の事業を犠牲にする必要は全くないということです。  ここで改めてお聞きいたしますが、茨木市の老人福祉施策は、その根本法規である老人福祉法の精神に立って進めるべきであると考えますが、市の見解をお聞かせください。ところが、今回の提案を含めた高齢施策の見直しの方向と内容は老人福祉法の内容に逆行していると日本共産党は指摘せざるを得ません。  老人福祉法は老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的として制定された法律です。老人福祉法の総則第1条、目的では、「この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする」。基本理念として、第2条では、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする」。第3条では、「老人は、老齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする」、2項では、「老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に充実する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする」。さらに、老人福祉増進の責務として、第4条では、「国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する」、2項では、「国及び地方公共団体は、老人の福祉に関係のある施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前2条に規定する基本理念が具現されるように配慮しなければならない」としています。  以下、その老人福祉法の観点からお尋ねいたします。
 まず1点目として、老人福祉センターの廃止について、お尋ねします。  老人福祉センターは老人福祉法に規定される老人福祉施設であって、「老人福祉センターは、無料または低額な料金で、老人に関する各種の相談に応ずるとともに、老人に対して、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設とする」とされています。茨木市も老人福祉法にのっとって昭和48年以来、福井荘、桑田荘、西河原荘、葦原荘、沢池荘、南茨木荘の6施設を運営してきました。利用者は60歳以上の市内にお住まいの個人及び団体として、身体の状況にかかわりなく利用できます。そして、施設利用料は無料で、金銭的な余裕のあるなしに関係なく気軽に利用できます。センターは同好会活動などの教養、カラオケ、将棋などの娯楽、健康についてなどの各種相談、お風呂などの健康の増進、日々の会話を交わすことなど交流機能等を提供してきました。特に、現役時代頑張って長年社会に貢献されてきた高齢者の方々が、定年後の第2の人生を過ごす場の1つとしてセンターを利用され、健康で生きがいのある人生を過ごす憩いの場として年間延べ17万人も利用している大変貴重な施設です。ところが茨木市は高齢者施策を再構築するとして、その一環として、市内全ての老人福祉センターを廃止して他施設としての転用を打ち出しました。市民的な影響としては、施設利用料金の有料化、居場所機能の縮小、風呂の廃止、送迎バスの廃止が主なものとなっています。
 1つ目に、施設利用料の有料化について、お尋ねします。新たに介護予防センターとして位置づけられる大広間の市民利用は、カラオケを利用しない場合、午前780円、13時からの17時までの午後Aが1,040円、18時から21時までの午後Bが780円、カラオケを利用すればプラス500円という料金設定です。シニア交流センターとして位置づけられる和室、会議室、研修室はそれぞれ100円から420円の料金設定となっています。この積算根拠及び基準、計算式をお聞かせください。いずれにせよ、これでは単なる貸し館です。老人福祉法の趣旨を完全に踏み外していると考えますが、市の見解を求めます。  さらに、共用スペースの将棋盤などをはじめとする附帯設備の利用料として、1日100円の利用料金としています。ぱっと見、1日100円と思われるかもしれませんが、月20日を利用すれば2,000円にもなります。年にすれば2万4,000円の負担です。これは一律であり、経済的状況等による減免はありません。一方、これからの高齢者のあり方についての報告書でも、高齢者の格差の拡大や生活保護受給者の増加が指摘されて、これは市も認識済みのとおりです。それならば、市が真に実施すべきは格差を是正する方策であって、今、市がやろうとしてることはあべこべではないでしょうか。これでは懐ぐあいを心配して我慢せずとも無料で利用できた老人福祉センターからは大きな後退です。特に低所得者の高齢者にとっては居場所の取り上げにもつながりかねません。老人福祉法にいう老人の生活の安定に反しています。市の見解を求めます。  次に、部屋や附帯設備の有料化によって6施設での利用料金収入見込みをお聞かせください。
 2つ目に、東コミセンを含めたお風呂と送迎バスの廃止について、お尋ねします。  東コミセンのお風呂も対象者は60歳以上ですので、老人福祉センターのお風呂と位置づけは同じということでまとめて申しあげますが、センター6施設と東コミセンにおける入浴事業の13年度決算事業費と年間の延べ利用人数について、お聞かせください。あわせて送迎バスの利用人数と事業費についてもお尋ねします。  いずれにせよ、7つのお風呂の廃止によって高齢者の健康的な生活の維持にとって深刻な影響を及ぼします。市の発行する老人福祉センターのパンフレットでも、お風呂は健康の増進に位置づけられて、日ごろの疲れを癒すことができるとしています。これからの高齢施策のあり方について、報告書案へのパブリックコメントでも、「住まいの近くにお風呂屋さんがない、入浴事業はなくさないでください」、「入浴事業の回数をもとに戻してください」、「ひとり暮らしの高齢者や風呂のない高齢者は入浴を楽しみにしている」という声も寄せられています。私自身、お風呂を利用したばかりの高齢者の方と面談しましたが、お風呂上がりのお顔はそれは生き生きとしておられて、表情も豊かなもので、お風呂がなくなったら困ると切実な思いを述べられていました。改めてセンター利用者にとってお風呂の存在は欠かせないものであると実感しました。お風呂の廃止は内風呂のない家庭、1人で入浴するのは危険と感じておられる家庭の高齢者にとって影響は深刻です。  送迎バスも同様です。市外から茨木市に引っ越してきたある高齢者の方は、周りに知り合いもいないし、バスでセンターに通ってくると同じ楽しみで通ってくる人がたくさんいるから楽しい、バスがなくなると困るとおっしゃっておられました。2か所で送迎バスを実施するような意義は今でも消えていないと思います。老人福祉センターの重要な機能の重大な後退です。老人福祉法にいう心身の健康の保持の目的にも反しています。市の見解をお聞かせください。
 3つ目に、老人福祉センターを廃止して他施設に転用することによる拡充事業の詳細と実施体制、事業費見込み、経常経費について、お尋ねします。  介護予防センターとして実施する活動、地域支え合いセンターとして実施する活動、こども交流・支援センターとして実施する活動それぞれについて、お示しください。  大きな2点目として、敬老祝金支給事業の一部年齢廃止について、お尋ねします。  現制度は、88歳に2万円、99歳に3万円、100歳以上に5万円を祝い金として支給しています。敬老祝金支給事業は昭和32年に開始されて、当初は65歳以上の高齢者を対象としていました。その後、制度変更を経て、2007年度には70歳、1万円の支給を廃止し、削減額は当時2,800万円でした。総支給額の45%減、対象人数も6割の削減となりました。さらに、2009年度には77歳の1万5,000円を廃止して、削減額は当時にして3,000万円、総支給額の70%削減、対象人数も74%減と、制度の根幹を揺るがすほどの大幅な後退が強行されました。今回は88歳と99歳、最長寿男女2人を除く101歳以上の高齢者を敬老祝金の対象者から外すという内容になっています。現制度の88歳、99歳、100歳以上の対象者数と各支給総額及び受給率、制度が変更された場合の100歳及び最長寿者の対象者数と総支給額はどのようになるのか、お示しください。  いずれにせよ、この制度の趣旨目的は、「本市に居住する高齢者に対し敬老祝金を贈呈して長寿を祝福し、伴せて敬老思想の高揚に寄与することを目的とする」と条例第1条にも示されています。この目的に照らして、今回のような制度変更案に至った理由と検討経過について、お示しください。  これまでの制度変更は、市の言い分として、制度面からの理由は、祝い金は個人給付事業であり、また平均寿命の伸びや長寿を祝福するという条例の趣旨等を勘案して支給年齢を1段階ずつ後退させてきたのだということでした。ところが今回は、平均寿命どころかだれから見ても十分長寿の年齢と言われる88歳、99歳、101歳以上を対象からばっさり削除と、敬老の精神などお構いなしといったふうな、非常に乱暴な制度後退と感じざるを得ません。この制度変更では、条例の目的をきっちりと果たすことができるどころかますます遠ざかるものです。市の見解を求めます。  前回の制度後退時に市は、「今後の方針につきましては、本市の財政状況や他市の敬老祝金の状況などを考慮いたしまして、検討してまいりたいというふうに考えております」と答弁していますが、大阪府下他市の状況をお示しください。  1問目、以上です。

○小西健康福祉部理事 
 それでは、順次、ご答弁させていただきます。  まず、茨木市の老人福祉施策はその根本法規である老人福祉法の精神に立って推進してるのかということでございますが、本市の施策につきましては、もちろんこの法に基づき我々自身、事業推進施策を行っているということでございますが、その中で具体的にご質問いただいておりますので、順次、ご答弁させていただきます。
 まず、利用料金の算定の部分につきましては、特に老人福祉センターの施設運営経費を本市の利用料設定の試算、計算式に当てはめ、福祉目的施設としての役割を踏まえて、利用者負担と公費負担の両方で構成される利用料として設定し、他の施設と比較して安価な利用料になるよう設定いたしました。  老人福祉センターの設置運営要綱では、老人福祉センターの利用は無料及び低廉と定められております。この低廉の趣旨については、国は、施設の維持をするための最低限度の費用負担としており、今回の料金設定は老人福祉法の趣旨に沿った低廉なものとして設定いたしております。
 次に、低所得の高齢者の方々の居場所についてということでございますが、今回の高齢者施策の再構築は、真に必要な高齢者に必要な施策を必要なときに届けるための再構築であります。これまで3%未満の高齢者にしか利用されていなかった老人福祉センターの機能を見直しまして、できるだけ多くの皆さんに享受いただくための再構築であります。そのために、高齢者の皆さんが納税者としての側面と、受益者としてのみずからの責務や立場をご理解いただき、応分の負担をお願いすることとしたものでございます。
 次に、利用料金の収入の見込みについてでございますが、利用料収入の見込みにつきましては、6センター合わせて1,212万円と想定しております。これは平成25年度の各部屋と附帯設備等の利用実績に各単価を掛け合わせた単純集計によるものでございます。  次に、老人福祉センターの浴場の事業費と延べ利用人数についてでございますが、平成25年度の老人福祉センターの浴場分の経費は、6センター合わせて3,067万円、浴場利用者人数は5万2,028人となっております。また、東コミュニティセンターは同様に400万円、9,300人となっており、合計で3,467万円、6万1,328人となっております。
 次に、送迎バスの利用人数及び事業費についてでございますが、平成25年度の送迎バスの利用人数は、延べ人数で福井荘が2,710人、沢池荘が4,640人の合計7,350人、事業費は1,465万円となっております。  次に、老人福祉センターの事業について、心身、健康の保持の目的に反してるのではないかというふうなご質問でございますが、老人福祉センターの浴場利用者は減少傾向にはございますが、一方で、介護予防教室やセンター主催の教養講座などの参加者数はふえております。このどちらも心身の健康の保持には大きな役割を果たしていると考えております。また、いきいき交流広場などの地域拠点での体操やカラオケをすることも高齢者にとっては笑顔がふえ、心身の健康の保持につながるものと考えております。このように効果の大きな事業に転換していくことは、老人福祉の増進につながることから市の重要な責務であり、老人福祉法の趣旨に沿ったものであります。
 次に、拡充事業の詳細と実施体制についてでございますが、桑田荘は高齢者活動支援センターとして、高齢者活動の拠点施設として再構築いたします。事業内容につきましては、高齢者の生涯学習支援、居場所、高齢者団体の育成支援、介護予防の拠点機能などを実現するための諸事業を検討しております。また、桑田荘を除く5センターにつきましては、多世代交流センターとして、これまでの高齢者の専用施設から子どもたちも利用できる施設へと再編いたします。高齢者の居場所や介護予防の機能をはじめとして、子どもたちの居場所や学習環境を整備することとあわせて、沢池荘では待機児童解消を視野に小規模保育事業を、南茨木荘では障害児のための療育型居場所事業が実施できるよう計画しております。なお、現在、各事業の事業内容を検討しており、それぞれの詳細な事業費を積算するまでには至っておりません。
 次に、敬老祝金の制度変更に伴うことについてでございますが、平成25年度の敬老祝金の対象者は、88歳は2万円を767人に、総額が1,534万円、99歳は3万円を57人に、総額が171万円、100歳以上は5万円を124人に、総額が620万円、これらの合計が948人で2,325万円の支給となります。受給率は88歳が全対象者の81%を占めており、99歳が6%、100歳以上が13%となっております。改正後は対象者の100歳が50人程度、これに最高齢者の2名を加え、1人当たり10万円を支給し、総額で520万円が見込まれております。  この敬老祝金の制度変更に至った理由についてでございますが、超高齢社会の到来に伴いまして、限られた財源を真に必要な施策や事業に充当することが求められております。長寿を祝い、敬老の精神を育むことはこれからも大事なことであると考えておりますことから、100歳及び最高齢者に限って敬老祝金を存続、増額し、めり張りのある事業として再編するものでございます。
 最後に、高齢者の実態や課題が大きく変化している中で、今後これからの多様化する高齢者ニーズを的確に把握し、きめ細かく対応していくことが求められております。そのために、一律に支給しておりました敬老祝金などの事業を、効果を見きわめながら時代に合ったものに見直していくことは重要なことであると考えております。
 敬老祝金支給事業の他市の支給状況についてでございますが、既に敬老祝金を廃止している市は18市でございます。一方、敬老祝金を支給している市は本市を含めて16市で、そのうち4市は本市と同じくこの事業の改廃について検討中と聞いております。また、100歳未満に支給しております自治体は13市でございます。  以上です。


(畑中二問目)
 それでは、2問目、お尋ねいたします。  まず、利用料の有料化について改めてお尋ねするんですけれども、1問目の答弁を受けまして、国による、老人福祉法による老人福祉センターの設置及び運営についてという通達があります。その第1の総則、項番4、利用料では、「老人福祉センターの利用は、原則として無料とする」とされています。すなわち老人福祉法や、この通達の趣旨を重んじてきたからこそ、茨木市もこれまで無料で老人福祉センターを運営してきたはずです。市の見解を求めたいと思います。
 先ほどこの通達を挙げましたけれども、その通達の原則無料の例外規定として、さらに、「ただし、必要により費用を徴収するにあつては、当該利用に直接必要な経費以下の額とし」としています。この直接必要な経費とは、施設の維持費は含まれない、維持費は間接経費であると理解するのが通常です。ですから、老人福祉法に言う無料または低額な料金でというのは、無料または無料に準ずる低額な料金でというのがその趣旨だと考えます。先ほど利用料の考え方をお聞かせいただきましたけれども、この市の施設利用料の計算式、一般的な計算式から算出した利用料、これは当然、施設の維持経費なんかもいろいろ勘案して決められるものですから、そういう利用料の考え方そもそもが、この老人福祉法や国通達の趣旨を踏み外して、間違っているのではないかと考えますけれども、市の見解を改めて求めたいと思います。
 次に、茨木市は老人福祉センターの再編の必要性について、先ほども利用者の偏在性を挙げました。老人福祉センターの機能を再編して高齢者のさらなる利用促進を進めていくことが今回の柱であると言われています。しかし、今回の議会の提示資料や1問目の答弁からも考えるに、高齢者にかかわる拡充事業部分は、老人福祉センターという市施設を維持しつつも実施できる内容ではないでしょうか。例えば、介護予防事業は既に老人福祉センターでも実施されています。お風呂を廃止したり、送迎バスをなくしたり、有料化を図らなくても、介護予防事業や高齢者の活動支援は老人福祉センターのサービス改善と充実の範囲で行えるものであって、施設廃止の必然性はこの点ではないというふうに考えます。市の見解を求めます。子育て部分も必ずしも老人福祉センターは何が何でも廃止しなくては成り立たないというものでもありません。
 次に、財政影響額について、さらにお尋ねします。今回の提案内容において、新センターでの新規ないし拡充事業はそれほど支出の増大になるとは思えません。介護予防についても、既存の事業で1,160万円と既に存在している経費ですし、そこから大幅に増大ということはないと考えます。それを踏まえて、経常的な経費でいえば、お風呂と送迎バスの廃止で約5,000万円の支出削減になります。利用料金の徴収によって1,200万円前後の支出が削減となります。敬老祝金の見直しでは1,850万円の削減です。これだけで8,000万円の縮減額になります。ほかにも言われている高齢者施策の後退も合わせれば、総額で1.5億円以上の支出削減になると日本共産党市会議員団は見ております。一方で、新センターの事業新規拡充分や街デイの目標拡充分が3,520万円と見ております。簡易街デイで20か所で2,800万円ほどの拡充になると見ています。結局、この今回の老人福祉センターの廃止、敬老祝金の廃止、東コミセンのお風呂廃止を含めた高齢者施策の見直しで、市の高齢者に対するお金のかけ方でも大幅な後退が起こるのではないでしょうか、市の見解を求めます。
 次に、有料化について、さらにお尋ねします。例えば、保健医療センターの施設内共用スペース設置のヘルストロン、健康電気器具だと思いますけれども、これ、大人気なんですけれども、利用料金は無料です。センターでの、せめて共用スペースでの全ての活動、附帯設備の利用ですけれども、は無料にすべきではないでしょうか。また、多世代交流センターとなる施設のこども交流・支援センター、これは利用料金は無料となっています。無料と設定された理由について、お聞かせください。いずれにせよ、公平性を考えても、やはり高齢者も施設利用は無料を維持すべきです。市の答弁を求めます。
 今回の、老人福祉センターの改廃のことが問題になってきたときに、桑田荘の利用者から嘆願書も出されてきました。これ、以前の議会での日本共産党議員団の質疑に対しても、嘆願書で話が出てきたんですけれども、この嘆願書に言われている市民の方の声で費用負担を受け入れるという声は、そもそも現状の老人福祉センターの存続を、まず望むところから発しているものであって、センターの廃止、お風呂廃止、送迎バスの廃止という事態を何とか避けてほしいと思うがゆえに一部費用負担もやむなしと市民の方からもこういう声が出てきたんだと理解しております。茨木市が有料化の理由に、嘆願書の声や市民の声をあげるというのは逆さまであって、我田引水過ぎると考えますけれども、市の答弁を求めたいと思います。
 1問目の冒頭にも申しあげましたけれども、市民1人当たりの茨木市の老人福祉費は北摂7市でも最下位です。13年度ベースで、1位の池田市で市民1人当たり高齢者福祉の額は2万3,228円、最下位の7位の茨木市で1万7,701円となっています。5,500円以上もの差があります。この茨木市の7位を税金の使い道を改めて、北摂7市平均の2万円程度に段階的に改善していく。総額にすれば7億円の増額です。それだけの財源を積み増して配分すれば、市民が存続を切に望んでいる施策はスクラップせずとも、高齢者福祉施策の発展、充実、展開は十分に可能ではないでしょうか。市の見解を求めます。
 次に、敬老祝金支給事業について、改めてお尋ねします。この目的については、日本には敬老の日という、多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛して長寿を祝う国民の祝日もありますけれども、祝い金においても同様に、長寿を祝うという大切な日本独特の風習であるとも言えます。この志的な意味に加えて、今は年金の削減や消費税の増税、後期高齢者医療制度の保険料の連続する引き上げ、介護保険制度も制度あってサービスなしと言われ、保険料も毎期ごとに上がり続ける、高齢者を取り巻く環境はますます厳しくなっています。国の悪政から住民を守るべき自治体であるはずの茨木市においては、この間、高齢者の市単独医療費助成縮小、家賃補助の半減、介護見舞金半減、今、今度は介護見舞金の全廃も言われておりますけれども、非常に踏んだり蹴ったりという状況にあるのは確かです。戦中戦後の苦しい時期を乗り越えて社会を支えてきた高齢者が、特に元気な方を含めて、慰労する、敬う、貴重な市独自の制度だと思います。米寿、白寿、百寿と言われる節目節目の年齢に茨木市から敬老祝金が支給されると、自分たちが忘れられていない、大切にされていると感じ、茨木市で末永く暮らしていきたいと思ってもらえるような大切な機会であると思いますが、市の見解を求めます。
 そして今、1問目にお聞きしましたが、受給率についても対象者のほとんどの方、かなりの方が支給を受けられるということは、それだけ高齢者にも大いに歓迎され定着されていると、茨木市からの志が非常に喜ばれている制度ということは数字からも明らかです。前回の制度見直し時点では、府下自治体20市が敬老祝金を実施して、今回は16市ということで、その趣旨を重んじてまだ頑張ってる自治体もあります。100歳以下も続けてる自治体はその16市のうち13市ということで、その多くも100歳以下も続けられてるということです。そうしたそれぞれの事情から考えても、今回、敬老祝金の制度目的について、やっぱり見直しの内容は大きな制度の後退、趣旨の後退ということでは日本共産党としては反対でありますし、支給額も工夫しつつ、制度目的をさらに発揮できるような方向で内容を充実すべきであると日本共産党は考えますけれども、市の見解を求めます。  2問目、以上です。

○小西健康福祉部理事
 それでは、順次、ご答弁させていただきます。  まず、今回の利用料金の設定の件についてでございますが、今回の利用料金の設定は光熱水費や法律で定められた点検業務などの維持管理費等の必要経費を本市の計算式に当てはめまして算出いたしております。また、条例に定めております利用料は、本市の他の施設と比較いたしましても同等もしくは低額な料金設定となっております。いずれにいたしましても、今回の高齢者活動支援センターや多世代交流センターは老人福祉法の精神は当然、受け継ぎますが、法に定められた老人福祉法ではなくなりますので、必ずしも老人福祉法の規定が適用されるものではございませんが、本市におきましても独自で定めるルールに従って利用料を設定したものでございます。
 次に、施設廃止の必然性についてでございますが、現行で実施しております施策が効果的なものとなっているのか、他にもっと効果的な手法はないのかなど、絶えず検討することが行政の責務であると考えております。その上で、高齢者施策を充実させるため老人福祉センターでの現行事業を見直し、これまでセンターを利用されてこられなかった高齢者の皆さんのニーズも考えながら、センターが今日的な役割を発揮できるよう再構築を提案させていただきました。
 今回の見直しによる高齢者施策が後退ではないかというご意見でございますが、今回の再構築は決して経費削減ありきではなく、限られた財源をより効果の高い事業に転換していくことに主眼を置いております。先行して実施したモデル事業などによって、既に1,000人以上の高齢者の地域での居場所をふやすことができました。高齢者の皆さんから近くに居場所ができてよかったとのご意見もいただいております。今回の再構築は財源の面からも施策効果の面からも決して後退ではなく大きな拡充であるというふうに考えております。
 次に、ヘルストロンの有料化についてでございますが、今回の提案では、子どもの施設利用もありますので、これまでどおり高齢者の居場所としては原則無料といたしました。しかし、娯楽要素の強い附帯設備などにつきましては利用者の状況を踏まえて応分の利用料を設定させていただいております。このことは各センターで実施した利用者説明会におきましても有料化の趣旨について十分説明し、おおむねご理解をいただいたものと考えております。
 次に、嘆願書のことでございますが、今回の有料化の理由として、嘆願書を挙げて説明したことはございません。
 次に、今回のさまざまな高齢者施策の見直しは、スクラップによる経費の削減ありきで進めているものではございません。高齢当事者や団体等のニーズや意見を踏まえた再構築であり、いきいき交流広場の開設では地元の老人クラブが積極的に牽引役を担っていただき展開できているものと理解しております。また、センター利用者にも税金の使い方についての考え方を説明し、風呂の廃止や有料化をお願いしてきたところであり、各センターにおいておおむねご理解を頂戴したと考えています。
 次に、高齢者を大切に敬うという気持ちが敬老祝金の支給だけで醸成できるとは思っておりません。今回、多世代交流センターにおいて、ふれあい体験学習事業等を計画しておりますのも、高齢者と子どもたちとの世代間交流を行い、子どもたちに高齢者を敬う気持ちを醸成することに狙いがございます。また、高齢者の皆さんが必要なときに必要な施策が届く仕組みや居場所や相談できる場所が近くにあることで安心を享受、実感できる施策の仕組みも重要であると考えております。これらの施策を総合的に再構築することが今回の再構築の大きな目的でございます。  以上でございます。


(畑中三問目)
 細かい議論は、まだこの後の委員会付託もありますので、そちらに移します。  嘆願書の答弁については、民生常任委員会で課長答弁があったように思いますけれども、改めて確認をお願いします。  日本共産党の主張としては、1問目、2問目でも申しあげましたけれども、先ほど2問目の答弁でもいろんな拡充のことについてご説明いただきましたけれども、そうした拡充の部分は拡充の部分として、それをするために老人福祉センターの廃止、お風呂の廃止、送迎バスの廃止、その他、高齢者施策の見直しと言われている、後退をする財源的、物理的必要は全くないというのを、改めて主張したいと思います。こういう高齢者施策の見直しは、やっぱり財政面も、先ほど言いましたけれども、全体的にやっぱり高齢者施策の水準や財源案分の大幅な後退でしかないと日本共産党は改めて指摘するものです。そういうことでいえば、施策の後退部分については日本共産党は反対の立場です。拡充の部分については、それぞれ高齢者のニーズに応じてしっかり茨木市としてやっていただきたいと思います。  茨木市には、よく高齢者の方に言われるんですけれども、市民病院もありませんし、敬老パスもありません。そういうことでいえば、やはりせめて他市の行っているような、こういう敬老祝金を含めて老人福祉センター、老人福祉センターについては、ちょっと府下で何市やってるかまだ聞くのを忘れてたんですけれども、そういうふうに大阪府下の他市でも、やっぱり老人福祉センターをしっかりやってはる市はたくさんあると思います。そういうことでいえば、こうしたものはしっかり大事に残しつつ、新たなニーズに対応する展開をしていけばいいのではないかということです。今回の4条例案、改めて撤回して、市民が望む高齢者施策の総合的な展開を図っていただきますよう、改めて意見して質疑を終わります。  以上です。

○木本市長
 畑中議員にいろいろご意見賜りました。いわゆる有料化ということは、私は、経費の節減ということではなくて、高齢者施策は賛成していただく面もあったと聞いておりますが、やっぱり受益の公平性という面から、全体の老人で何%の方が受益をしておられて、そういう意味から、例えば、100%その受益を受けられるんでしたら、例えば、80%受けられるというんなら私は無料にしてもいいと思うんです。ただ、例えば、10%とか5%の方がそういうところを利用されて、あるいはお風呂を利用されて、あるいは送迎バスを利用されて、それはやっぱり受益の公平性からいけば、いかがなものかというふうに私は思いますので、非常に残念ですが、それは受益、同じ例えば、75歳の老人の人がそういうことは一切利用しないという方がおられる、あるいは一方では、お風呂を利用する、あるいは施設を利用する、それはやっぱり受益の公平性から言ったら、改めて申しあげますが、いかがなものかなということで、高齢者施策は十分に、街かどデイハウス、あるいはいきいき交流広場、そういうことで地域に根づいた高齢者施策を今後とも進めてまいる決意でございますので、よろしくご理解を賜りたいと思います。



◎議案第50号、茨木市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について、他7件
(畑中一問目)
 議案第50号、茨木市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定についてから、議案第56号、茨木市学童保育室条例の制定についてまでの、7件を一括して質疑いたします。  これらの議案は、国による子ども・子育て支援新制度に伴う条例の制定及び一部改正であります。本市において、新たな形態の教育、保育施設などを整備し、運営していくための基準等を指定するものであり、その内容の水準いかんによって、今後の茨木市の子どもたちに多大な影響を与えていくのであり、子どもたちの安全を守り、その健やかな成長、発達を育んでいく保育、教育環境を整え、保障するものでなければなりません。  しかし、今回示された基準条例案は、職員の対数配置など、一部国基準を上回る内容になっていますが、全体的に見れば国基準そのままというのがほとんどであり、安心・安全の環境整備を保障していく上で大きな問題があり、市としてさらなる努力が必要であると日本共産党は主張するものです。
 それで、1点目に関連法の趣旨と精神にかかわってお尋ねします。  現在の公的保育制度は、憲法第25条の生存権をもとに、児童福祉法第2条の国及び地方公共団体の児童健全育成責任を踏まえ、保育の公共性、安全性、継続性を確保し、子どもの保育を受ける権利を保障するものでした。  新制度への移行に当たって、保育、子育て関係者から、さまざまな問題点や危惧が指摘されています。直接契約の導入による市町村の公的責任の後退、地域型保育事業の導入による保育格差について、保育の産業化へ道を開くことについて、保育実態に合わない必要性認定事由について、市町村のあっせん、紹介、調整について、保育料以外の保護者の負担の発生について、これらの指摘について、市の認識と見解をまず、お聞かせください。
 児童福祉法では、第1条、「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない」、2項、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」、第2条、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」、第3条、「前2条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない」としています。  また、子ども・子育て支援法は、一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的としており、その第2条第2項では、「子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、全ての子どもが健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものでなければならない」と定めています。これらは、茨木市における関連条例の基本となるものですから、それぞれの趣旨と精神について市の認識と見解をお尋ねします。すなわち、茨木市の児童福祉施策は、これらの法の精神や趣旨に従って進めるべきものだと考えますが、市の見解を求めます。
 2点目として、市町村の保育実施義務にかかわって、改正児童福祉法第24条第1項について、お尋ねします。  法文では、「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所において保育しなければならない」としています。  これは、すなわち国の思惑はどうあれ、新制度においても保育を必要とする子どもには保育を受ける権利があり、市町村には保育所での保育を求める児童を保育所に入所させて保育する責任がある、これがあくまで原則であって、その原則の例外として、第24条第1項以下の第2項、第3項以下が規定され、例えば、実態として需要に対して保育所整備が追いついていないなどの場合は、認定こども園や家庭的保育事業等による手段で保育需要を満たす。第3項で、それでも足りなければ、利用調整を行うと理解すべきだと考えますが、市の認識と見解を改めてお聞かせください。  さらに、市町村としては、保育所での保育を求める児童がいる限りは、原則として保育所の整備で対応すべきであり、また、たとえ児童が小規模保育などで保育を受けることになったとしても、引き続き保育所入所の権利があると考えるべきだと思いますが、市の見解を求めます。  参考までに、平成26年度当初の保育所待機児童数は先ほど404名と答えられましたので、小規模保育施設の入所児童数と待機児童保育室の入室数について、お示しください。
 3点目に、保育の後退を招かず、充実させることを求める立場からお尋ねします。  1つ目に、児童福祉法をはじめ、法の原則や趣旨は新システムの移行前、移行後にかかわらず普遍的なものです。自治体の責務として、常に向上に向けて取り組まなければならないのであって、新システム移行によって、従来の市の保育、子育て水準から後退するようなことがあってはならないと考えます。市の見解を求めます。  2つ目に、今回の条例案のうち、特に基準の規定において、従来から市が現に実施している保育、子育て事業水準、例えば、日数や時間、対数配置、面積基準など、こういうことなんですけれども、より低く、ないし緩く規定されているものについて、お示しください。  決められた基準は、事業主体が公私にかかわらず最低基準となります。保育の1歳対数配置をはじめ、市が現に実施している保育、子育て事業水準と国基準を比較して、国基準が低位の場合は、全て市基準に合わせて基準案を設定するとともに、さらに良質な保育となるよう上乗せ規定に努力すべきですが、市の見解を求めます。  4点目に、全ての児童に対して平等に良質な保育、教育の実施を市に求める立場からお尋ねします。  先述した児童福祉法第1条第2項では、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」としています。保育を受ける権利は平等であって、保育を受ける環境についても平等を旨とするべきです。市町村も平等な保育環境を児童に提供する責務があるし、そのために努力しなければならないと考えますが、市の見解を求めます。  ところが、新システムの7施設、4事業では、この点で大きな問題を抱えていると指摘されています。国基準では大きな格差が生じるということです。特に小規模保育事業では、B型、C型が言われています。市の認識と見解をお聞かせください。平等で良質な保育を提供するためにも、保育需要に対しては認可保育所の整備で対応するのが王道です。市の答弁を求めます。  5点目に、新システムの市民への理解を深める努力について、お尋ねします。  国の子ども・子育て会議の議論では、さまざまな意見が出ており、保育関係者の間や地方自治体の担当者から、準備の期間があまりにも少ない上に新制度に向けた新たな事務事業の量が膨大なことから、新制度の拙速な実施の中止を求める声も広がっているほどです。混乱が続く中で、わかりやすい情報提供が十分に届かず、新制度によってどのように子育て環境が変化するのか、最も不安に思い、心配されているのが市民、特に児童の保護者の方々だと思います。市の見解をお聞かせください。  市は、9月の市広報で市内5か所の新システム説明会開催を予定していますが、今後の市民の皆さんへの新システムの理解を深めてもらう取り組みの考えについて、お聞かせください。いずれにせよ、市としてこれまでの制度変更にかかわっての説明会規模をはるかに上回る機会の確保が必要であると考えますが、市の答弁を求めます。市民からは地域の保育所をはじめ、子育て施設での随時開催や各公民館、コミセン等での土・日開催の声も出ています。考えをお聞かせください。  1問目、以上です。

○佐藤こども育成部長
 では、順次、ご答弁申しあげます。  直接契約の導入による市町村の公的責任の後退ということでございますが、公立保育所をはじめ、保護者との直接契約施設、事業である認定こども園及び家庭的保育事業等のいずれの施設、事業を利用する場合であっても、市町村の関与、調整を経て、保育の必要度に応じた利用、受け入れを行うことが前提になりますので、公的責任が後退するというようなことはございません。
 次に、地域型保育事業の導入による保育の格差についてでございますが、地域型保育事業につきましては、施設型給付、委託費に加えて、市町村による新たな認可事業として、児童福祉法に位置づけた上で、地域型保育給付の対象とし、多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みとしていること、また、保育所や幼稚園などと連携しながら、保育内容の支援等を実施することになりますので、保育格差を生み出すものではないと考えております。
 次に、保育の産業化への道を開くことについてでございますが、例えば、地域型保育事業におきましては、多様な場所、規模、提供体制を前提とする事業として、地域における多様な保育ニーズにきめ細かく対応でき、質が確保された保育を提供し、子どもの成長を支援するという事業でございますので、保育の産業化ではないと考えております。
 次に、保育の実態に合わない必要性の認定事由についてでございますが、本市におきましては、これまでから今回示された認定事由に基づきまして、適切な対応に努めているところでありまして、保育の実態に合わないというふうには考えておりません。
 次に、市町村のあっせん、紹介、調整についてでございますが、この利用調整の規定については、保育の実施義務を有する市町村に対し、保育利用の強い関与と調整を求める規定になっていると認識をしております。
 次に、保育料以外の保護者負担の発生ということでございますが、利用者負担額等の受領に関する規定につきましては、国が示す従うべき基準でございまして、これまでからも日用品や文房具など、保護者が一定支払うべきものであると認識をしております。  続いて、児童福祉法等の趣旨と精神はどうかということでございますが、本市における子どもに関する施策につきましては、児童福祉法並びに子ども・子育て支援法の趣旨にのっとり実施してまいります。
 次に、改正児童福祉法第24条についてのご質問ですが、まずこの改正児童福祉法第24条では、市町村に保育の実施義務がある旨を規定したものであると認識をしております。その上で、多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みとしていることから、同法の第24条第2項が規定されているとともに、第3項では、保育の実施義務を有する市町村に対し、保育利用の強い関与と調整を求める利用調整の規定であるというふうに認識をしております。
 次に、保育の需要がある限り、保育所の整備で対応すべきではないかということでございますが、地域における多様な保育ニーズにきめ細かく対応することが必要であり、新制度では多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みを構築するものであるというふうに考えておりますので、必ずしも、保育所整備で対応しなければならないというふうには考えておりません。また、就学前児童の将来人口推計も勘案いたしますと、全てのニーズに見合う新たな施設を整備することは好ましくないというふうに考えております。  なお、保護者が希望される施設への入所については、他の保育施設及び地域型保育事業を利用されている方でも、これまでどおり適切な対応に努めてまいります。
 次に、平成26年4月1日現在における小規模及び待機児童保育室の入所人数でございますが、小規模保育施設6か所で72人、また、待機児童保育室あゆみは31人、同じくのぞみは14人でスタートをしております。  次に、新システム移行によりまして、従来の市の保育、子育て水準から後退することがあってはならないというご意見ですが、子ども・子育て支援新制度におきましては、質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、保育の量的拡大と合わせて質の確保、地域の子ども・子育て支援の充実を目指すものでございますので、現在の保育、子育て水準が後退するとは考えておりません。
 次に、従来の市の保育、子育て事業水準より低く、もしくは緩和されている規定についてということでございますが、家庭的保育事業等につきましては、新たな認可事業でございますので比較することはできませんが、現在の認可保育所と比較してということでお答えをさせていただきますと、職員の配置について、小規模保育事業B型及び小規模型事業所内保育事業では、保育従事者のうち2分の1以上は保育士としているほか、家庭的保育事業等では医務室の設置義務はありません。また、家庭的保育事業では、主に居宅を想定しているため、設備の基準において建築基準法等の規定の適用を除外しております。
 次に、国の基準が低い部分については上乗せを規定すべきではないかということでございますが、地域型保育事業におきましては、多様な場所、規模、提供体制を前提とする事業として、地域における多様な保育ニーズにきめ細かく対応し、地域の子ども・子育て支援の充実を目指すものでございますので、さらなる基準の上乗せを規定する考えはございません。
 次に、平等な保育環境を児童に提供することについてでございますが、国からは現行の事業からの移行や、それぞれの事業形態、特性等を踏まえた基準が示されておりますが、国から示された従うべき基準及び参酌すべき基準を踏まえつつ、利用者の安全性や保護者の安心感を高め、保育の提供に努めることができるように、本市の実情に応じた基準を目指していること、また、多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みであることで、大きな格差につながるものはないというふうに考えております。  また、先ほども申しあげましたとおり、どの施設、事業におきましても、さらに保育の質を高めていくことは重要であると考えております。なお、全ての保育需要に対する確保方策については、保育所等の整備だけでなく、多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組みを目指してまいりたいというふうには考えております。
 最後に、新制度についての市民への理解を求める努力をしているかということでございますが、新制度に対する市民の不安や心配を解消するため、広報誌7月号と同時配布したチラシやホームページ等におきまして情報提供を行っております。また、広報誌9月号では特集記事を組むなど、制度の周知に努めているところでございます。また、9月末には、市内5か所におきまして、制度の概要及び利用手続等について説明会を実施いたします。その後、市民等からの要望等を踏まえながら、説明会を含め、実施方法などを検討してまいりたいと考えております。


(畑中二問目) お答えいただきました。  日本共産党の主張としては、1問目に大きく分けて主張いたしましたが、そのとおりであります。このそれぞれの点において、個別の基準などに対して指摘もしたところですが、これにつきましては細かい議論になってきますので、後ほど付託されます民生常任委員会で細かく議論をしていきたいと思います。それで、質疑を終わります。


◎議案第66号 平成26年度大阪府茨木市一般会計補正予算(第2号)
(畑中一問目)
 時間の都合上、財政の質問を省きます。第1に、彩都東部開発について、お尋ねいたします。  彩都開発を含む全国の郊外型ニュータウン事業が破綻をして、平成13年に閣議決定、URが進めるニュータウン事業は住宅不足の解消やバブルの崩壊により収束させるとし、平成16年には都市再生機構を発足させ、ニュータウン事業は宅地造成等経過勘定として、破綻処理が進められてきました。さらに、平成17年からは国交省において処理区分を設定して、平成25年末までに工事完了、平成30年度末までに供給と処分を完了することとなりました。この方針のもとに彩都東部地区については処理区分はD区分でUR事業は中止して、UR東部地区所有の87.3ヘクタールは基本的には素地で処分というのが閣議決定の趣旨です。この事実経過はURも認めました。ところが、URは東部地区の事業から撤退が決定した平成19年度以降も、今後のまちづくりの具体化のために必要な技術的協力等を行うとして、東部地区事業見直し方策検討他業務報告書を策定し、後継の組合施行土地区画整理事業の計画と推進の役割を依然として行っています。共産党の指摘に対しては、URは報告書全文を公開するとともに、あくまでURは一地権者としての1つの提案の範囲内の行動と釈明していますが、内容からして閣議決定の逸脱は明白です。
 そこで1つ目にお尋ねします。問題は国交省文書では、全国のニュータウン事業の破綻の背景として、地方公共団体から要請を受けての事業実施があると総括されているということです。UR彩都開発計画の破綻でいえば、大阪府や茨木市と箕面市の破綻の連帯責任は明白です。彩都東部開発の後継の組合施行土地区画整理事業の推進について、茨木市が彩都建設協議会等を通じて閣議決定に反する行為を国交省やURに求めないことを求めます。見解を求めます。
 2つ目に、UR策定の見直し素案、すなわち新計画案について、お尋ねします。この間、URと茨木市は見直し素案、すなわち新計画案についての協議を直接行ってきたと聞いています。時系列でお示しください。
 新計画案の内容ですが、粗悪開発の典型です。総事業費をほぼ同じ面積の事業で旧UR計画では約2,134億円、新計画は約680億円と70%カット、区画整理工事費は1,270億円が531億円と40%のカットです。そもそも東部地区は北半分が花崗岩風化まさ土地域、南半分と東地域は大阪層群軟弱地盤地域、その境界線に馬場断層が走り、西部や中部地域より一層、地形的にも地質的にも問題がある地域です。粗悪開発は広島のように豪雨時の土砂災害を誘発する危険性をはらんでいます。総事業費と区画整理事業費の大幅カットの内容について、お示しください。
 3つ目に、虫食い開発、こまぎれ開発、さみだれ開発の危険性について、お尋ねします。  UR策定の新計画案では、全体を3つの区域に分割して事業を推進する計画でしたが、民間大規模土地所有者から10年で投下資金を回収するため、1区域をおおむね50ヘクタールの規模の事業との要求を受けて、URは8から10の区域に細分化する計画に見直しをしています。虫食い開発、こまぎれ開発、さみだれ開発になるのは必至です。また、全体計画との整合性や担保性はどう確保するのか、問題は山積です。茨木市の見解を求めます。
 3つ目に、茨木市の財政負担について、お尋ねします。  UR策定の新計画案では、大阪府と茨木市の財政負担について試算しています。旧計画では区画整理事業段階の茨木市の負担はゼロでした。ところが、試算では茨木市の負担は合計約48.2億円、内容は国補助の裏負担が23.1億円、用地費8.7億円、関連公共負担増分16.3億円としています。これらの負担について茨木市は了解しているのか、お尋ねします。
 4つ目に、UR策定の新計画の内容について、お尋ねします。  減歩率を含む事業計画と資金計画、造成計画、土地利用計画、道路など公共施設配置計画、用途地域見直しを含む都市計画など事業全般の見直し計画案をURが策定しています。いずれの見直し計画案づくりもURへ丸投げです。茨木市は後継の組合施行土地区画整理事業の代行業務を受託する可能性があるのか、お尋ねします。
 5つ目に、都市計画道路山麓線の先行整備の場合の計画案とその財政負担について、お尋ねします。  UR策定の新計画案では、山麓線を含んだ土地区画整理事業を民間が早期に実施することは考えがたく、将来の道路管理者にみずからによるみずからの事業と考えるべきとして、URは茨木市に先行整備促進を求めています。種々の事業実施方法を例示していますが、想定事業費全体額と茨木市の工事費について、お示しください。茨木市の財政負担による先行整備はやめるべきです。茨木市の見解を求めます。  大きな2つ目として、彩都中部地区の大型物流施設の集積による交通渋滞や環境汚染について、お尋ねします。  平成3年の市の環境アセスでは、中部地区の発生・集中交通量は日量車数合計6,345台としています。今回、プロロジスは最大3,000台、万代と阪急所有地の計画は未定ですが、恐らく全体で1万台を突破することはURも予測しています。URは茨木市と、予測と対策について協議を行うとの回答ですが、茨木市の予測と対策についての見解を求めます。
 大きな3つ目として、彩都西部地区の当初計画された都市地域の整備促進やまちづくりの進展について、お尋ねします。  都市施設の整備は、10月末に郵便局の開設など一定の前進が見られていますが、警察派出所の開設は住民の努力にもかかわらず、見通しが立っていません。市役所出張所IT化等の進歩の中で、住民は市民交流センター的オープンスペースの設置を望んでいます。箕面市と共同して設置の検討を求めます。まちづくりも住宅地域も施設導入地域も茨木市域はともかく、全体ではこれからです。いずれにしてもURや茨木市と箕面市が住民とともに積極的な対応が必要だと考えます。市の見解を求めます。  1問目、以上です。

○中岡市理事 彩都の東部地区、西部地区に関しますご質問に順次、お答えさせていただきます。  まず、東部地区に係ります閣議決定の関連でございますが、都市再生機構はニュータウン事業について、平成25年度までに工事を完了するという内容の閣議決定を受けまして、その実現が困難であることから東部地区を都市再生機構が施行する区画整理事業の区域から除外する手続を終えております。東部地区のまちづくりの実現に向けての技術的支援は、都市再生機構の第三者機関でございます事業評価監視委員会の意見でもあり、今後とも求めていく考えでございます。
 次に、都市再生機構策定の事業見直し検討の素案の内容についてでございます。先ほどご質問の中で、URの新計画とおっしゃっておられた内容につきましては、この事業見直し検討素案の内容だというふうに理解しております。これにつきましては、平成21年度末に東部地区の事業化を図るための検討資料として都市再生機構が独自に作成したもので、本市は都市再生機構から具体的な協議を受けておりません。  なお、民間事業者による区画整理事業が可能となりますよう、造成工事費の抑制など造成計画を見直すことにより、事業費の縮減を行った内容であると聞いております。
 次に、個別開発と全体計画との整合性についてでございますが、東部地区は丘陵地であり、事業規模が大きいことから、民間の活力や創意工夫を生かしながら、段階的に事業を進めていく予定でございますが、施行予定者から提示される開発計画案につきましては、彩都東部地区検討会におきまして、今後のまちづくり方針やインフラ計画などとの整合性、周辺地区への影響や関連性などの計画調整を行い、東部地区としての一体性の確保が図られるよう取り組んでいく考えでございます。
 次に、都市再生機構の事業見直し検討素案におけます本市財政負担の試算についてでございます。お示しの試算額につきましては、都市再生機構が独自に検討されたものであると思われます。本市のほうでは、都市再生機構から具体協議を受けておらず、その内容については把握しておりません。  次に、組合施行の区画整理事業の代行業務の受託についてでございます。現在、検討を進めております東部地区内の先行2地区につきましては、民間事業者による個人施行の区画整理事業が予定されております。今後、残りの地区で組合施行の区画整理事業が施行される場合におきましては、基本的には民間事業者による業務代行方式を想定しておりまして、本市が業務代行を受けることはあり得ないと考えております。
 次に、区画整理事業区域内の山麓線の先行整備の内容と財政負担についてでございます。今回の先行地区の事業区域内に山麓線が含まれておりますが、施行者の負担により区画整理事業として整備することで、施行予定者と協議調整を行っており、本市の負担で先行整備する考えはございません。  なお、先行整備の促進につきましては、都市再生機構からは求められておりません。
 次に、西部地区に関しますご質問でございますが、西部地区に関係する公共公益施設につきましては、市街地開発の状況や財政状況等を踏まえまして整備してきておりまして、ほぼ完了していると考えております。
 なお、住民の皆様から要望が強い交番の設置につきましては、彩都建設推進協議会と連携を図りながら、引き続き大阪府警本部に対しまして、その実現に向け、強く要望していきたいと考えております。

○西林産業環境部長
 彩都中部地区におきます交通量の予測と対策についてでございます。  平成25年度に報告のありましたプロロジス事業についての環境影響調査報告書では、主な交通アクセス路である茨木箕面丘陵線の粟生岩阪及び佐保地区の2地点での交通量予測として、プロロジス事業を含め、全体で1日当たり粟生岩阪で最大ケースで2万8,315台、平均ケースで2万6,460台、佐保では最大ケースで2万6,270台、平均ケースで2万4,415台が見込まれております。いずれのケースにおきましても、大気汚染及び騒音についての環境基準を下回ると予測されており、対策といたしましては、事業者において報告書に記載されたアイドリングストップや規制速度を遵守等の環境保全措置が適切に講じられるものと考えております。


(畑中二問目)
 1問目の答弁でありましたけれども、UR事業の監視委員会というのは第三者機関ではありません。委員会の下した方針も附帯意見も全てURの意向に沿ったもので、拘束力はありません。明らかに閣議決定違反です。民間事業者救済のための行動はやめるべきです。市の見解を求めます。
 次に、UR策定の新計画について、改めてお尋ねします。URの当該報告書が策定されたのは平成22年3月、それを茨木市が協議もしていないし、見てもいないというのはおかしいと思います。彩都建設推進協議会の総意で検討部会を立ち上げ、また、検討部会でのURの見直し計画の説明資料はUR策定の報告書に基づいて行われてきたと言っていますが、間違いないかお尋ねします。施政方針でも、3月議会答弁でも、特別委員会説明資料でも、数々の説明は、URの見直し素案に基づいた発言ではなかったのか、市にお尋ねします。  次に、UR策定の旧計画の防災計画書には、東部地区は断層、湿地化、軟弱地盤層が指摘され、排水対策、安全対策に詳細な検討が必要としてます。粗悪造成工事で、こうした問題が対応可能なのかどうか、市の見解を求めます。
 次に、整合性、計画、調整、一体性の確保と言いますが、虫食い開発、こまぎれ開発、さみだれ開発になるのは必至です。広大な面積の開発を8つから10の組合施行に分割して進めるのは狂気の沙汰です。改めて市に計画の中止を求めるものですが、市の答弁を求めます。
 次に、市長に茨木市の財政負担の試算について、お尋ねします。URの試算は、組合施行であれば、UR施行と違って茨木市も相当な財政負担があるとの試算です。計画では48.1億円です。架空の話ではありません。それでも市は推進の立場でしょうか。市長の答弁を求めます。
 次に、現行の都市計画決定について、お尋ねします。そもそも現行の彩都東部地区に係る都市計画決定の内容は、URの旧事業計画に沿ったものです。この計画が撤回されたからには、市街化区域は市街化調整区域に戻すなど、関連する都市計画決定をもとに戻すのが筋です。市の見解を求めます。
 中部地区ですが、プロロジス、全体計画が明らかになった時点で予測と対策を改めて市は明確にすべきですが、市の見解を求めます。  2問目は以上です。

○木本市長
 私にご指名いただきまして、ありがとうございます。  彩都の東部地区、中部地区につきましては、長い目で見ていただきたいと思います。将来的には、短期的には財政負担は大きいと思いますが、茨木市の活力、魅力向上という面、あるいは財政的にも将来固定資産税、あるいは事業税、そういったものを、もう収入もあるものというふうに長い目で見ていただきたいと思います。

○中岡市理事
 まず、技術的支援を求めることと民間事業者救済の関係についてでございます。  彩都は東部地区も含めて本市の総合計画に位置づけられている事業でありまして、その事業化を図るために、都市再生機構の第三者機関でございます事業評価監視委員会の意見も踏まえ、当初の施行者でありました都市再生機構に対しまして技術的支援を求めるものであり、民間事業者の救済を行うものではございません。
 次に、都市再生機構が策定した事業見直し検討素案につきましてでございますが、都市再生機構が新たな施行主体による事業が可能となりますよう、独自に作成したものでありまして、その概要についての説明は受けておりますが、具体的な内容についての協議は行っておりません。  現在、検討を進めております先行2地区の事業化に関する答弁や説明につきましては、彩都建設推進協議会が設置しております彩都東部地区検討会の取り組み結果に基づくものであり、事業見直し検討素案に基づくものではございません。  次に、造成工事についてでございますが、新たな施行主体は、地形や地質の特性を踏まえまして、宅地造成や防災に関係する法令を遵守して、安全な宅地造成を行うべく、適切に工事を実施していくものと考えております。
 次に、東部地区の計画の中止についてでございます。東部地区につきましては、彩都東部地区検討会で取りまとめられた今後のまちづくり方針に基づきまして、大阪府、本市や都市再生機構等の関係者が連携して、全体の整合性を図りながら事業化に向けての取り組みを進めることになっておりまして、彩都のまちづくりは本市の活力や魅力の向上につながるものでございまして、計画を中止する考えはございません。
 次に、東部地区の都市計画についてでございます。  東部地区につきましては、都市再生機構が行う区画整理事業から除外したものでありまして、まちづくりを取りやめたものではございませんでして、市街化調整区域に戻すことは考えておりません。  彩都東部地区検討会におきまして、東部地区のまちづくりの実現に向けた取り組みを現在も進めており、今回、施行予定者から具体の開発計画案も提示されたところでございます。


○西林産業環境部長
 中部地区全体の計画が明らかになった時点での予測と対策についてということでございます。  環境への影響に関しましては、交通量に応じて評価しておりますので、今後とも個別計画で示された車両の発生台数をつなげることにより、全体の交通量の予測に努めてまいりたいと考えております。
 また、対策につきましては、個別事業ごとに本市との事前協議をする中で、必要に応じて事業者による環境保全措置を指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。




[反対討論]議案第44号、茨木市高齢者活動支援センター条例の制定から議案第46号、茨木市敬老祝金条例の一部改正について
[賛成討論]請願第2号、老人福祉センターの廃止など高齢者施策後退を中止して施策の一層の充実を求めることについて

 日本共産党を代表いたしまして、議案第44号、茨木市高齢者活動支援センター条例の制定から議案第46号、茨木市敬老祝金条例の一部改正については反対し、相関連する議題として、請願第2号、老人福祉センターの廃止など高齢者施策後退を中止して施策の一層の充実を求めることについては、その願意はもっともであり、採択に賛成の立場から、一括して討論をいたします。  市は議案第44号、第45号について提案し、本市が長らく運営し、市民の皆さんにも歓迎され定着してきた桑田荘をはじめ、市内6か所の老人福祉センターを廃止して他施設へと転用するとともに、お風呂、送迎バスの廃止をする内容であり、議案第46号は、敬老祝金支給事業から88歳、99歳、最長寿者2名を除く101歳以上も対象から外すという内容です。  市は昨年度から高齢者施策を総合的に検討する高齢者施策推進分科会専門部会を8回にわたって開催し、部会の報告を踏まえて、これまでの高齢者施策の削減、後退を進めようとしています。これは、茨木市が推進する数々の大規模プロジェクト推進の財源確保のために市民サービスを切り刻む、すなわちビルド・アンド・スクラップによる本市高齢者施策の壊滅的な後退であると日本共産党は指摘したところです。  日本共産党の主張は、13年度決算で9.5億円の黒字、積立金も153億円ある一方で、市民1人当たりの民生費も老人福祉費も北摂7市でも最下位という市民の税金の使い道を改めて、今後ふえていく高齢者人口や高齢者のニーズに応じた質、量ともにふさわしい高齢施策を総合的に発展、充実させていくべきであるということです。  そして、本件に関しては、全ての老人福祉センターを存続するとともに、送迎バスの継続、入浴事業は廃止ではなく、さらに回数増を図るなど、センターのサービス充実をさせるべきです。新たな施策の展開のために既存の事業を犠牲にする必要は全くないということです。  日本共産党は、茨木市の高齢者福祉施策はその根本法規である老人福祉法の精神に立って進めるべきとの立場であり、今回の見直しの方向と内容は老人福祉法の内容に逆行してる暴挙と指摘するものです。  老人福祉法は、日本国憲法第25条にある生存権の規定に基づき、全ての老人に対する社会保障を担ってきましたが、財政の悪化により、現在は老人保健法、介護保険法が適用されない場合に限り、老人の福祉を行う根拠法律となっています。なお、実施者は市町村であるとされています。  老人福祉法は、老人の福祉に関する権利を明らかにするとともに、老人に対して、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的として制定された法律です。  条例案に反対し、請願に賛成する理由は、老人福祉センターの廃止及びお風呂と送迎バスの廃止が老人福祉法の精神に反し、市の老人福祉施策の重大な後退であるからであります。  老人福祉センターは老人福祉法に規定される老人福祉施設であり、老人福祉センターは無料または低額な料金で老人に関する各種の相談に応ずるとともに、老人に対して健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設とされています。  茨木市でも老人福祉法にのっとって、昭和48年以来、福井荘、桑田荘、西河原荘、葦原荘、沢池荘、南茨木荘の6施設を運営してきました。府下でも43市町村中37自治体が、つまり、ほとんどの自治体が老人福祉センターを運営している状況であります。利用者は60歳以上の市内にお住まいの個人及び団体として、身体の状況にかかわりなく利用できます。施設利用料は無料で、金銭的余裕のあるなしに関係なく、気軽に利用できます。  センターは、同好会活動の教養、カラオケ、将棋などの娯楽、健康についてなど各種相談、お風呂などの健康増進、日々の会話を交わすことなど交流機能等を提供してきました。特に、現役時代、頑張って長年社会に貢献されてきた高齢者の方々が、定年後の第二の人生を過ごす場の1つとしてセンターを利用され、健康で生きがいのある人生を過ごす憩いの場として、年間延べ17万人もの高齢者が利用してる大変貴重な施設です。  ところが、茨木市は高齢施策を再構築するとして、その一環として市内全ての老人福祉センターを廃止して他施設の転用を打ち出しました。市民的な影響としては、老人福祉センター廃止とそれに伴う施設利用料金の有料化、居場所機能の縮小、風呂の廃止、送迎バスの廃止が主なものとなっています。  まず、施設の利用料の有料化についてですが、部屋の利用料は市の施設利用料の計算式をもとにして算出されており、一定の軽減措置がかかっているとはいえ、基本的な考え方としては、まさに単なる貸し館化です。国による通達では、老人福祉センターの利用は原則として無料とするとされ、ただ、必要により費用を徴収するに当たっては当該利用に直接必要な経費以下の額としています。この直接必要な経費とは、施設の維持費は含まれない、維持費は間接経費であると理解するのが通常です。法に言う無料または低額な料金でというのは、無料または無料に準ずる低額な料金でというのがその趣旨であり、市の施設利用料の計算式から算出した有料化は、老人福祉法の精神からの後退であることは明らかです。  さらに、共用スペースの将棋盤などをはじめとする附帯施設の利用料として1日100円の利用料金としていますが、日々の利用が重なれば、少ない年金で暮らす高齢者にとっては相当の負担となり、懐ぐあいを心配して、我慢せずとも無料で利用できた老人福祉センターからは大きな後退となります。特に低所得者の高齢者にとっては、居場所の取り上げにつながります。老人福祉法に言う老人の生活の安定に反しています。今の高齢者の格差の拡大や生活保護受給者の増加が指摘される中、茨木市が真に実施すべきは格差を是正する方策であると指摘するものです。  次に、お風呂と送迎バスの廃止についてですが、お風呂の廃止によって、高齢者の健康的な生活の維持にとって深刻な影響を及ぼします。市の発行する老人福祉センターのパンフレットでも、お風呂は健康の増進に位置づけられ、日ごろの疲れを癒やすことができるとしています。市民からも、住まいの近くにお風呂屋さんがない、入浴事業はなくさないでください、入浴事業の回数をもとに戻してください、ひとり暮らしの高齢者や風呂のない高齢者は入浴を楽しみにしているとの声も寄せられています。お風呂の廃止は内風呂のない家庭、1人で入浴するのは危険と感じておられる家庭の高齢者にとって影響は深刻です。送迎バスも同様であり、送迎バスを実施するようになった意義は今でも消えていません。お風呂とバスの廃止は、老人福祉センターの重要な機能から重大な後退となります。老人福祉法に言う心身の健康の保持の目的にも反しています。  市は、老人福祉センターの再編の必要性について、老人福祉センターの機能を再編して高齢者のさらなる利用促進を進めていくことが今回の改革の柱であるとしています。しかし、議会への提示資料や答弁内容からしても、高齢者にかかわる拡充事業部分は、老人福祉センターという施設を維持しつつも実施できる内容ばかりです。介護予防事業や高齢者の活動支援は、老人福祉センターのサービス改善と充実の範囲で行えるものであり、施設や機能の廃止の必然性はないと指摘するものです。  また、市は高齢者の居場所づくりとして、いきいき交流広場の整備を一方で述べていますが、順次、開設が進んでいるとはいえ、延べ利用人数は8月まででまだ4,744人であり、まだ端緒についたばかりです。老人福祉センターの年間延べ利用人数17万人とは比べようもなく、論としては時期尚早にすぎます。  次に、敬老祝金支給事業の一部年齢廃止についてでありますが、この制度の趣旨、目的は、「本市に居住する高齢者に対し敬老祝金を贈呈して長寿を祝福し、伴せて敬老思想の高揚に寄与することを目的とする」と条例第1条にも示されています。ところが、今回の後退内容は、条例の目的をきっちりと果たせるどころか、ますます遠ざかるものです。日本には敬老の日という、多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う国民の祝日もありますが、祝い金においても同様に長寿を祝うという大切な日本独特の風習であるともいえます。  昨今、年金の削減、消費税の増税、後期高齢者医療制度保険料の連続する引き上げ、介護保険制度も制度あって、サービスなしと言われ、保険料も毎期ごとに上がり続けるなど、高齢者を取り巻く環境はますます厳しくなっています。茨木市においても、この間、高齢者の市単独医療助成縮小、家賃補助の半減、介護見舞金半減など高齢者福祉施策は次々と後退させられ、さらに今回の大幅な見直しです。  戦中戦後の苦しい時期を乗り越えて社会を支えてきた高齢者、特に元気な方を含めて慰労する、敬う貴重な市の独自の制度の対象をたった52人まで削って、ほとんどなきも同然の制度に後退させるのではなく、大切に守るべきであります。  改めて申しあげますが、市民1人当たりの茨木市の老人福祉費は北摂7市でも最下位です。この茨木市の第7位を税金の使い道を改めて、北摂7市平均額の2万円程度に段階的に改善していく、北摂他市並みの財源を配分すれば、市民が存続を切に望んでいる施策をスクラップせずとも高齢者福祉施策の充実は十分に可能です。今回の請願項目であるシルバー人材センターへの支援の維持、充実や市長マニフェストにあったコミュニティバスの実現など施策の一層の充実は不可能ではありません。  今回の市の高齢者施策の見直しは、今議会の条例議案になっていない項目も含めて、全体的には高齢者福祉施策の水準や財源配分の大幅な後退でしかありません。茨木市には市民病院も敬老パスもありません。せめて他市も行っている既存の施策は大事に残しつつ、新たなニーズに対応する施策を展開していけばいいのではないでしょうか。  以上、議案第44号から議案第46号に反対し、請願第2号に賛成の立場からの討論といたします。  議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。

[討論]議案第50号 茨木市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める 条例の制定について
[討論]議案第52号 茨木市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の利用者負担等に関する条例の制定について

 日本共産党を代表いたしまして、議案第50号に対する修正案に賛成し、原案に反対及び後ほど提出されます議案第52号については修正案賛成の立場で討論いたします。
 国による子ども・子育て支援新制度の実施に伴う条例の制定及び一部改正議案が今議会に提出され、審議され、本日採決されようとしています。  本市において、新たな形態の教育、保育施設などを整備し、運営していくための基準等を規定するものであり、その内容の水準いかんによって、今後の茨木市の子どもたちに多大な影響を与えるものであります。  子どもたちの安全を守り、その健やかな成長、発達をひとしく育んでいく保育、教育環境を整え、保障するものでなければなりません。これまで本市が行ってきた教育、保育水準を後退させたり保育格差を生じさせるようなことがあってはなりません。  児童福祉法では、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」としています。また、第24条第1項では、市町村による保育実施義務がうたわれています。すなわち保育を受ける権利は平等であり、保育を受ける環境についても平等を旨とするべきです。市町村も平等な保育環境を児童に提供する責務があるし、そのために努力しなければならないと考えます。まさにその法の趣旨から、茨木市の保育は認可保育所の整備で対応するべきであるというのが日本共産党の主張であります。
 ところが、新システムの7施設4事業では、この点で大きな問題を抱えてると指摘されているところであり、国基準では、大きな格差や保育水準の後退が避けられません。  市が今回示した基準条例案等では、職員の対数配置など一部国基準を上回る内容にはなっていますが、全体的に見れば国基準そのままというのがほとんどであり、これまでの茨木市の保育水準を維持し、さらに安心・安全の環境整備を保障していく目的を達成するためには、一層の充実が求められていると日本共産党は考えるものであります。
そして、その立場から、議案第50号から議案第54号について、本会議及び委員会における議案審議の場では改善を求め、質疑を行ってまいりました。さらに、今回、議案第50号、議案第52号については、最低限これだけは改善するべきと考えるものについて修正案を提出しております。
 まず、議案第50号修正案の主な内容でありますが、1点目が、家庭的保育・小規模保育事業、小規模型事業所内保育施設における保育者の資格基準であり、市基準では一部保育士資格を持たずとも保育に当たってよい基準となっていますが、修正案では、可能な限り全数保育士に近い基準に修正を施すものとなっています。  2点目が、小規模保育事業の設置階数基準であり、市基準では一定の基準を満たせば3階以上の設置が可能となっていますが、修正案では2階までに限定としています。  3点目が、保育所型事業所内保育施設の乳児室の面積基準であり、市基準の1.65平方メートルから他の小規模保育施設等と同等の3.3平方メートルに合わせる修正であります。
 以下、議案第50号修正案に賛成し、原案に反対する理由を申し述べます。  端的に申しあげまして、認可保育所と新システムで導入される小規模保育事業所があるとして、保育に欠ける0歳から2歳の児童を持つ保護者はどちらを希望するでしょうか。答えは容易に想像されます。それは、国や市が幾ら選択肢がふえると形式上の説明をしたとしても、安上がりの待機児童解消策をとった結果、認可保育所と地域型保育事業では設置基準等をはじめ、歴然たる差があり、安心・安全の保育という面から格差が生じてしまうのは必至だからであります。  日本共産党は、選択肢を幾ら広げるといっても、ハードルを下げた粗製乱造の保育施設がふえては児童福祉法の趣旨である、どの子にもひとしく質の高い良質な保育の確保を踏み外すことになり、本末転倒であると主張するものです。少なくとも地域型保育施設にしても可能な限り認可保育所と同等の設置基準に近づけるべきです。  保育所分園型と言われるA型だとしても、現実、市内施設のA型相当施設を見るに、駅前雑居ビルの2階にあるという施設も見受けられます。仮に、最低限の設置基準を満たしているとしても、そもそも乳幼児が保育される専用施設として、設計段階から万全の配慮がなされた認可保育園と専用の園庭も存在しないようなビル設置の小規模保育施設では安全・安心の面では性能が大きく異なるのではないでしょうか。万が一、事故や災害が発生した際に、乳幼児の保育室が雑居ビルの3階や4階では、果たして安全に避難できるでしょうか。不安は拭えません。ましてや、A型以外ともなると保育士資格基準まで緩和され、さらに保育環境の格差は拡大します。  これまでの認可外保育施設の乳幼児の死亡事故については、国でも調査され、一定の結果が公表されています。それによると、2010年度から2013年度の4年間平均で、認可と認可外施設の死亡事故率の差は実に28.5倍であります。事故例の8割以上が0歳児から1歳児の睡眠時の異常発見、その大半がうつ伏せ寝の状態での発見となっています。その原因は、施設運営者の保育に対する認識の甘さや、経験の浅い保育士ないし無資格保育従事者によるうつ伏せ寝など、不適切な保育の実施によって死亡事故が認可保育所に比較してずば抜けて高い確率で発生していると指摘されているところであります。  基準条例案については、小規模保育事業の類型をA型のみと条例で限定することの可否は当該項目が従うべき基準となっていることから議論のあるところです。日本共産党としては、あえてA型限定として規定し、B型やC型は規定しない道が望ましいと考えますが、少なくとも他市の例にあるように最低限B型、C型の保育士資格割合の上乗せを実施すべきです。  他市では、例えば、B型の保育士資格の割合を2分の1以上から3分の2以上や4分の3以上に上乗せしている自治体が少なからず存在します。国もB型の資格規定をA型と全く同じにするのは法の趣旨に反すると回答していますが、上乗せは可能だとしています。他市は、上乗せの目的として、より質の高い保育を確保するためと説明しています。それは裏を返せば、無資格の保育士の比率が高ければ高いほど質の高い保育の確保が難しくなると当該自治体が考えているからではないでしょうか。  いずれにせよ、少なくとも茨木市の小規模保育施設整備についてはA型が原則で、B型、C型の設置は望んでいないと打ち出し、募集もA型に限定すべきです。さらに、事業者がA型での開設を展開できるよう、また仮にB型でスタートしても早期にA型に移行できるよう、市として財政支援を含め方策を検討するべきです。
 次に、議案第52号の修正案でありますが、利用者負担について、市基準では国の示す公定価格の75%を利用者負担の基準額としているところを、修正案では70%とし、利用者の負担軽減をさらに進める内容となっています。  茨木市も、かつては長らく保育所保育料の設定を国基準の70%としてきました。現在は国基準の75%として条例化され、新システムにおいては当面75%、近い将来においては負担率を80%に上げていくという方針が打ち出されています。  日本ではこの間、官民あげて労働者の賃金を抑え、正社員を減らして賃金の安いパートや派遣など非正規への置きかえを進めてきました。勤労者の平均賃金は90年以降で最低となっており、ピーク時の97年より、年収で約70万円も減っています。この10年余りの間に、平均でも月給の2か月分程度の収入がなくなったのですから、ローンや教育費をはじめ、労働者とその家族の暮らしの悪化は深刻です。賃金が長期にわたって連続的に減り続けている、こんな国は先進国の中でも日本だけです。  日本は97年からの14年間に、働く人の所得が88%に減少しました。同時期に欧米諸国では、アメリカ178%、イギリス190%、フランス163%、ドイツ129%になっております。これは、すなわち児童の保護者の負担能力も低下し続けているということです。  過去の市答弁では、保育料滞納の主原因は家計の逼迫ということでした。茨木市の児童に良質かつ適切な教育、保育を平等で格差を持ち込まず提供するためにも、負担をふやすのではなく保育料負担軽減を図るべきであります。
 以上、議案第50号に対する修正案には賛成し、原案に反対及び議案第52号修正案賛成の討論といたします。  議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。

[討論]議案第55号 茨木市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定について、及び、議案第56号 茨木市学童保育室条例の制定について
 日本共産党を代表いたしまして、議案第55号及び後ほど提案されます議案第56号に対する修正案に賛成し、両原案に反対の立場から討論いたします。
 議案第50号での討論でも申し述べましたが、日本共産党の基本的立場は子ども・子育て新システムに関連する基準条例案等づくりにおいて、どの子にもひとしく良質かつ適切な保育、教育の提供を求める立場から、基準は国基準にとどまらず、大いに市町村独自に望ましい保育、教育環境は何かを主体的に判断し、積極的に上乗せ規定に取り組むこと、また、本市が行ってきた教育、保育水準を後退させるのではなく、むしろ向上させられるよう努力するべきであるということであります。
 まず、議案第55号に対する修正案でありますが、1点目が、設置運営基準等における支援員の配置規定であり、市基準では最低2人配置する支援員のうち1人を無資格の補助員で代替してもよいとしているところを、修正案では有資格者である支援員2名は必置と上乗せしています。現在の茨木市の学童保育の運営要綱でも、学童保育指導員配置基準は各教室2名の正規職員、すなわち市の選考を通過した任期付短時間勤務職員を配置することと規定しており、これを資格者1名、無資格者1名でもよいとすることは明らかに基準の後退であり、看過するわけにはいきません。  本条例案第5条第2項において、「この条例で定める基準を超えて、設備を有し、又は運営している放課後児童健全育成事業者においては、当該基準を理由として、その設備又は運営を低下させてはならない」という規定の趣旨にも反することではないでしょうか。  40人という大きな規模の児童集団の秩序を保って、安定した保育環境を提供するためには有資格者の支援員2人でも足りないくらいであり、公設であろうと民設であろうと、補助員で有資格者を置きかえなど安易な道を選択すべきではありません。  新システムにおいて学童保育の1教室の単位がおおむね40人と国から基準が示され、今後、茨木市の学童保育教室においても3年間で教室分割が進められようとしていますが、その過程で多数の支援員の確保が必要となっていくことは容易に予想されます。  そこで、安上がりに、かつ安易に人材を確保するために基準の緩和でしのごうとしているのなら、それは許されるものではないと指摘せざるを得ません。  そもそも指導員の確保を困難にし、たとえ確保しても長続きせず、欠員が出ても柔軟に確保できない、人材が他市に流出していってるという悪循環に陥っている原因は何でしょうか。それは、市がこの間とっている任期付短時間勤務職員の採用方法や学童職員に対する待遇条件が貧弱であるからであり、まず先に、そうした課題を解決すべきなのであって、保育水準の後退につながる基準緩和でしのごうとするのは本末転倒であります。
 修正点の2点目でありますが、設置運営基準条例における1教室を構成する児童の数、すなわち支援の単位の規定であります。市基準では、おおむね40人としているところ、きっちり40人と上乗せするものです。  常任委員会質疑において、おおむねの意味は数値的には1割であるとの趣旨の市答弁がありましたが、それでは44人までを許容範囲とする意味なのか、附則第3項のように、おおむね70人とするのは、市の言う1割の許容範囲なら77人まで可とするのか、それではもうどちらかといえば80人に近い数字ではないかなど、一義的には判断しがたく、この際、曖昧な表現は避けるべきであり、明確に40人とし、だれから見てもわかりやすく納得しやすい数値とすべきではないでしょうか。  一方で、「おおむね」の文言を削ると、今後、教室の人数が40人を1人でも超えると市は教室分割に取り組まなくてはならなくなり、市にとって酷であるとの議論もありますが、本条例案の附則第3項において、平成32年3月31日までは1教室の単位は、おおむね70人との経過規定を置いてるのであり、当面はそんな事態はないのであります。おおむねがあるかないかが意味を持ってくるのは3年後の大規模教室の分割が一段落した後になります。  そこで、40人で分割するのか、44人で分割するのか、40人で分割したほうが保育環境向上のためにより望ましいというのは言うまでもありません。つけ加えるならば、学童保育教室の1教室の適正規模については、全国的に学童保育関係者からも児童が安心して生活できる適正規模は30人までが望ましいと提言されているところであり、市も今後、1教室の適正規模については段階的な改善に取り組むべきであると意見するものであります。
 修正点の3点目でありますが、設置運営基準条例案における関係機関との連携規定において、保護者会等を追加する上乗せ規定となっています。学校とPTA、学童教室と保護者会、それぞれにさまざまな課題があるにせよ、両者が目指す方向性は同じであり、学童保育教室が適切かつ良好に運営されるよう二人三脚で密接に連携すべきであります。
 修正点の4点目でありますが、茨木市学童保育室条例案における入室資格規定において、市基準では基本的に1年生から3年生までになっているところを、修正案では1年生から6年生までと上乗せするものであります。同時に附則として、平成32年3月31日までは1年生から3年生までとする趣旨の経過規定を追加するものです。 議案第55号の設置運営基準条例案では、第6条において、「放課後児童健全育成事業における支援は、小学校に就学している児童」であると明確に規定されています。児童福祉法の趣旨からも同様です。国の説明でも1年生から3年生と条例で限定するのは法の趣旨に反するとしています。すなわち、学童保育室条例においても入室資格を1年生から3年生と限定するのは法の趣旨に反するということです。同時に国は、個々の教室に6年生までの受け入れを一律に課すものではないとも説明しています。6年生までの受け入れができるところから順次、対応していけばよいということです。
 修正点の5点目でありますが、茨木市学童保育室条例案に市によるおやつの給付規定を設ける修正案となっています。この機会におやつについてもアレルギー対応を含め、事業者の責任において給与する方法を検討し、規定していくべきです。いわゆるおやつといっても、単なる補食にとどまらない、その目的と意義の重要性を再認識し、事業者、指導員、保護者で共有し、事業者の責任で給与を実施すべきです。  以上、議案第55号及び議案第56号に対する修正案に賛成し、同原案に反対すべきとの討論といたします。  議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。


[反対討論]認定第3号、平成25年度大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定について
 認定第3号、平成25年度大阪府茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定について、日本共産党市議会議員団を代表いたしまして、認定することに反対の立場から討論を行います。
 平成25年度の介護を除く国民健康保険料率は、前年度より均等割額は150円引き下げ、平等割額は310円の引き下げとなるも、所得割率は0.33%引き上げ、すなわち、所得割がかからないほどの世帯では、わずかに負担は下がったけれども、残りの世帯は所得割率が大きく上がったこともあり、大半の加入世帯で引き上げになった年度でありました。そのため、本特別会計、当初予算審議においても、日本共産党は、一層の法定外繰入額の増額を求めて、反対の立場をとりました。
 本認定に反対する理由の第1は、保険料率の設定が適切ではなかった結果、決算において、法定外繰入額を当初予算比では2.9億円減額し、保険料抑制のために活用すると約束していた、1人当たり1万4,000円の繰り入れが、結果として、1人当たり1万円にとどまったからであります。すなわち、1人当たり4,000円の保険料が高過ぎたということであります。茨木市は国保会計において黒字が出そうになると、法定外繰入額の減額による黒字減らしを平成21年度以来、5年連続で続けています。日本共産党の主張は一貫して申しあげておりますが、年度当初の予算の設定した額は減額すべきではない。保険料を高く設定し過ぎて、黒字が出たら年度末に当初予算より法定外繰入を減額するというやり方をやめるべきだと求めるものであります。せめて、当初予算額は維持して、黒字として翌年度に繰り越し、翌年度以降の保険料の抑制に活用すべきです。また、あわせて、毎年度の当初予算では、被保険者1人当たり1万4,000円の保険料軽減繰入額を堅持し、保険料値上がりの抑制に努力すべきです。平成20年度以降、茨木市の国保料の所得割率は7.85%から8.88%へと、ほぼ右肩上がりで上昇し続けています。一方で、国保加入世帯の所得は下がり続けています。保険料の負担は明らかに限界を超えています。一般会計からの繰入額を最大限努力し、加入者の負担を少しでも軽減する、政策的優先性も高いし、また、茨木市にはその財政力は十分にあると、改めて指摘いたします。
 本認定に反対する理由の第2は、資格証明書の発行を漫然と続けているからです。資格証の発行は、発行対象者の受診抑制で重症化を招き、かえって医療費の増加につながり、国保財政にも結局益とはなりません。収納率の向上努力は、資格証以外のほかの方策で図るべきです。決算認定についての委員会質疑の中で、平成25年度は現年度の滞納に対応するコールセンターの創設、分割納付への勧奨強化、賦課総額の縮減等収入率の向上の取り組みの効果があらわれたということでありました。現年度分で0.7ポイント、過年度分で3.2ポイントの上昇であります。資格証に頼らなくても、その他の取り組みの努力により果たした結果ではないでしょうか。改めてこの際、資格証の発行は中止するべきと強く求めるものであります。
 本認定に反対する理由の第3は、国民健康保険料の独自減免制度について、長年市民から制度の内容の充実と改善が望まれているにもかかわらず、その努力をせず放置しているからです。減免件数では、北摂最下位のわずか324件、減免総額でも第6位であり、他市が行っているような、身障者減免や独自軽減もなく、内容面でも運用面でも極めて低位な状況にあります。既存の減免制度について、市民に対する周知を徹底して進めるとともに、内容面でも制度の改善に努力すべきです。
 以上、大きく3点の理由を申し述べまして、本決算は認定すべきでないとの立場からの討論といたします。  議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。  また、この機会にあえて付言いたしますが、来年度から国保の保険財政共同化安定事業の対象額が1円から、いわゆる1円化が始まろうとしています。今でも、市の国保財政は共同事業拠出金の超過負担で、保険料にも大きな影響を与えています。現在、大阪府のほうで、1円化による共同事業拠出の内訳割合が議論されていると聞いていますが、引き続き、国や府に、広域化反対の声を、市としてあげていくことを求めるとともに、茨木市民にとって最悪の結果とならないよう、また、市町村ごとの努力や実情を無視するような結果とならないよう、他市とも共同して事に当たっていただくよう、意見いたします。